出張回想録Vol.17
「時が経っても♪」
“Play it, Sam!
Play ‘As Time Goes By!”
商社Mのカサブランカ事務所にて、ご挨拶と滞在する8日間のスケジュール確認。
今回は、モロッコでこれから当社商品を新たに取り扱う代理店候補の調査が主な業務です。既に商社Mとは自動車販売で取引が長年あり、信頼の置ける相手です。
明日から代理店の本社と支店数ヶ所を周り、営業・サービス面での最終確認と市場調査を行います。5日間で延べ2,000kmの行程を車で移動します。
カサブランカでの宿泊は、国連広場近くの路地を入った所にある、こぢんまりとしたプチホテルでした。
歴史を感じる建物でパリの一角にでもありそうな雰囲気のくつろげるホテルです。
ロビー1階の掲示板には、プライベート・ツアーの案内が幾つか貼られていました。今回、モロッコ滞在中に2日間の休みがあるので、サハラ砂漠ツアーにでも行きたいと思います。
「Rick’s Cafe Casablanca」へ
モロッコで行ってみたかったのが、映画「カサブランカ」の舞台となった酒場「カフェ・アメリカン」です。
もちろん実在はしない架空のお店ですが、映画の雰囲気を味わえることができるお店があるとの情報をキツネ目の上司より事前に仕入れていました。「その店に行くと誰もが魔法にかかったようにダンディーに成れるのだよ」と楽しげに話していました。
店名は映画の主役ハンフリーボガードの役名リックに因んで、
「Rick’s Cafe Casablanca」
お店はホテルの近くにあり、M商社の担当者と二人で訪れました。特に厳格なドレスコードは無かったのですが、折角ですので少しオシャレをして出掛けました。
店内に入るとビビビックリ!
映画の世界観を再現したとても素敵なお店でした。映画に登場するセットを彷彿とさせる内装や煉瓦造りの壁、アンティーク調の家具、そして薄暗い照明が映画さながらのノスタルジックな雰囲気を醸し出し、誰もが一瞬でハンフリー・ボガードやイングリッド・バーグマンになった気分が味わえます。
メニューも映画の世界観が味わえるモロッコ料理などなどが中心で、映画の中でリックがドーリー・ウィルソン演じるピアノ奏者でシンガーのサムにオーダーしていた「いつものカクテル」を注文する事ができます。
映画の中では、このカクテルの名前は明かされてなかったと思いますが、実際に注文すると、バーボンの風味がシェリーの香りとライムの酸味とマッチしたとても美味しいカクテルでした。
私より年下の商社Mの担当者は、
「君の瞳に乾杯!」
“Here’s looking at you, kid”と言って
シャンパーニュをオーダーしてました。
悔しいけどカッコよかったです!
店内ではジャスやブルースのライブ演奏があり、ダンスフロアで踊ることもでき映画のワンシーンのように華やかな夜を過ごすことが出来ます。もちろん、『アズ・タイム・ゴーズ・バイ♪』「時が経っても」が何度も切なく流れてました。
モロッコ初日は、カサブランカの雰囲気にどっぷり呑み込まれて、調子に乗ってガバガバとアルコールを摂取しました。
企業人として有るまじき、海外出張先で記憶を無くす醜態を晒し、ホテルにいつ辿り着いたかなど全く覚えていなかったのです。
つづく、、、、、、、、、、、、、、、、