GNS3に挫折した話
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どーも、情シスで働く45歳・ゲーム大好きおじさんです。最近、「ネットワークの勉強をしたい! でも実機を買うのは高いし、どうにかPC上でシミュレータを使えないかな?」って思って調べたら、「GNS3」というソフトがめちゃくちゃ有名らしいんですよね。
でも、これが ファミコン本体は買ったのに、ソフト(カセット)が無い! みたいな状態になってしまい、結局うまく遊べなかった(=使えなかった)ので、その奮闘記をブログでまとめようと思います。
GNS3ってどんなゲーム機?
もし「GNS3ってなに?」って思っている方は、ファミコンやスーパーファミコンみたいな「ネットワーク機器用のゲーム機」だと思ってください。本来、物理ルータやスイッチを買ってケーブルを繋いで…っていうのを、全部仮想環境でやれるのがGNS3です。
仮想ルータや仮想スイッチをソフトウェア上で立ち上げて、
PCの画面上でケーブル(仮想的な)を繋いで、
CLI(コマンドライン)を操作してネットワークの勉強ができる。
これが無料で使えるって、すごいですよね! しかも自宅のWindows 10でもOK。
「おっしゃ、これはもう『ドラクエIII』を初めて買ってもらったときみたいにワクワクしちゃうじゃん!」と思ったんです。
いざインストール! …が、「カセットはどこ?」
自分のスペック(PC)はこんな感じです。
CPU:Intel Core i5 第7世代
メモリ:32GB
ストレージ:512GB SSD
グラボ:RTX 1080
OS:Windows 10
VMware Workstation Pro 17 がインストール済み
いやもう、「ファミコン本体をプレイするには十分すぎる」くらいのハイスペックですよね。そこで、GNS3の公式サイトからソフトをダウンロードしてインストール!
GNS3のインストール手順ざっくり
公式サイト(gns3.com)からGNS3本体をダウンロード。
インストーラを実行し、「Next」「Next」で進む。
途中でWiresharkやNmapなどのツールインストールオプションもあるので、基本は全部チェック。
「GNS3 VM」も入れておくと良い(VMware上で動かすので)。
で、インストール自体はスムーズに完了。ファミコン本体(GNS3)は部屋のテレビに繋ぎ終わった状態です。
でも、いざ起動してみたら…「ルータが見当たらない!?」 そう、カセット(IOSイメージ)が無い!
IOSイメージってなによ?
GNS3でCiscoルータやスイッチを使いたい場合は、Ciscoの「IOS」と呼ばれるシステムが入ったファイル(.binや.qcow2など)が必要になります。
これはファミコンの「ゲームカセット」に例えられます。GNS3自体は本体であって、ルータやスイッチそのものを動かすための“中身”は入っていないんですね。
「じゃあ、そのカセットどこで手に入れるの?」って調べたら、どうやらCiscoの公式サイトからダウンロードするか、実機から吸い出すしか合法的な方法はないとのこと。しかも、公式サイトで自由に落とせるわけではなく、ちゃんとサポート契約(SmartNet)やCML(Cisco Modeling Labs)のライセンスが必要らしいのです。
昔は簡単だったらしいけど、今は厳しい!
ネットでいろいろ調べると、「昔はGNS3用のIOSイメージがそこら中に落ちてた」みたいな記事をチラホラ見かけます。
でも今はもうCiscoのライセンス管理が厳しくなっていて、公式以外のダウンロードサイトはほぼクローズされているし、あっても怪しい。
例えるなら、**「昔はそこらの中古ショップでも手に入ったカセットが、今はもう任天堂公式ストア限定販売になっちゃった!」**という感じでしょうか。
自分も怪しいサイトをいくつか見ましたけど、ウイルスの危険もあるし、そもそも法的に問題がある可能性大。これは手を出せないな…と。
CMLって何?
「CML(Cisco Modeling Labs)」というのは、Ciscoが提供している公式のシミュレーション環境です。ここで配布されるIOSvやIOSvL2という仮想マシンファイルを使えば、GNS3やEVE-NGでも動かせるようになります。
ただし問題は、無料版だと最大5ノードまでしか使えない…! 30台以上のルータやスイッチを動かして大規模な学習をしたい人にとっては、ノード5個じゃ足りないですよね。
「せめて『ドラクエIII』のパーティが5人までならまだしも、実際は4人しかいないのに…みたいな感じ?」いや、それどころじゃない。とにかく台数制限が厳しい。
そこでEVE-NGを試してみる
「GNS3でIOSイメージが手に入らないのなら、ほかに無料でネットワーク学習できる方法はないのか…?」と探していると、出てきたのが「EVE-NG」。
これもGNS3と同じく、ネットワークエミュレータなんですが、実は「無料のCommunity版」があって、ノード数に制限はありません。
さらに、Cisco IOSがなくても、オープンソースのルータOS(VyOSやMikroTik CHR)とか、Arista vEOS、FortiGateの仮想マシンなどを入れて動かせるんです。「もうファミコンにこだわらずに、スーパーファミコンやメガドライブのソフトを楽しむ道もあるじゃないか?」って発想ですね。
ただ、ここでも「イメージ」=「ソフト」が必要なのは同じ。でもVyOSなんかは公式サイトから無料でダウンロードOK。つまり、CiscoのIOSにはこだわらなければ完全無料でネットワーク学習ができるわけです。
じゃあGNS3は諦めるの?
正直、**「CiscoのIOSを無料でGNS3で動かす」**というのは、今の時代ほぼ難しいです。
CMLのライセンスを買う(有料)
実機からIOSを吸い出す(実機持ってる人向け)
非公式サイトのダウンロード(ライセンス違反 + セキュリティリスク)
この3択しかないなら、実質「無料で」というわけにはいかないですよね。
結果、GNS3を使ったCisco環境構築は諦めて、「どうしても無料がいいならEVE-NG + VyOSなどのオープンソースで行こう」と方針転換しました。
GNS3からEVE-NGへ乗り換えた感想
GNS3も良いソフトなんだけど、やっぱり無料でCiscoにこだわるのは今はハードルが高い…。
EVE-NGは最初の設定が少し難しいものの、ブラウザ上で操作できて慣れると便利だし、複数のイメージを登録して大規模なラボも組みやすい。
CiscoのIOS以外でも、VyOSやMikroTikで「ルーティング」「BGP」「OSPF」「VPN」などの勉強は充分可能なので、「ゲームはファミコンじゃなきゃ嫌だ!」と思わなければ、別のハード(オープンソースのOS)でもバッチリ遊べるわけです。
まとめ:ネットワーク学習、諦めるな!
最後に、このブログで言いたいことをまとめると:
GNS3をインストールしても、すぐにCiscoルータを動かせるわけじゃない
カセット(IOSイメージ)が必要!
今は無料で落とすのはほぼ不可能(ライセンスの壁)。
どうしても無料で学びたいならEVE-NG + オープンソースのOSという道がある
VyOS、MikroTik CHR、Arista vEOSなどでルーティングやL2の学習ができる。
Ciscoにこだわらなければ十分遊べる!
CiscoにこだわるならCML(有料)か実機を買うしかない
個人学習用なら有料版CMLのPersonalライセンスもアリだけど、予算がかかる。
会社で経費が出るならそれも選択肢かもしれない。
昔みたいに、**「みんなが自由にIOSを持ち寄ってワイワイできる」**時代は終わったっぽいけど、それでもネットワークの学習方法は色々あります。ファミコン(Cisco)だけがゲームじゃない! スーファミやメガドライブ、プレステだってある! そんなふうに柔軟に考えると、いくらでも「手を動かしながら学ぶ」ことは可能です。
もしこれからGNS3に挑戦しようとして「IOSが手に入らないじゃん!」って絶望する方がいたら、このブログが役立てば嬉しいです。無理にファミコンのソフト(Cisco IOS)を探さなくても、無料で遊べる別のゲーム(オープンソースOS)で充分学習できるんだよ、というお話でした。
あとがき
もうちょっと若い頃に、自宅ラボを組めるような資金力があったら、実機ルータを中古で買ってガチャガチャ遊べたのかなあ…。まあ、今はソフトウェアで全部できる時代だし、便利になったといえば便利になった。でもライセンス管理が厳しくなって、「無料ならこっちで妥協」「本格的にやるなら有料契約」みたいにハッキリ分かれちゃったのは、ある意味仕方ないのかもしれませんね。
とはいえ、EVE-NG + VyOSの組み合わせでも、相当奥深く学べるので、同じ境遇の方はぜひ試してみてください。いつかまた、「ファミコン版のドラクエIII(= Cisco IOS)」を正規入手できる日が来たら、またGNS3にも戻るかもしれません…!