#8 決行の日の朝

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いよいよ、実行に移す日がきた。


LeesはJeremyを惑わすブロンド女性にKaceyの腕によりまたたく間に変身。

ソバカスも見事に消えた。


Billyは身長は低いし、まだガキだけど、もう立派な仲間だ。

彼らの間に、妙な一体感が漂っていた。


投げやりな緊迫感と


最終的には絶対に成功させないと、もう後には引けないという強い気持ち。


戻る場所もないのだから。


カラスが鳴いている。


一睡も寝れず、4時には、空き家からkacey達は出た。


チョコバーがあるよ。


KaceyとBillyは無口だった。
特に、Billyは様子がおかしい。落ち着かない様子だ。

KaceyはBillyの事は殆んど何もしらないのだと改めて思った。

年齢は16歳、確か母親はシングルマザー。父親はろくでもない野郎で、Jeremy.Jrと呼ばれるのが嫌だから、Billyで通しているという事。

母親もろくでもなさそうだという事。

子供というには幼くなく、大人というには、まだまだ成長期なのだ。
カールがかかった、ダークヘアーの髪の毛は、KaceyとLees、同様、何日も洗ってないかのように汚れている。
すりきれたパンツに、半袖のTシャツに、年期の入ったパーカー。

紙に何かを書いているが、Kaceyは話しかけないで、そっとしておいた。

Leesは、皆の反応がないのを見て、ため息をつくと、袋を口で紙切り、捨てた。チョコバーは、あっという間に彼女の痩せた体に吸収された。

Kaceyは、ちらちらとBillyを伺った。
やはり、様子が気にかかった。

『あんた、大丈夫?Billy?』


初めて、名前で呼ぶと、哀しげな茶色の瞳がこちらを見つめている。Billyは泣いていた。


Kaceyは思わず、言葉に詰まった。


Billyは『。ったい。。こうさせないと。』


何?聞き取れない。


途中で調達したペットボトルを渡すと、一気にBillyは飲みほした。


『成功させるんだ。』  

それしかないわね。。その後は。。

ま、その後は、その後て事よ。 


Leesはというと、突然笑い出すと、何処で、コスメ、ウィッグやらを調達するのよ!と笑い出した。

確かに、まだメイクしか完成していないが。

何が面白いのか、スキップまでしている。寝てないせいか、更にハイになっている。

あたし失敗するかもよ?この、あたしが、そんな、ぬかりのないゲス男を惑わ女になれるかしら。

ま、演技はこれでも上手いのよね。喋り相手がいないから、よくネットの相手と話したりするし。ほとんどは、変わり者の連中だけど。

気持ち悪い男や批判的な女共、みんなクタバレばいいのよ。

明日の心配もない。恵まれた愛とやらが溢れる家族と暮らしてる連中よ。それか頭がイカレテる奴等ばかり。

私のせい方が、よほど正常なのよ。

リアルだと、モテナイか、ヤバい事を隠してる奴等も多いの。

私には、刑務所のペンパルがいたことあった。仲介サイトを通してだから、直接なやり取りじゃないはずだった。でも、止めようとしたの、一通だけ送った後にね。

そしたら、忘れた頃に、来たのよ、そいつ本人から、こっちは待ってるんだから早く返事を送れって。

メールにきたのよ?仲介業者は個人情報に簡単にアクセス出来るように、してたなんてヤバい。

次は息子が可哀想だから早く手紙を送れと母親の振りをしてまたメールを送ってきたの。

でも、それが送れるのに、実際の手紙が欲しいって事は、パソコンを使って、私のプロフィール写真も個人情報も見たって事。

バレたらヤバいし、懲役25年の若い男だったから、それ以上何も起こらなかったけど。

入院していて、体調が悪いので、やり取りはもう出来ません。

と刺激しないように書いても、全く通じなくて。。

後、イギリスの刑務所でドラッグを売って捕まった若い男とも話したわ。画面にいきなり現れてきてビックリした。

でも、実際一番ヤバいと感じたのは、ガードの男だったわ。あいつは、モニターを見せてきたの、胸糞悪い偉そうな態度に辟易したわ。何よりあの目。サイコパスよ。過去にコップをしてたってんだから、そりゃ地獄いきよ。

囚人て何でも今の時代出来るのね。tiktokで支援をアピールできるし。

支援者団体とグルーピーのお陰てわけ?

Tiktokの運営者もそんなもの載せるなんてヤバいわね。

ま、私はtiktokなんて使った事はないんだけどね。

Leesの話しは、止まる事なく、続いた。

疲れ果てたのか、飽きたのか、そこでぷつりと終わった。


7時頃だろうか?


決行の時は迫っている。


私達は、顔を見合わせた。


迷いはなかった。