【意外過ぎた!】都市ガスの託送料金vsLPガスの配送費
現在、ガス市場は自由化され、ガス小売事業者になれば一般ガス導管事業者の導管を借りて(託送してもらい)、一般の需要に対しガスを供給することができます。
しかしながら、この託送料金が高いので、なかなか都市ガスの料金は下がりません。東京ガスの料金は、昔から1m3当たり125円前後です。これは、内訳として東京ガスの託送料金21円が含まれています。(これでも国内最安値の水準です。)
都市ガスの託送料金は、大手ガス会社(大阪ガス、東邦ガス)ではどこも1m3(45MJ)当たり20円前後、西部ガスは30円、京葉ガスは50円、武州ガス62円、東彩ガス44円、新日本瓦斯83円、秦野ガス107円、小田原ガス110円です。(45MJで22m3託送した場合の料金表Bを適用)
1m3当たりでこんなに取るんですね。ボッタクりです。
一方、LPガスの配送委託費(充填所から一般消費者まで)は、神奈川県方面では1kg(50MJ)当たり24円前後のようです。(出典:㈱サタケHP)
販売店が、卸に配送委託するときの料金です。
都市ガスとLPガスでは、気体と液体で違いますので、都市ガス13A(45MJ)に換算してコストを比較します。
するとLPガス45MJ当たりの配送コストは、22円と簡単に算出できます。東京ガスの託送料金21円には負けますが、それ以外の中小都市ガスとの比較ではLPガスが勝っちゃいますね。
どうですか?LPガスのボンベ配送費は高いですか?
安いでしょう。
反対に、都市ガスはいくら自由化しても、東京ガスエリア以外は託送費が高すぎませんか?
都市ガスが自由化されても全然浸透しない原因がこれです。
託送料金が安い東京ガス、大阪ガス、東邦ガスが各エリアで1人負けという理不尽な状況となっています。
世の中の、新日本瓦斯や東彩ガスやから東京ガスへ切り替えたいという願いは、依然として叶えられていません。仮に新日本瓦斯、東彩ガスからガスを買いたくない場合、東京ガスから買おうとしても、託送料金が上記の通り高すぎて供給を受けることは、限りなく不可能な状況となっています。1m3当たり160円~200円前後に料金が跳ね上がってしまいます。
ガスの自由化で誰が得をしたかと言えば、大手電力会社が得をしました。
テレビCMを打ったニチガスですら儲かっていません。東電に上手いこと利用されているだけなのかも知れません。
同社の有価証券報告書によれば、ニチガスの平成29年度の新都市ガス事業は営業赤字でした。一方で出演タレントは儲かったし、好感度も上がったとは思いますが。