見出し画像

【大荒れ天気の知床旅日記】03-07-2024

 最終日。
今日シャチが見られなかったら即帰宅。
午前便に乗ったあと14時45分の羽田行きに乗らないといけないため、万全の準備をしておく。

 鍵を返したあと、ご飯でも食べようかなとふらふらするもまだ朝8時。
どこもやってないためとりあえずセコマに入る。ちょうど豚丼が売ってるからこれを食べる。
家から徒歩で行ける範囲にセコマが欲しい。北海道限定のものはしかり、リボンナポリンやらシトロンやら、飲み物がとまらない。

 車でとりあえずの腹ごしらえをすませ、観光船の受付を済ませる。
最終日は滑り込みでなんとか予約が取れたゴジラ岩観光に乗船。

 なんとなくいつも知床ネイチャークルーズで予約をするため、今回は初めての乗船。船が思ったよりもコンパクトでうねりでどれだけ揺れるかがいまから心配になってくる。今回、先月買ったばっかの約3キロのシグマ150-600Sをもちこんだ。重い重い。

いざ、出航
Nikon Zf NIKKOR Z 40mm f/2

 いざ乗船。
船首にポジションをとる。たぶんこれが悪手だった気がする。
港内を外に向けて走り始めたタイミングで船長がいやーな話をし始めた。

「波が高くてうねりがすごいから、不安定になるから左右に一気に動かないで」

 やっぱうねってるのか……。
堤防で囲まれた港内から外に出ると笑いが止まらない。
ようやっとシャチが見られる高揚とジェットコースターに乗ってたっけと錯覚するレベルにはねる船か、いまとなってはよくわからない。

 走り続けること数分。一番最初のエンカウント。
カマイルカだ。
根室海峡では珍しいカマイルカが船の横を通り過ぎていく。
さすがに身軽なだけあってあっというまに過ぎ去ってしまう。
うねりが高いだけあって波と波の間からしかみれない。

 ちょっといくと、クロアシアホウドリが浮かんでる。
気持ちよさそうに漂ってると思ったら、走り始めた。
この子たちは本当に波を踏みしめている気がする。

うねる海とクロアシアホウドリ
Nikon D850 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM

 ここで朗報。
先行するアルランがシャチを見つけたとのこと。
遠くじっとその方向をみると、背びれが!

アルラン三世とシャチ
Nikon D850 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM

 ポッドといわれる集団で行動することが多いシャチがだが、親子と思われるお母さんシャチとこどもシャチが2頭で泳いでいた。
今回の訪問ではそういう気分なのか単独で行動するシャチにしか出会えず、見られるのは数回に限られてしまった。尻びれを海面に打ち当てて遊んでる。これを見に来たのだよ。

親子かな?
Nikon D850 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM
船によってきた
Nikon D850 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM

 シャチからは明らかに社会性を感じる。お母さんにじゃれる子シャチや、興味津々に船によって来ることなど。この営みを感じるからこそシャチ愛はとまらない。
感傷にひたっていると大きな背びれがみえる。オスのシャチが単独で泳いでいる。

 水族館などでよく見る、バンドウイルカは野生でどれだけ大きくても4m、体重650キロくらいが瀬戸際だが、大人のオスのシャチは体長6m、体重5トンがデフォルトという比べ物にならない大きさを誇る。背びれも2mを超えるのだ、そりゃ海の王者なわけだ。

知床連山とオスシャチ
Nikon D850 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM

 愛くるしい。かわいい。きゅるきゅるである。

 今回の航行ではこの数回しか会えなかった。
国後方面に泳いでいたこと波が高かったこともあり、見つけるのが大変だった。

 根室海峡は、北方領土である国後島と知床半島を二分にしておりシャチたちは気分で泳いでいる。私もシャチになって自由に泳ぎたいものだ。

 そうこうしていると、うねりが高く海が荒れていることもあり、少し早めの帰港となった。重いカメラを振り回し高波に揺られてグロッキーになっていた私は、内心ほっとしてなんて口が裂けても言えない。
帰り道、船員さんに今日出会えた生き物たちの説明を聞く。シャチも見られたし、珍しいといわれるカマイルカにも会えたので満足満足。

 陸に戻り、道の駅でソフトクリームをほおばりながら中標津へ急ぐ。
少し早めに観光船を降りることができたこともあり、予定より早く中標津につく。標津羊羹を直販所で手に入れ、レンタカーを返却。空港でおなかいっぱいなのにもかかわらず、ホタテカレーをかきこむ。食い意地ばんざい。

ホタテカレー
Pixel 5

 飛行機に乗り、東京への帰路につく。初めての都心ルートでのアプローチだった。山手線西側をかするように飛んでいくのはなかなかに楽しい。

東京タワーがみえる
Nikon Zf NIKKOR Z 40mm f/2

 久しぶりの羅臼は、天候が悪いということもあったが改めて自然と生き物たちと出会える訪問だった。来年またシャチたちに会えるとも限らないこの不安定な自然環境の中で数年前と遜色ない美しさをみせてくれた知床に感謝。

 またすぐ帰ろうと思う。

美しい羅臼の朝
Nikon Zf NIKKOR Z 40mm f/2

 そして家につく15m手前まで頑張り力尽きてしまったスーツケースにも感謝。

いいなと思ったら応援しよう!