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バリュー株優位つづく

このところ、日本株市場での「バリュー優位」の様相が一段と強まっています。
東証株価指数(TOPIX)のバリュー指数は21日時点で2008年11月の基準日以降の最高値を上回っています。また、バリュー指数をグロース指数で割った「バリュー・グロース指数」は2019年4月初旬以来の高水準です。


バリュー株(低PBR銘柄)が選好される背景として、東証が市場再編について改善点を検討する「フォローアップ会議」の影響を指摘する声があります。
PBRが継続的に1倍を割る上場企業に、今春にも改善策の開示を求めているのです。株主還元や成長戦略が示されるのではないかという思惑が買いを誘っている模様です。


一巡した22年4~12月期決算では、主要企業の業績下振れが目立ちました。
来期(24年3月期)の業績見通しを見るまでは国内株を手掛けにくく、「買う理由」があるバリュー銘柄に逃避している側面もあります。


もっとも、本質的な買われ方ではなく時限的だとの指摘もあります。想定よりは長引きそうな状況ですが、米国の金融引き締めペースはいずれ鈍化する可能性が高いため、環境的にはグロース株が優位になってもおかしくないともみられています。

世界景気の先行き不透明感は根強く、日米の金融政策の方向性が定まってくるのもまだ時間がかかります。


場合によっては、来期の業績見通しが出そろう2~3カ月先まで逃避的なバリュー相場が続く可能性もあり、日経平均でいえば2万7500円近辺のレンジ相場からの脱却は当面難しそうです。




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