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【桃鉄】関西のマップを再構築する

現状のマップ

ゲーム「桃太郎電鉄」シリーズのマップは、新作が出るたびに複雑化していくのが常です。最新作の「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」でも、新しい駅や路線がいくつも追加されました。
近年の作品に対して、関西在住であり鉄道旅行をよく行う私が思うことは、「関西のマップの歪みっぷりがすごい」という点です。

全体的に横長な桃鉄の関西

ゲームなので、ある程度のデフォルメや、ゲームバランス上の調整があるのはわかりますが、それにしても違和感がすごい。大阪市内を誇張している影響で、全体のバランスがおかしなことになっています。関東も山手線内がだいぶ誇張されていて歪んでいますが、関西よりはマシです。
京阪間が無駄に広いのに対して阪神間が狭すぎます。紀伊半島が全体的に西に引っ張られています。日本海側のマス数がやたら多くて密度が低いです。

新しいマップを作ろう

そんなわけで、関西マップを再構築してみたいと思います。再構築の要件は以下の通りです。実際にゲームで採用できるような形を目指します。
・広さや駅間距離は本家と同等
・本家にある物件駅はすべて盛り込む
・現実の地形や路線接続などをなるべく踏襲

使用ツール

Tiled Map Editorを使用します。汎用のマップエディターとしてよく用いられるフリーソフトです。直感的で使いやすいツールですが、「地形」機能を使おうとすると画像の作り方や設定の仕方に若干コツが要ります。

自作の画像データ。今回は右上の雪や森や砂地のデータは使用しない

下準備として地形作成

まず本家を元にマップのサイズを設定し、地形を描くための透かしとして現実の地形を画像レイヤーに置きます。

マップのサイズは160×160タイル(1マスは2×2タイル)

大まかになぞって地形の原型が作りました。本家では地形はタイル単位ではありませんが、ここではタイルで表現します。

タイルによる地形表現

ここから、ある程度路線のつながりを考慮しつつ本家にある物件駅を配置していきます。物件駅やカード売り場以外の駅は適当に青マスなどで表現します。地形も路線に合わせて多少調整します。

大阪府

最初に、最も物件駅が密集する大阪市内を考えます。現実で中途半端な位置にある北浜が最大のボトルネックであり、本家と同様に環状線を3×3にせざるを得ません。本家で謎の環状線を形成していた天保山は盲腸線に押し込みます。

京都府

環状線を広く取る分、京都の位置が現実より左上に移動し、琵琶湖も狭くなります。京橋からの京阪線経由と大阪からのJR京都線経由の両方を維持します。本家で謎の位置にある祇園駅も盲腸線へ流し、湖西線と琵琶湖線の分岐を大津駅に移行します。舞鶴の西にスペースが空き、天橋立駅などを盛り込むことができるようにもなりました。

滋賀県・福井県

米原周辺(名古屋方面への接続点)は、本家と位置を合わせる関係で少し北にしています。敦賀~舞鶴は本家だと水平ですが、現実の位置関係に合わせて段を付けます。

兵庫県

神戸方面へは、大阪環状線の位置を1段上にすることで、京阪間と阪神間の距離を調整します。本家では姫路方面から三田へ謎の路線が通っていますが、ここではちゃんと福知山線と神戸電鉄を通します。姫路から日本海側へ播但線も通しました。本家日本海側の最大の謎である、綾部(カード売り場)~福知山間に直通線が無いという問題を解消し、少し進みやすい経路にしました。

奈良県

奈良は行き止まりの近鉄線を採用するという謎のこだわりがあるので、それは残し、鶴橋からの近鉄奈良線を通します。近鉄京都線は割愛します。現実より位置は東に寄っていますが、相対的な位置関係は概ね維持されています。

三重県・和歌山県

新宮方面へ向かうのに何故か松阪を通っていなかったので、そこは修正しました。中部国際空港からの空路を考慮し、志摩半島はやや短めです。紀伊半島はちゃんと現実の地形に近い形になりました。マス数削減のため、駅間距離を広めにしています。

完成

全部合わせて出来上がったマップはこちらです。

現実の地形や路線図に近く、本家の物件駅もすべて盛り込むという条件を達成しました。これで地理教育もバッチリです。
ただし、このマップはゲームデザイン的都合を考慮していません。デフォルメも不十分で、簡略化や短絡のできる箇所がもっとあると思います。あと本家よりも少しだけ駅間距離が狭く詳細度高めなので、そのまま流用はできなさそうです。

このマップをこれ以上ブラッシュアップしようとすると作業コストが激増するので、この記事はここまでにします。本家桃鉄シリーズでじゃんじゃん参考にしていただけると幸いです。

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