▽R05-07-10 良薬は目に美し
▽目が覚めると7時前。
いつもの日曜ならば適当にスマホを見ながら二度寝に二度寝を重ね、結局活動開始するのは11時過ぎとかになっているところだが、今朝はそこそこ寝覚めが良い。昨晩、夜更かしせず0時頃にはちゃんと就寝できたからだろう。
しかし、かといって特にやることもない。
30℃を越える暑さが予想される日柄だったが、ずっと家にいるのも何なので、ここは適当に出かけることにした。
なにかランダムな方法で外出先を決めたいなーと思い、Googleで「東京 駅 ランダム」と調べたら、まさにドンピシャなページが出てきた。やはり皆考えることは一緒だ。
このサイトでとりあえず5つランダムに駅名を出力し、気になったところに行ってみることにしよう。
▽そんなわけで参りました、東大和市駅。
新宿から、西武拝島線という乗ったことのない路線を使って揺られること数十分。東京の南の方に住んでると西武線ってほとんど関わりないんだよな。
改札を出た瞬間デカいスケートリンクが駅の隣に鎮座していてビビったが、ぼくとて何の公算もなくこの駅を行き先に選んだわけではない。
マップで調べて惹かれたのは、駅のすぐ近くにあるこちらの施設だ。
「東京都薬用植物園」
都の施設で、薬務行政の一つとして薬用植物を収集・栽培しているらしい。入場は無料。温室もあるようで、珍しい植物が見られそうな雰囲気をひしひしと感じる。
最近やたらと植物に興味があるんだよな。老化だろうか。
▽回っていくぜ!
敷居をまたぐとまず正面に温室のビニールハウスが見えるので、遠慮なく入っていく。
というか、ほとんど温室目的で東大和まで来たので、温室以外の敷地がこんなに広いことに行ってから気づいた。
温室に入った瞬間の「別世界に足を踏み入れた感」好きすぎる……。
この空間にあるのは、どこまでも「人為的に再現された自然」だ。空調によって管理された環境の中、通路から見やすいように整然と配置された植物達からは、本物の自然とは違う肩ひじの張った印象をやはり受ける。それは正真正銘の自然とは似て非なるものかもしれないけれど、裏を返せば「合理性によってデザインされた自然」であるともいえる。もとより自然は合理的なものだ、との反論を許すかもしれないが、そこには人為と自然との和解を見出すことができるかもしれない。
「薬用植物園」というだけあり、こんな感じで植物それぞれに「どのように薬用で使われている(いた)のか」に関するTipsが掲示されている。
これも豆知識欲を満足させてくれ、非常によかった。ひとつも覚えてはいないけども。
成っているカカオの木なんかもあった。マイクラなら小躍りしてるところだ。
チョコとかココアの原料ではあるけど「薬用」なのか? と疑問だったものの、掲示を見て解決。なんとカカオの脂は座薬の製剤用基材になるらしい。へぇ〜。
大規模な施設に比べたら手狭だったが、相当に満足度の高い温室だった。記憶の中だと新宿御苑の次に良かったかも。
▽温室を後にし、屋外の庭園へ。
薬用植物園といいつつ、全然毒もあった。「有毒植物区」として一区画にされているくらい。
というか書いてあること怖すぎる。誤って食べると心臓停止によって死ぬものがこんなに野放しにされてていいのか? 死亡事故とか起きてない?
ケシや麻も栽培されていたが、さすがに二重の鉄柵で厳重にバリアされていた。栽培されてるものが合法的に見られる箇所は国内でも珍しいらしく、一部界隈では有名らしい。いいね。
あとはもうなんかふつうに花がきれいだった。花の美しさはずっと見てても気疲れしないからいいね。
▽意外とオフシーズンで咲いている花が少なかったのが残念だったが、総じてすごく楽しめた。別の季節にまた来たい。
これで入場無料は正直言ってかなりおトクだと思う。ありがとな、税金……
▽そんなこんなで東京都薬用植物園、とてもよかった。
おそらく東大和市自体に初めて訪れたと思うのだが、こんなところがあったとは……。東京北部、侮れない。
何気なく選んだ散歩先がドンピシャで面白いところだったときの嬉しさは、そうそう他では代えがたいものがありますね。
ランダム散歩、これからもやっていきたい。