初秋の公園で
初秋の公園
虫取りあみを持った少年
手をつなぐお父さん
サックスの練習おじいさん
休憩してるサラリーマン
遠くからまたサックスの音
背中をジリジリ日差しが照らす
それでも聞きたいこの音
ほのかに香る金木犀
どこかでセミが鳴き始めた
夏と秋が入り混じる初秋の公園
チョコレートドーナツ
あー失敗した
珈琲にはチョコレート
そんな単純な理由で
私はチョコレートドーナツを買った
公園のベンチに腰を掛け頬張る
ボロボロ落ちるチョコレート
ジーンズにシミがついた
石畳に落ちたチョコレート
ありんこのランチになった
きっと口の周りもチョコレート
子どもみたいと笑われるかな
指先までチョコレート
ぺろっと舐めてなかったことに
彼岸花の花言葉
最高だ
だいすきな小説を読み
美しい言葉に触れ
サックスの音に身を包まれ
心が穏やかになる
心地よさのあまり、
友達に連絡をする
ふと顔を上げると
奥に彼岸花が咲いている
彼からの連絡はまだない
こんなに心地いい天気だというのに。
まだ寝ているのかもしれない
彼の寝顔を思い出すと
なんだか可愛くて愛おしくなった
起きたら伝えよう
想うのはあなた一人 と。