一人から二人を存在させる凄さ
スーパースターのプロレスラー・武藤敬司の引退にむけて業界が盛りあがっているようです。
本名でスタイリッシュに闘う武藤敬司、悪の化身として「極悪偏差値80」とまで評されるグレート・ムタ。
一人で二人の役割を使い分けながら、どちらともトップのポジションを獲ってしまっています。
かつては、ヘビー級の身体で、まるでジュニアヘビー級のように軽快な動きで、魅せていたようです。
今は、歩くことすら大変なくらいに下半身に支障をきたしながら、リングで闘っています。
しかし、若いころのようにアクロバティックな技をポンポンと出さなくても、存在感で会場の空気を制圧してしまっている。元旦、世界でトップをはる中邑真輔を相手に「今年のベストバウト」と評される闘いを繰り広げています。グレート・ムタとして。
2月21日の内藤哲也との引退試合は、確実にプロレス史に刻まれる名勝負になることでしょう。
題名の話にもどします。一人の人間に宿っているキャラクターは決して一つではなく、誰もが場面ごとに違う「顔」を使い分けているのではないでしょうか?
そういうことを意識してみるのも良いかと思った次第です。