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マニトバ州ファミリードクターについて。2016年当時。

2016年11月4日

ファミリードクター制度というのがカナダにあります。

かかりつけ医にまずは診てもらいましょうというシステムです。

もちろん、緊急で近くの町医者(ウォークインクリニックと呼ばれています)に行ったり、緊急治療室に行ったりするのも必要ですが、ファミリードクターに予約して診てもらうのが主流になっています。

日本のように「循環器科」「整形外科」「皮膚科」など専門医が待機している病院ではなく、どんな症状でもまずファミリードクターが受診して、必要に応じて専門医に紹介状を書いてくれるのです。

私はレッドリバーカレッジのオリエンテーションでこのファミリードクター制度について知りました。

そして、ネットで『ファミリードクターファインダー』
http://www.gov.mb.ca/health/familydoctorfinder/
を申し込んだのは9月の7日。

ファミリードクターファインダーのスタッフから2日後に電話かかってきて、「このドクターに空きがありますので電話で申し込んでください」と教えてもらいました。

「英語が苦手で電話だとわかりづらいので、メールでお願いできませんか?」と言ったら、
「これらの内容はプライベートなことを含むのでメールでは送れないのですよ。それにあなた、大丈夫よ、英語しゃべっているじゃない」とさらりとかわされました。

紹介してもらったメディカルセンターに電話するより実際に行って申し込んだほうが良いだろうと家族で行こうとしたのですが、結構遠かったのでとりあえず恐る恐る電話してみました。

「ファミリードクターの件ね。それじゃ、まずあなたの家族一人ずつの名前とマニトバヘルスカードの番号を教えてちょうだい」

「先生と会えるのはそうね~、11月2日の午後ね」

ビックリしました。

9月初旬に申し込んだのに初顔合わせが11月2日とほぼ2カ月後。どんだけ混んでいるのでしょう。予約しに直接行かなくて本当に良かったです。

そして、11月1日に親切にも予約確認の電話がきて、2日に家族でファミリードクターに会ってきました。

待合室には人、人、人。

受付の女性はものすごく忙しそうにしています。

「それじゃ、家族一人一人の分、問診票に記入してね」

私達家族の病歴やアレルギーの有無、煙草やアルコールの頻度という生活習慣の質問、そしてToday's concern(今日の気がかり)という欄に記入して待ちます。

待つこと40分。(予約していっても待つ)

ようやく先生が来て、にこやかに淡々と問診票に従って質問をしてくれます。

特に聴診器を使うとか、血圧、身長体重を測るとかはなく、最後に気がかりがあることを聞かれるのです。

今回は娘は口内炎が痛いというのと、妻は腕の痺れを相談させてもらいました。

娘の口内炎は原因がポテチの食べ過ぎだということがわかっているのでそれを控えてビタミンCなどを摂るよう指導されただけですが、妻の腕の痺れは丁寧に診てくれて、腱鞘炎かもしれないので処方箋を出しておきますとすぐその場でプリントアウトして処方箋を渡してもらいました。

10分くらいで終わりましたよ。

「今日のお金は何か払うのでしょうか?」
念のため聞いてみました。

「マニトバヘルスカードがある以上無料だよ」

「帰りに受付で何か手続きが必要ですか?」

「たぶんないと思うよ」

そうなのです。終わったら支払いや次回の予約などがないのです。
(次回の予約が必要な人はもちろんいますが)

そしてなにより『診察券』が存在しません。

診察券がない(診療報酬など関係ない)から受診が終わったらそのまま帰って良いのだと思います。

帰る時は相変わらず待合室は混んでいました。

予約して行かないとまず受診できないと思います。ものすごく待たされることになると思いますし。

無料にしても、これほど混むのだったらやはり健康であることに越したことはありませんね。

今回から私達の医療データはファミリードクターに一括管理されることになります。

何かあったら予約してファミリードクターに相談することができ、オーダーメイドのような医療を受けることができるのです。ありがたいことです。

ちなみに処方箋はprescription(プレスクリプション)と言います。

チェーン店の薬局に持って行き、Drop offカウンターにマニトバヘルスカードと、もし保険に入っていたら保険証を提出します。

「この薬は初めて処方されますか?」
など聞かれ、すぐに処方されるのかと思っていたら「40分ほどかかるのでお待ちください」とのこと。

買い物をする時は、先に薬局に寄ってからスーパーで買い物をして、帰りにピックアップするというのが良いかと思います。

ピックアップというのは、ここでは受け取るという意味で、時間になったらpick upカウンターにて名前を伝えると処方してくれた薬の説明をしたあと渡してくれます。

もし、薬剤師が話している英語がわからなくても、薬に関する情報を丁寧にプリントアウトしてくれていますので、読んでおいたほうが良いでしょう。

レッドリバーカレッジで家族までカバーできる保険を買ったので、処方箋が通常なら約25ドルのところ、約5ドルで済みました。ありがたいことです。
処方箋と歯医者はマニトバヘルスカードの無料が効きませんので、保険に入っておいたほうが良いかもしれません。

入ると、指定のカイロプラクテック医院でマッサージがやはり5分の1か4分の1くらいの値段で受けられるのもメリットです。

予約をしていったほうがよいのですが、予約していても待たされることでしょう。

カナダでは医療とは気長に付き合っていく必要があるようです。

今回、ファミリードクター制度というセーフティーネットを持てたことでさらに家族幸せに健康で過ごせることをイメージして病院に行かなくて済む生活を引き寄せたいと思います。

※以上に書いたことは2016年11月に基づいて、さらに地域性や個人差がありますので、実際と違うことがあることをあらかじめご了承ください。

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