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社会インフラの補修・補強に特化 あらためて地震列島 


あらためて地震列島。社会インフラの補修、補強に特化した銘柄のバリエーションをまとめておきたい。どの銘柄もこの一年でだいぶバリエーションは従来よりは割高になってきているが、他のセクターと比べれば十分に安いものばかり。MIX係数も。



■1414 ショーボンドホールディングス 


売上成長率 4.9% 営業利益率 18.9% ROA 10.7
橋梁、道路などインフラ補修工事の専業。
補修材料の開発・販売から施工まで一貫体制。好財務。

■バリエーション判断
MIX係数は、80.5。平均値上限の77.1

株価 6267 〇▲〇 時価総額:3556億円
MIX係数 80.5(46.4~60.8~77.1)
ER 23.7  22年 235 23年 245 24年 253 25年 264
〇23.4(21.1~25.7)
BR 3.4  22年 1801 23年 1875
▲2.6(2.2~3.0)
配当利回 2.0  22年118 23年 127 24年128 25年128
〇2.1(1.9~2.3)
ROA 10.7

社会インフラの補修・補強に特化した総合メンテナンス会社。
「コンクリート構造物のメンテナンス企業」として橋梁を中心に、公共・民間インフラ(道路・トンネル・鉄道・港湾・上下水道・建築)の保守工事を営む。コンクリート建造物の補修・補強工事の最大手、橋梁のメンテナンスは国内トップ。はく落防止工法、建築耐震補強、床版補修・補強方法、長寿命化工法、落橋防止システムなどを駆使した補修工事を展開。補修工学研究所(21,000m2の大型研究施設)はコンクリート試験・分析、樹脂材料試験・分析、床版の耐久性評価などの試験業務により新技術を開発。その他、工事用材料のエポキシ樹脂を中心とした補修・補強材料や管継手を製造・販売。2019年三井物産と海外事業展開に向けた合弁会社を設立。主要取引先は中日本高速道路、東日本高速道路、西日本高速道路、国土交通省。


■1926 ライト工業  


売上成長率 2.7% 営業利益率 9.6% ROA 7.9
東北発祥。法面・地盤改良など特殊土木に強い。技術力に定評。
好財務。配当性向35%方針


■バリエーション判断
MIX係数は、9.5。平均値上限の13.4

株価 1890 〇〇〇 時価総額:1020億円
MIX係数 9.5(6.6~9.7~13.4)
ER 9.5  22年 183 23年 194 24年 194 25年 198
〇9.7(8.3~11.2)
BR 1.0  22年 1657 23年 1734
〇1.0(0.8~1.2)
配当利回 3.3  22年 54 23年 61 24年 64 25年 64
〇3.2(2.8~3.6)
ROA 7.9


特殊土木工事トップの建設会社。社会インフラ整備の法面保護工事(斜面・法面対策工事、地すべり対策工事、緑化保護工事)、基礎・地盤改良工事、薬液注入工事、構造物補修・補強・環境修復工事と建築工事を営む。都市土木技術(地盤改良・地中連続壁・薬品注入)や斜面・法面技術により国土防災やインフラ整備の社会資本形成に貢献。特殊土木工事分野(地すべり等斜面崩壊対策・防災工事、緑化保護、地盤改良・液状化対策)の実績で国内トップ。地盤液状化対策・コンクリート構造物保全・土壌・地下水汚染対策など環境・リニューアル事業分野、ICTやAIを活用した技術開発に注力。2018年R&Dセンター開設。2019年ベトナム基礎工事のFECON社と資本業務提携。


1786 オリエンタル白石


売上成長率 5.6% 営業利益率 8.0% ROA 6.1
コンクリ橋、鋼橋を手がける橋梁の総合建設。
ケーソン工事でシェア7割。伊藤忠が筆頭株主


■バリエーション判断
MIX係数は、12.6。平均値上限の8.0

株価 340 ▲▲〇 時価総額:472億円
MIX係数 12.6(5.6~6.7~8.0)
ER 11.7  22年 29 23年 30 24年 28 25年 29
▲9.0(8.0~10.1)
BR 1.08  22年 294 23年 314
▲0.75(0.7~0.8)
配当利回 3.9 22年 11 23年 13.5 24年 13.5 25年 13.5
〇4.3(3.8~4.8)
ROA 6.1


プレストレストコンクリート技術の建設会社。建設事業(PC建設工事、PC橋梁、地上・地下建築物、補修補強工事)、鋼構造物事業(鋼鉄製橋梁・鋼構造物の設計・製作・架設、橋梁の上下部工)、港湾事業を展開。プレストレスコンクリー ト製橋梁に強みを持つ旧オリエンタル建設と、ニューマチックケーソン工法による地下構造物施工の旧白石の合併会社、鋼鉄製橋梁建設の日本橋梁を子会社に持つ。主力は橋梁建設や補修・補強工事、プレストレストコンクリートを用いた建築。ニューマチックケーソン工法による橋梁・建造物工事に注力。筆頭株主は伊藤忠商事。2017年日立造船<7004>と鋼橋の製造で業務提携。2020年港湾工事の山木工業ホールディングを子会社化(38億円)。2021年OSJBホールディングス(旧日本橋梁)を吸収合併。2023年伊藤忠商事<8001>と資本業務提携。主要取引先は中日本高速道路、西日本高速道路、国土交通省。

■5076 インフロニア・ホールディングス


売上成長率 4.7% 営業利益率 5.9% ROA 3.8

21年10月、前田建設工業、前田道路、前田製作所が株式移転による共同持株会社を設立して誕生


■バリエーション判断
MIX係数は、10.7。平均値上限の8.5 

株価 1403 ▲▲〇 時価総額:3857億円
MIX係数 10.7(4.3~6.3~8.5)
ER 10.9  22年 106 23年 142 24年 109 25年 128
▲9.0(7.3~10.7)
BR 0.99  22年 1382 23年 1405
▲0.7(0.6~0.8)
配当利回 3.9 22年 40 23年 55 24年 55 25年 55
〇4.4(3.9~4.9)
ROA 3.8



前田建設工業を中核に前田道路・前田製作所の建設会社グループ。建設工事(土木、建築)、舗装工事、建設機械、インフラ運営における企画提案・設計から建設・施工、運営・維持管理までをグループで営む。前田建設工業は公共性の構造物建設を中心に建築工事(集合住宅、事務所ビル、施設)、土木工事(橋梁、トンネル、エネルギー)、製造(建設資機材)、インフラ運営(再生可能エネルギー)。施工実績は建築(天王洲セントラルタワー、J.CITY、THE TOKYO TOWERS、香港国際空港ターミナルビル)、土木(田子倉ダム、中国水口ダム、柏崎刈羽原子力発電所)など。前田道路は大手道路舗装工事会社、NIPPOに次ぐ国内2位。道路建設(アスファルト・コンクリート舗装工事)、一般土木建設、施設・環境・景観工事、建設資機材(アスファルト合材)の製造販売。前田製作所は建設機械メーカー、建設機械事業(コマツの総販売店として建設機械・部品の販売・レンタル)、産業・鉄構機械等関連事業(クレーン製品・トンネル用機器・産機商品の製造販売)が2本柱。2021年前田建設工業・前田道路・前田製作所の経営統合により設立。2022年持ち分法適用関連会社の東洋建設<1890>へのTOB不成立。2024年日本風力開発を子会社化(2031億円)


■5911 横河ブリッジホールディングス


鋼製橋梁の最大手。保全にも注力。
土木・海洋の重量構造物へ展開。システム建築事業を強化中

■バリエーション判断
MIX係数は、7.3。平均値上限 7.5 

株価 2537 〇▲〇 時価総額:1095億円
MIX係数 7.38(4.89~6.16~7.56)
ER 8.2  22年 270 23年 275 24年 293 25年 306
〇8.0(7.1~8.9)
BR 0.90  22年 2651 23年 2811
▲0.77(0.69~0.85)
配当利回 3.5 22年 75 23年 85 24年 90 25年 90
〇3.55(2.8~4.3)
ROA 6.1


■1871 ピーエス三菱


建築・土木を総合展開。
PC(プレストレストコンクリート)橋梁首位級。
大成建設がTOB

■バリエーション判断
MIX係数は、8.08。平均値上限 7.2

株価 884 〇▲〇 時価総額:420億円
MIX係数 8.08(2.24~4.09~7.20)
ER 9.4  22年 97 23年 81 24年 82 25年 94
〇6.3(4.0~9.6)
BR 0.86  22年 976 23年 1026
▲0.65(0.56~0.75)
配当利回 3.8 22年 30 23年 33 24年 34 25年 34
〇4.6(3.8~5.4)
ROA 3.6


建設技術研究所 <9621>
建設コンサルタントの大手。
特に河川や道路関係に強み。
国土強靭化に絡む受注多。
技術士などの有資格者が多く在籍し、
顧客からの信頼も厚い。
電機や機械業界同様にICT(情報通信技術)の活用が
建設業界にも求められていますが、
これを活用した建設生産システムでの
生産性向上も進む見通し


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