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7/14(日)現役競馬誌記者 今週の1鞍 福島11R 福島テレビオープン(OP)

割引あり

中央競馬は全国10カ所に競馬場を構えるが、とりわけ福島は「競馬の街」といった雰囲気が漂う。

それは競馬人口が多いとか、誇大広告があるとかマス(mass)の話ではなく、競馬開催中にみられる独特のムードのことである。わが街で行われる年3回の中央競馬を心待ちし、ほんとうに楽しんでいるように思える。ことに夏に行われる七夕賞はG1のような盛り上がりを呈している。その根底には福島が他9場と違い、静岡の藤枝競馬倶楽部を移転する形で地元に公認競馬を呼び寄せたという歴史的な経緯もあるだろうか。

福島で競馬とともに生きる市井の人々の様子を写した名作に、88年優駿エッセイ賞で最優秀作を受賞した『ルドルフの複勝を二百円』(著:江島新)がある。シンボリルドルフが現役だった頃の福島を舞台に、昼は業界紙、夜は定時制の非常勤講師として勤めた筆者が、当時の競馬を周囲の人々と自身の心情を織り交ぜた軽妙な筆致でしたためているので、ぜひ読んでほしい一作だ。


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