どんなに時間が惜しくても、腹は減る
久しぶりに、見積もりを誤った。というより、当たり前か。どうして私は、午後に取材してその日のうちに社内初稿をアップできるなんて思っていたのだろう。
これまで何度もつくってきて、ある程度型ができあがっている企画の横展開だから、なんとかなると考えていた。取材先は、4カ所。うち3カ所は火曜・水曜に取材だったので、その分を先に書いておけば、社内初稿日の木曜は最後に取材した1カ所のパートだけ執筆すればいい。それなら間に合わせられるだろうと予想を立てて、自らスケジュールを引いた。
甘かった。
まず、それまでの3カ所分を取材日やその翌日に即座に書くというのが、現実的ではなかった。連休明け、いろんな確認や見積作成、急遽の打ち合わせなどが重なって、どんどん作業は中断。なかなか連続して時間を取れない。
それから、4カ所集まってからでないとそれぞれの特徴や強調すべきところ、差異の出し方も見極めきれなかった。型は今までと同じでも、切り口やテーマが少し違うのだから、当然といえば当然だ。
社内初稿は当初予定の昨日中を過ぎてしまったものの、今朝展開してスケジュールにはなんとか乗せた。それで問題なく対応してくれる社内メンバーに感謝だ。休憩もとれているし、夜も上がって寝ているし、まあ今回はなんとかなったと言っていい、上出来。だけど、これが常態化したら、まずいなぁと思う。
「ちょっと詰めて自分が頑張ればなんとかなる!」という楽観主義が、セルフブラックな働き方を生み出す。
セルフブラックなのだ。いろんな状況があって詰められるところを考えて引いたスケジュールだけれども、強制されたわけではない。いくらでも調整はできたのに、自分で「いける!」と判断して対応したのだから。押し付けられたブラックではなく、自らつくり出し飛び込むブラック。
「廣瀬さんの働き方は、今だからできてるけど、30代になったら無理だからね! 今からサボったり余裕つくったり、作業切り分けて人に振ったりすること覚えていかないとダメだよ!」
この1年半くらい、ことあるごとに先輩に言われてきた言葉がここにきて身に沁みる。どこかで全部の案件を整理して立て直さなければ、と思う。
セルフブラックなだけならいざ知らず、その皺寄せが確認をお願いしている他の社内スタッフにいったりもするのだから、やっぱり「私が頑張れば」はダメだ。余裕を見込む力は、重要だ。
原稿執筆に使った昨晩と今朝の時間で本来見る予定だった構成が、次のタスクに待ち構えている。タスク管理が甘い自業自得なのだけど、帳尻合わせで走り続ける今日はなんだかマラソンの足切りテープに追われている気分だ。
しかし、お腹は空いた。休憩時間がもったいないくらいに進めたいのに、お腹は空いた。
チャーハンつくろう。
腹が減っては、仕事はできない。
味覇を贅沢に使って、ニンニクもガッツリ入れちゃって。なんとかギリギリラインに滑り込んだ自分へのご褒美と、午後からのエネルギーに、美味しいチャーハンをいただこうじゃないか。
ね、人間的生活をしていないと、マラソンも走りきれないでしょう? そのくらいの時間、いいよね。
(なんと今日は、5分強で書いた。ずっと私は筆が遅いタイプだと思っていたけれど、バリバリに書いたあとはそのリズムで筆がのるらしい)