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その同人誌――誰のために作る?

こだわりのマイ同人誌を作りたいけど、人に頼らず自分でやりたいあなたのために呟く、超局地的同人誌づくりマガジン。

今回はちょっと本の制作から離れて、己の気持ちやモチベーションに向き合いませんか。

バックナンバーはこちら。


ちなみに今回は「一次創作」「作家本人が自作を同人誌として自費出版したい」と思っている場合に限った話です。
版権二次創作や合同誌のことは考慮していないのでご了承ください。


その本はなんのために作るのか

同人誌を作る理由のひとつに「同人誌即売会に出たい!」という希望があると思います。売り物がないとサークル参加できませんからね。
そう、本を作る理由にはうってつけでもあります。

コミティア。Jgarden。文学フリマ。などなど。
どれも聞いたことあるかと。
一次創作界隈にいると、推し作家さんやフォロワーさんたちが時期になるとそわそわ、イベントにあわせて新刊を作り始める。

ですが、こんなお悩み愚痴をはく方がたまにいらっしゃいます。

家庭の都合でイベントに行くのは難しい。
楽しそうだなと思ってXでぼんやり見てる。
本を作って売ってるのが羨ましい。私もやりたい。
でもイベントには…(振出しに戻る)

イベントに出られないから、本を作れないとおっしゃる。
いつかは作りたいんですけどね…」と濁した発言をされて立ち去っていく。
お金を出してまで買ってくれる読者がいるとは思わない。だから作る勇気が出ない。とおっしゃることも。


えー。すみませんが私、今から嘲笑とともに冷たい言葉を吐きます。
読みたくない人はここで去ってください。覚悟はいいですか?


フッ

それって、本が欲しいんじゃなくて、友達欲しいだけじゃん。
その「いつか」は一生こないよ。


失礼しました。
なんせ私、同人誌に関してはだいぶこじらせておりまして。
仲間より本。他人より自創作。

同人誌の〆切崖っぷちで、仕事の原稿や友達との約束がかぶったら、迷わず同人誌を優先して意地でも助ける(脱稿させる)。
そんな奴です。

脱稿のためなら必死だぜ

自創作の同人誌は唯一無二の俺の大事な宝物
俺以上に愛してる奴なんていない。俺だけがお前のすべてを愛してる…bigLOVE(。・ω・。)ノ♡

いや、作家仲間とテーマを共有し、交流することを主目的として本を作る。そういう同人誌はこの世にごまんとあります。全然いいんです。
むしろ同人誌というものは本来こういうものですし、二次創作だったらそっちが普通です。一次創作であればアンソロジーや合同誌など、誰かがとりまとめてくれる企画に便乗すればいい。

ただ、ここにいる皆さんが作りたいもの。それは個人の作品を収録した「自分だけの作品集」――いわば個人誌ですよね。
自分が作りたいと思わなければ、生まれてくることはありません。

その本は誰のために作るのか。

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