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「自分で距離を取る」のも「ちょっとクンクンしてくる」のも3mの距離があってこそ~ビビリの元保護犬はなが教えてくれたレッスン⑤
<はじめましての方はまずこちらを読んでくださいね>
家のドアを開けた瞬間にガタブルに震えて固まってしまう。
外の世界は恐怖に満ち満ちている。
歩けないったら、歩けない。
やがて、家族との関係が築かれてきて、少しずつ少しずつ奇跡が広がっていく。
散歩の工夫によって、ニコニコがどんどんと増えていく。
今は天使となった世界一可愛い我が家の愛犬はなさん(親バカはこれぐらいじゃないとあきまへん)。
ペットロスを乗り越えて、彼女のことを以前よりもゆっくりとほっこりと思い出せるようになった今だからこそ、びびり犬との向き合い方い悩んでいる飼い主さん、世の主流のしつけやトレーニングの常識にどうもすんなり頷けずに悩んでいる飼い主さんたちに、何かお伝えできないか、何か喜んでもらえないか、との思いで記事を書き始めました。
メインの先生はあくまでも「はな」さんです。ワタクシ、なばな円盤(はなの母=里親)がたまにはずっこけながらも、失敗や反省を繰り返しながらも、はなという犬から学んだこと、ヒトとして感じたことをお伝えします。必ずしも時系列的に記事が並ぶことはないかもしれませんので、その点はご容赦下さい。
応援・シェアをしていただけたらとても嬉しいです(イラストもななば円盤本人が描いたものです。えへへ)。
どうぞよろしくお願いします。では行ってみよー。
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シッターさんに教えてもらった長めのリードの使い方
前回(No.4)から時間が経っちゃった。ごめんなさい。
ママが忙しかったり、ペットロスの揺り戻しで凹んだりしていたの。まったくね、アタチは天国でものんびりくつろいでいるのに、ママだけめそめそしてるのよ。まいっちゃうわね。
さて、前回は、コンフォートハーネスをアタチが気に入ったってところまでお話したね。
今回はそのハーネスにつなげる長い(3メートルの)リードのことをご紹介するね。
ママがお姉ちゃん(ペットシッターさんのことですが、よければこのシリーズ③、④の記事もお読みください[母より])から使い方を教えてもらったリードは、平らな長いテープでできてたの(手芸などでよく使うアクリルテープを3メートルにカットし、片方の端はハーネスとつなげるためにナスカンを付けた輪にし、もう片方の端は手がゆったりと入るくらいの輪を作ってしっかりと縫い付けたものです[母より」)。
こんな感じよ。
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このテープは軽くて触ってても気持ちいいみたい。
これより前、最初にママがどこかで買った長~いリードを使ったときは、アタチがざっと走り出したら、ママの手の中でそのリードがずるずるって動いていったみたいで、ママは「アチ!」と声を上げたよ(素材は忘れましたが、リュックとかにも使われているような化繊を使ったリードでしたが、シュッと手のひらを滑ると摩擦による軽いやけどのような状態となりました[母より])。
お姉ちゃんが選んでくれたこのテープは両手で使うらしいの。お姉ちゃんがママと一緒に歩きながら、輪の持ち方とか長さを変えるやり方とか教えてくれてたみたい(利き手が右手の場合は左手を輪の部分に通してから、両手を使ってリードを短く持ったり、するすると送って3メートルぎりぎりの長さにしたりします。ちょっと、釣り糸を操るような感じですかね([母より])。
車や人のそばを通るときは、リードを短~く持ってアタチがふらふら動かないようにしてた。そうして、周りに人がいなかったり、草地が広がるところでは、またすらすら~っとリードを緩ませてくれた。
アタチはビビリなので、ちょっと音や子供たちの声にびっくりして走り出そうとしたんだけど、その時はこのリードがつん、つん、って少しずつ固まる感じでぴたっと止まっちゃうの。ぐいって引っ張り返されるような感じじゃないのよ。前に進めないアタチは、仕方なく、止まる。で、またトコトコトコっと速足になろうとすると、つんって、止まる。2、3歩行くと、また、つん。
これが続くとね、アタチのどこかに(また、止まるのね)って、覚えていく感じができてくるの。もちろん、怖い時はスタタタって先へ急ぎたいのよ。「つん」は、そのほんのちょっと前にやってきた。これが遅れちゃうると、ハーネスが胸に食い込む感じでイヤなのよ。そんな時は、思わずぶるぶるって体を揺らしちゃう。ママは最初はこのリードの使い方が下手っぴだったから、ぶるぶるも何度もあった。その度にお姉ちゃんが横にいてママに説明してた。根気よく。
アタチが前足を出して、ダダダっ!と行こうとするちょっと前に、優しいツンがかかって、アタチを止める。アタチは考える。じゃあ、ゆっくりならいいわけね。アタチはそろりそろりとゆっくり歩く。あれれ、今度はリードは緩んでる。どこも苦しくない。ママも、やっと覚えたわね。そうそう、上手になってきたね。
自分で離れていけるってラク
ママは、この長いリードを普段は短めにまとめて両手で持って歩いていたけど、アタチが怖いと思うモノやヒトが向こうから近づいてくるときに、するするとリードを緩めてくれたの(十分な広さが前後左右にあって、車両が通過できないかほとんど交通量がゼロの広い道などで、ここなら大丈夫そうだなと考えたときのみ、リードを緩めました[母より])。
そうするとね、アタチは道の端っこまでスタタタと移動したり、公園を歩いているときは草地の中まで逃げたりすることができたの。もちろん、ずっとは行けないのよ(最大でも3メートルですのでねぇ[母より])。怖いものと離れていられるのって、ビビリにはかなり助かるものなのよ。
自由なクンクンやジャンプなんてできるのも、いいよねえ
怖いから、逃げたいからと、そんな理由だけでリードをゆるませてもらってたら、なんかつまんないよね。
このリードを使い始めた頃、アタチは2歳になってたかな。まだ若いわんこだったの。だから、みんなのお手紙を読んだり(犬飼いさんにはこの意味が分かる方もいるよね~)、草の上を歩いたり、ちょっとでも高い場所があったら飛び乗ったり、いろいろしたかったのよ。
ママもアタチがいつ落ち着いて、いつリラックスしているのか、遊ぼうとしているかが分かるようになってきたので、そんな時はリードをだらりんとしてくれたよ。
アタチはたっぷりとゆっくりと地面の匂いを嗅いで、また戻ってくる(呼び戻しの方法については、次回以降でご説明しますね[母より])。これは、だいたい朝早くて、ほとんど人がいない時間のことだったのだけど、楽しくて、楽しくて。アタチはお散歩っていいなって、思ったよ。
(最初のドタバタひたすら歩いた日々→びびり浮上の悩ましい日々→ハーネスと長いリードで少しずつ落ち着きを取り戻した日々と、里親になって最初の1年ちょっとでいろいろございました。でも、すべて、いい勉強になりました[母より])。
そんなある日、ママは、お姉ちゃんの知り合いの方からお仕事を頼まれたの。本を読むお仕事なんだって。ママは夢中になって机に向かってたよ。その本のことは、次回ママがもしかしたらちょっと説明すると思うよ。良かったら楽しみに待っててね(犬のストレスに関する本の翻訳を頼まれたのです。出版とかを意図するものではなく、個人的に勉強のために内容を知りたいというご依頼でした。ドイツのトレーナーさんが著者の本です。そこでも3mリードを使用することについて書かれています[母より」)。
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