ユーザーロイヤリティを高めるためのヒント。―大興電子通信とウイングアークが取組んだマーケティングファンドの活用事例―
大興電子通信株式会社は、2024年にWARPパートナーグレードにおいてSilverからGoldに昇格し、ウイングアークとの連携を一層強化しています。また、ウイングアークのMarketing Development Fund※(以下、MDF)を活用したユーザー会を開催し、従来以上の成果を上げました。両社の協力強化に向けた取り組み、協働によるメリット、将来への展望についてお話を伺いました。
※パートナー企業のマーケティング活動を支援する資金
2800社以上のパートナーと協力し、顧客ニーズに応えるワンストップサービスを提供
――大興電子通信の事業内容と特徴についてお聞かせください。
井堀様: 大興電子通信は、自社ソリ―ションに加え2800社以上のパートナー企業とアライアンスがあり、各パートナー企業が持つ業種・業務ノウハウや、最新技術・スキルを活用し、お客さまに最適なご提案を行っています。当社の強みは、提案から販売、構築、アフターサービスまでの一貫したワンストップサービスを提供できることであり、お客様との共創を推進しています。
プロダクトアウト型ではなく、お客様の全体最適となるソリューションをコーディネートします。たとえば「DX」についてはお客様の目指すDXの先にあるべき姿を共同で理解を深めながら、最適な提案を行います。
業種に特化した重点ソリューションの拡充などにも取組んでおり、製造業向けの弊社ソリューションである「rBOM」においては、業務全体を俯瞰したソリューションマップを基にデジタル化の支援などをおこなっています。
WARPパートナーグレードをSilverからGoldへグレードアップ。さらなる連携強化で過去最大のお取引
井堀様: ウイングアークとは非常に長いお付き合いをしています。弊社の全パートナーの中で弊部と定例的にミーティングを実施させていただいている戦略パートナーは10社程度であり、その中の1社にウイングアークが含まれています。
具体的な活動として、毎月定例会を実施し、案件の共有や共同マーケティング、販促活動、社内営業・技術向けの勉強会を通じて情報をやり取りし、連携を深めています。また、自社でウイングアークのBI製品を導入したことで、説得力のある提案活動が実現できています。
さらに、営業施策や提案に役立つ情報を厳選して弊社の「社内ポータル」に掲載しています。こうした取り組みの結果、昨年度、弊社ではウイングアーク製品・サービスに関して過去最高の売上を達成しました。
そして、協業関係を強化すべく、ウイングアークの営業担当からの提案もあり、上位のパートナーグレードを目指しました。グレードアップに必要となるWingArc1st Competency Program※や認定資格などの要件を一つ一つクリアし、2024年からWARPパートナーグレードをSilverからGoldにグレードアップしました。
※「製造」、「流通小売」のWingArc1st Competency Programを取得いただいています。
製造業のお客様向け協業活動をスタート。「rBOM」との協業の狙いと背景
――製造業への深耕について具体的な施策を教えてください。
井堀様: ウイングアークとの協業活動において、これまでは流通業のお客様を中心としていましたが、昨今は製造業のお客様向けの活動にも注力しています。特に、自社の製造業向け重点ソリューションである「rBOM」とウイングアークのMotionBoardとの連携強化を図っています。
「rBOM」は、営業、設計、資材、製造、経理・経営部門などのデータを連携し、「モノと情報」の一元化・共有化・リアルタイム化を実現するハイブリッド販売・生産管理システムです。製造現場における「見える化」や予実管理などで導入実績が豊富なウイングアーク製品との連携提案を模索し、ウイングアークにも全面協力いただき「rBOM」向けのMotionBoardテンプレートを準備しました。
製造現場では、手書きのレポートやExcelのデータをまとめてシステムに入力するケースが多いですが、最新情報を反映させるには負荷の少ない画面からの直接入力が重要です。
MotionBoardの入力機能を活用し、「rBOM」への入力と分析が可能なテンプレートにより、新規ユーザー獲得はもちろん、ユーザーの定着化と活用促進を目指しています。
ユーザー会を活用してウイングアークとの協業をプロモーション。過去最大の参加者と満足度に?!
―「rBOM」ユーザー会の企画内容とその狙いについて教えてください。
田幸様:「rBOM」ユーザー会は、お客様のデジタル化の促進に向け、成功事例や課題や悩みの共有を通して、解決策を模索する場を目指しています。同時に、お客様から直接意見や要望をお聞きすることで将来的な機能改善や強化にも活かしています。通算6回目となる今回は、「データ戦略」をテーマとし、上述の「rBOM」と「MotionBoard」のテンプレートもお披露目したかったため、企画段階からウイングアークにも相談していました。
――「rBOM」ユーザー会でMDFを活用されたとのことですが、具体的に教えてください。
田幸様: ユーザー会開催にあたり、ものづくり太郎氏をゲストスピーカーとしてお呼びする費用の承認をウイングアークにお願いしたところ、前例はありませんでしたが、承認をいただけました。
昨年のユーザー会参加者アンケートに「ものづくり太郎氏のお話を聞きたい」という多数の声があり、MDFを活用してお呼びできたことは非常に有意義でした。
また、「MotionBoard」と「rBOM」のロゴが入ったノベルティも作成し、これらのイベント運営の一部に、ウイングアークのMDFを活用しました。
――イベント内容と参加者からの反響を教えてください。
田幸様:イベントは、ものづくり太郎氏の基調講演から始まりました。その後、今回のテーマであるデータ戦略に関するrBOMの最新情報を提供しました。具体例として、「rBOM」と「MotionBoard」の連携デモを交えたセッションでは、ウイングアークの担当営業である大澤さんに登壇していただきました。
また、実はイベント会場はウイングアークの東京本社、大阪のオフィスをお借りし、弊社の名古屋オフィスとも繋ぎ、東京からの講演配信により、関西、中部のお客様にも参加いただくことができました。
加えて、ウイングアークからのアイディアもあり、「MotionBoard」を使ってディスカッションのアンケート入力~集計結果をリアルタイムで可視化を行い、「データ活用」を実体験していただく工夫を取り入れました。
ものづくり太郎氏の講演はもちろん、「rBOM」と「MotionBoard」の連携を紹介するセッションは高い評価を得て、データ活用の重要性について再認識する声を得ることができました。
コミュニティマーケティングを通してお客様のロイヤリティ向上へ。協業による今後の展望
――今後の展望についてお聞かせください。
田幸氏: 今回の取組みは、単発のものではなく、昨年からテンプレート作成、販促物など準備を行ってきた上での企画です。ウイングアークは弊社のビジネスの目的を把握した上で、製品環境や資金の提供だけでなく、テンプレート作成やイベント運営まで全面的に伴走いただき、とても信頼しています。まずはイベントのフォローを共同で実施し、早々にビジネスに繋げていきたいです。
井堀様: 今回のユーザー会によって、弊社ソリューションとウイングアーク製品を組み合わせたコミュニティマーケティングのひな型ができたと考えています。今後も、他ソリューション・他業種のお客様にも広げ、ユーザー会によってお客様を横串でつなぎ、そこで得られる生の声を吸収することで、より価値の高い提案やカスタマーサクセスの実現を目指します。
現在はBI製品の協業に力を入れていますが、今後は弊社ソリューションとの連携拡大を通して、invoiceAgent、SVFなど帳票製品の取扱いも拡大していきます。そのためにも、WARPパートナーグレードを最上位のPlatinumを目指したいと考えています。
現在も社内掲示板や勉強会を通してウイングアーク製品の情報を発信していますが、より多くの部署、メンバーに製品に関する知識やメリットを浸透させることで、実際の成果につなげていきたいですね。
最後に、弊社は、信頼と誠実さに基づき、革新的なテクノロジーを組み入れ、お客様と共に未来を創造すべく2025年4月1日より「DAIKO XTECH株式会社」へ商号変更を予定しています。さらなる幅広く深い顧客提案を行い、ウイングアークとの協業を一層推進していきたいと考えています。
~編集長のほっと一息~
編集長の若林です。今回は、パートナーマーケティングにおけ「Marketing Development Fund(MDF)」の興味深い事例をご紹介しました。
最初に「大興電子通信主催のrBOMユーザー会をMDFを活用し、外部講師を招聘してウイングアークオフィスで実施する」と聞いたとき、その革新的なアプローチと、メーカーを巻き込んだ企画に感銘を受けました。
そして企画の背景には、rBOMとMotionBoardの連携を通じて製造業様向けに現場データの活用を促進したいという両社の担当者の熱意があることを知り、さらにその価値を感じました。
この事例を通じて、エンドユーザー様の課題解決や提案の拡充を目指すMDFの効果的な活用方法について、皆様にとってのヒントとなれば幸いです。
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