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WSET Level3:記述問題対策④(大量生産地域)

今回は、記述問題のうち、「大量生産地域」に関する、頻出問題の解き方と対策方法についてまとめます。ソムリエ試験では軽視されている、いわゆる安ワインの産地ですが、WSET試験では必ず1問は出題されます。よって、マイナーなアペラシオンよりも優先して対策が必要です。

以降、代表的な問題と、その対策方法をまとめていきます。

「大量生産地域」に関する記述問題の出題パターン

新たに、オーストラリアでコストパーフォーマンスの高い、シラーズ種のワインの生産を始めたい生産者がいる。どの地域での生産を薦めるか。

解答例

  • マレー・ダーリング地区を薦める

  • 温暖から高温の気候で、ブドウが良く熟すため

  • 土壌が肥沃で乾燥しており、菌類病が少なく、健康なブドウを高い収量で収穫できるため

  • 栽培地域が広く、平坦な土壌を選ぶことで機械化によるコスト削減が可能なため

  • マレー水系に属し、広く灌漑が進んでおり、水を得やすいため

  • また、サウス・イースタン・オーストラリアGIというスーパー地域に属し、同GIのバロッサ等の優良産地のワインをブレンドすることで、GIを維持しながら質を高める事もできるため

まず、推奨する産地名を挙げます。産地が正しければ点数が入ります。その後、推奨する理由を挙げていきます。(オーストラリアの場合、リヴァーランドや、リヴェリナを挙げても正解になるでしょう。)

推奨する理由は、地域によらず「健康でよく熟したブドウを、コストをかけずに安定して高い収量で収穫できる」からです。これがコストパーフォーマンスに優れた大量生産ワインの生産の必須条件だからです。

具体的には、「自然要因とその効果」を挙げます。上記条件を満たす産地ですので、どこの産地でも「温暖で乾燥していて、機械化が容易な平坦で肥沃な土壌」であることを記述することになります。灌漑用水が得やすいことも、コスト削減に有利な条件として入ってくることも多いです。

更に、自然要因だけではなく、法的・商業的な優位性があります。今回は、オーストラリアらしく、クロス・リージョナルブレンドを行ってもGIが維持できる点を挙げました。これは地域によって違いがあるので、各産地毎に確認しましょう。例えば、IGPペイ・ドックでは、「多様な品種が許可されており、それをラベルに表示することができる」ことが成功の理由に挙げられます。

「大量生産地域」に関する記述問題の対策方法

解答例と解法は上記の通りですが、解法を上手に使うためには、アウトプットを見越したインプットを行う必要があります。

インプットのまとめ方は、前回紹介した、生産地域のまとめ方と同じ形式で十分です。大量生産に向く生産地は、注意してまとめましょう。

例に「マレー・ダーリング」をまとめるので、解答時の元ネタとして使いやすい形になっているかを確認してください。まとめのコツは、前回と同様に綺麗なノートを作りにこだわらないことです。

【記載例】マレー・ダーリング

まとめ用のテンプレート

まとめは、書き直しができるよう、Googleスプレッドシートなどで管理すると良いと思います。(ちょっとした時間でスマホからも確認できますし)テンプレートを共有しますので、使ってみてください。

まとめるべき産地

試験対策が必要な産地は、Specificationの「学習要項2 範囲 1:世界の主要な非発泡性ワインの生産地域 」の一部です。

まとめるべき産地は、上の「まとめ用のテンプレート」に、重要度S~Aで記載しています。国ごとに問われやすい産地を挙げておきます。

補足

  • 上記例題は、テキスト記載の例題と、スクール講師の模範解答をベースにしています。

  • 過去の試験問題や採点基準は公表されていません。採点はロンドンの本部で行われ、講師にも明確な基準は開示されていません。よって、上の解答で満点が取れるかを保証することは出来ません。

  • 筆者は、一応Distinctionで合格しているので、解答例はそれなりに正しく、対策リストも妥当なものになっていると思います。

質問、コメントがある方へ

質問、コメント等がありましたら、質問箱に投稿頂ければと思います。どんなご相談でも大歓迎です。

※この記事は、「WSET Level3に効率よく合格する方法」の詳細解説記事です。1つ目の記事で、試験対策の全体像をまとめているので、そちらもあわせて御覧ください。


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