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パーカーポイント高得点連発生産者 Paul Hobbs(ポール・ホブス)のお話③

本日でポール・ホブスのお話し・・・最後です。
今回は、カベルネ・ソーヴィニヨン の3つの畑について、まとめさせて頂きました。
社内セミナーとはいえ、これだけの偉大なワインを、こう3本も生産者を前に試飲する事はとても稀有な事です。
今回も読み応えある内容となってます。

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Paul Hobbs Cabernet Sauvignon Beckstoffer Dr.Crane Vineyard St.Helena Napa Valley


ポールのワインの中でも、人気かつ希少なワインの一つが、このベクストファー・ドクター・クレイン。名前からも分かる通り、世界最高峰の栽培家であるベクストファー家が1997年から手掛ける畑です。ナパ・ヴァレーの立役者として有名なドクター・ジョージ・クレインが1858年に開墾した畑で、長い歴史を持っています。セント・ヘレナに位置し、力強さやタンニンを感じる味わいです。


Paul Hobbs Cabernet Sauvignon Beckstoffer To Kalon Vineyard Oakville Napa Valley


ポール・ホブスのフラッグシップであり、世界最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑の一つである、ベクストファー家が所有する畑『トカロン・ヴィンヤード』です。既に多くが語られているので、その歴史や偉大さを再度述べる事はありませんが、トカロンの畑も今、植え替えが進んでいるそうです。現状では、南北に仕立てられた畝をゆっくりと、少しずつ東西の畝に変えていくそうです。色々な理由は、ありますが、そうする事によって、強い西日を緩和させる効果があり、今まで以上にコンディションの良いブドウを収穫出来るようになります。
力強さと共にしなやかさ、品格を感じる味わいは、さすがトカロンです。


Paul Hobbs Cabernet Sauvignon Nathan Coombs Estate Coombsville Napa Valley


ネイサン・クームズ という名前は、ナパ・ヴァレーを開拓した著名な方の一人から、敬意を表して名付けられたそうです。そして、実は、クームズヴィルは、元々、火山の火口だったところです。故に面白い地形をしていて、ナパ・ヴァレーの他のエリアより、冷涼でありながら、暖かい空気がすっぽりと入る珍しいエリアです。そして、その暖かい空気が気圧の関係によって、冷気や雨風から守ってくれるという特別な畑となります。ただ、夜は、さらに冷涼にもなり寒暖差が激しくなるので、しっかりと歯茎から感じるタンニンと共に上質な酸も同時に感じる稀有な味わいです。

《まとめ》


上記の3種類のカベルネは、いずれもブレンドでは表現しきれない単一畑の個性をしっかりと感じる味わいです。
また、面白い事に、近年ナパ・ヴァレーでは、カベルネ・フランの話を良くお聞きする機会が増えてきました。実は、ネイサン・クームズでも、カベルネ・フランが植えられておりまして、少量ですがリリースしています。
コンティニュアムのプリチャード・ヒルしかり、ヴァカマウンテン側の東の斜面では、今後もカベルネ・フランは増えて行くのでしょうか??

さて、最後に小噺を2つ。

《ナパの西と東の山について》
ナパの西側にマヤカマス山脈があるが、地下の水分などもあり、木々が緑に生い茂っています。なので、当然、青々しく山らしい景観に対し、東側にはヴァカマウンテンがありますが、もともと水分が少なく、かつ、西日の影響を強く受けるので、山肌は、茶色。です。どちらも強い個性があるので、ナパを訪問し、ハイウェイを北上しながら、是非、左右の違いを自身の目で確かめてください。
また、2017年の火事の時は、マヤカマス側はあまり燃え広がらなかったのですが、ヴァカ側の方が大きく燃え広がりました。その理由も水分が少なかった事も影響しているそうです。


《Q.畑の買い増しなどは、どういう基準でされていますか??》
まずは、ワイナリーのポートフォリオを眺め、
どういう味わいのワインが足りないのか?造りたいのか?を考えたり、今までの畑やキュヴェでは、表現しきれていない味わいを新しく畑を購入する事によって、それが出来るのか?そして、それをわざわざ購入する必要があるのか?
などなど、最終的なゴールを見据えた上で、その答えが、新たな畑を購入する必要があれば、購入するというのが答えになるそうです。
今回、日本にも新入荷となったゴールドロック・エステートは、近年購入したピノ・ノワールを中心とした畑ですが、それも上記の問いにイエスとなったから、購入したされたようです。
やみくもに、畑を買い増しすれば、良い訳でもなく、ブドウ栽培、ワイン造りというのは、一朝一夕では出来ない事なので、人、時間、金がとても大きくかかるので、慎重に選でいます。更に、ゴールドロックのエリアは、ソノマのセバストポルなどからも車で2時間以上離れた所になります。
なので、必然的に、そこで働くチームの為に畑のすぐ脇に住居なども構える必要があります。
しかし、働く人材も人間なので、メインのワイナリーから離れたスタッフの仕事の品質や感情をコントロールする事も大きな課題となります。
それらを勘定してさえても、その畑のブドウでワインを作りたいという強い思いが乗ったゴールドロックも是非、飲んでください。