4.薬剤の話①

電子カルテで幅広く、奥が深い話と言えば、薬剤の取り扱い。今回のタイトルに①とつけたのも、今の段階ではこのサブタイトルが一体いくつまで繋がるかわからないくらいだから。

薬剤って一体全体どれくらいの数があるの?

現在、医師が使用可能な薬剤は約28,000種類、正確に数えてもこの数字は毎月変化していくので約これくらいという話で進めます。WineStyleの薬品データベースには、約43,000種が登録されている。この数字の差はWineStyleの歴史を物語るものでもあるんだけど、1992年から作り始め、使用し始めたカルテの記録は今でも最初の頃の処方も記録されている。

薬剤は経過措置という言葉である日付からアクティブなデータではなくなる。理由は色々で、薬剤が製造中止となりその薬剤が世の中からなくなる場合、実際の薬剤は存続しているのだが薬剤の表記書式が変更になると以前のものは経過措置になり新しく同じ薬剤用に違うIDでデータが追加される。名称の変更で経過措置になるものの方が多い。

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これは、2012年7月の処方記録なんだけど、ここで赤い色で表示されている薬剤が現時点では経過措置になっているという事を示しているのだ。なので電子カルテの中の薬剤データベースは、過去の物もずーっと管理する必要があるんです。

薬剤検索の話

実際、診療していて医師個人が使う薬剤の頻度の多いものってどれくらいあると思います?小児科医だと頻度の多いものはせいぜい50種、頻度はそれほどでもないがたまに使うので200種くらい。内科や外科、耳鼻科、皮膚科でも、医師個人あたりはそんなものです。同類の薬剤は多数あるので、医師が違えば重複しないものは多くなります。院内調剤の時は自分の施設に置いてある薬を使わなければならないので限定されていたけど、今のように院外調剤が主流を占めると薬剤の在庫は他人任せになるので、処方するのに制限は緩くなりますね。紹介された患者さんが今まで飲んでいた薬、問題なければそのまま患者さんのためもそのまま使いたいとなるとまた薬剤の登録は増えて行きます。そんなわけで、私のカルテに登録されている私が使った薬は2,000種類弱になっています。

それでも全体の薬剤の1/10以下です。薬剤の検索にはこの現状を上手に反映させなければいけません。だって、単純に薬剤データベースを検索すると、使わないものが90%以上表示されることになりますよね。

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薬剤サーチのレベル

WineStyleの薬剤サーチには3段階のレベルがあります。薬剤の商品名や一般名の一部を入力してサーチすると、個人で登録した候補があればそれをまず表示、それがなければ、ユーザの施設で他の医師が登録したものがあればそれを表示、それでも検索できていない場合は、薬剤データベースにある全ての薬剤を表示するようになっています。これで検索のストレスは劇的に減ります。

今日のおまけ、好きなPodcast

一人でプログラムしていて、職場に他にプログラマーがいないとなかなか新しい情報が入ってこない。悩んでいる事を口に出して説明する相手がいると説明している間に解決策を見つけるなんて事が出来ない環境。そんな私は、3年前からダイエットのために続けているウォーキングの途中、テック系のPodcastを聴いています。

お気に入りは、Turing Complete FM, Misreading Chat, Rebuild, backspace.fm, 熊谷と繪面がプログラミングコードの内から.... など。難しいものから簡単なものまで色々、Turing Complete FMはすでに新しい配信が終わっているのだけど、4回くらい聞き直してます。

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