NuRAD 非公式カスタマイズ1.(水分対策)
NuRAD導入以来8ヶ月立ちましてその間いろいろハード的なトラブルもあり修理に出したりもしましたが、あれこれ試行錯誤を経て、ようやく落ち着いてきたというか、何がトラブルで何がトラブルないのか、トラブルを減らすにはどうしたら良いのかやっと少し慣れてきた感じです。
特にこれは私個人の問題なのですが、どうやら私は「吹くときに唾がやたらと多い」ようでして、特にNuRADは「脇から息を漏らしながら吹く」仕様なので、それは派手に唾が本体に飛びまくります。
NuRAD吹きの皆さんのyoutube動画をみても皆さん吹きながらシューシュー息を漏らす音がしていて、皆さん大なり小なり唾問題(例えば唾がかかってキーがショートして反応しなくなる)は抱えてると思っていたのですが、全くそうではないみたいで、息は漏らしているけど唾(なんか汚いので以下、水分と書きます)は出てない、水分防止のヘアバンドも要らない、という方がほとんどのようで実際プロのプレイヤーの方々のライブ本番の演奏を見てもヘアバンド無しで普通に吹いていらっしゃる、と。
僕の場合、とにかく初めてNuRADを吹いてから1時間もたたないうちに本体内部やらキーの裏側やらに水分が侵入してショートして運指ができなくなる、数時間したらブレスセンサーが変な挙動になる、という状態でした。水分拭き取ったり、使用後は逆さに吊るしたりしてみましたが改善せず、結局ブレスセンサーが壊れて鳴りっぱなし状態になってしまい、ブレスセンサー交換の修理となりました。
保証期間だったけど諸状況から有償修理ということで価格はまあ良心的だったのですが何しろ納期がかかってしまうということで自己防衛策無しにはこの先NuRAD吹けないことは明白なのであれこれ改造を試みまして、冒頭書いたようにやっと水分関係のトラブルが出ないまでにすることができた感じなので、そのあれこれを書いてみます。
ウインドシンセの命とも言えるブレス周りの挙動に影響するので、このカスタマイズは全くお勧めいたしませんが、私の場合こうでもしないとすぐに故障する状態だったので仕方ないかなと思ってます。「EWIを吹くときに絶対にヘアバンド必要!というような私のように水分の多い方がNuRADを検討している場合はもしかしたら参考にはなるかもしれません。
結果としてこうなりました!
・AとGについて。蓋と本体はネジで固定されているだけで隙間だらけなのでここに水分が1滴落ちるだけで本体内部やキーの裏側に水分が侵入します。そこでこの隙間を粘着テープですべて塞ぎました。A(裏側)は追従性重視でニトフロンテープを使用してみましたが表側は見た目重視で透明テープを探しましたが、これをやると蓋の取り外し(Firmwareアップデートの時に開ける必要あり)のときにいちいち表側のテープは貼り直す必要があるので価格のことも考えてどこでも売ってるごく一般的な透明ビニールテープを使用。とりあえず問題ないです。どうせビニールテープは少なくとも1年位で張り替えないとベタベタ汚くなってくると思うので張り替えること前提なら問題無いですね。裏面も透明ビニールテープで大丈夫だと思います。
FとHが定番のヘアバンド(ヘアゴム)巻です。マイケル・ブレッカーも使ってますからウインドシンセの「ファッション」「様式」としても問題ありません。
僕はいつも100円ショップで買ってますがamazonだとこれが近いでしょうか。
B〜Eが一番苦労しました。ブレスセンサーに通じるマウスピースから、チューブを伝って直接水分がブレスセンサーに到達する(壁を伝って垂れる)のを防ぐためデフォルトの「上から下一直線」ではなく一旦流路が「下から上」に行くようにしたい。一番簡単なのは単にチューブを長いものにつけかえて途中で一回転させてば良いと思ったのですが、「ブレスセンサーとチューブは接着剤で固められいて素人には取り外せない」という設計なので、途中で継ぎ手等を使って延長させざるを得ない。であればどうせなら念には念を入れてミニエアガン用のミストトラップ(B)を挟んでみました。延長チューブもどうせならと青色で透明なものを選択(E)。水分が入ってしまっても視認できるので安心感があります。トラップの前後はワンタッチの継ぎ手(C,D)なのでチューブは簡単に抜き差しできます。吹き終わったら両方の上下のチューブを外して必要なら水分を除去して保管。絶対にセンサーに湿気が行っていない、という安心感があります。実際この仕様にして以来数ヶ月、ブレスセンサー周りのトラブルは発生していません。
一つだけ気にかかるのは、この仕様にすると、「完全に息が抜けない」わけではなくでたぶんどこかのシールが甘いので「ごくわずか息が抜けてしまう」状態になってしまうこと。
例えば、正規の仕様だと、吹きながらマウスピースの穴を舌で塞ぐと永遠ロングトーンができるのですが、この改変仕様にすると、2秒くらいで減衰して消えてしまいます(わずかに息漏れがある)。Berglund Instrumentsの設計思想としては「息が抜けない」にかなりのこだわりがあるようなのですが、吹奏感的には全く問題が無いので、この程度であれば許容範囲なのかな?と思ってます。いずれにしろ私の場合はこの仕様でないと安心して吹けないし。唾が少ない人が羨ましい・・・・。
Bのトラップ。
Cのエルボ継ぎ手。トラップに直接接続可能。
Dのエルボ継ぎ手。ここからNuRAD本来の黒チューブに接続。この黒チューブは4mmよりわずかに太いのですが一応この継ぎ手で問題なく使えました
Eの青色透明チューブ。NuRADが青なので揃えて見ましたが4mmのエア用チューブなら何でも使えます。ただしシリコーン製は柔らかすぎて使えませんのでご注意。10mも要らないけど仕方ない・・・
接続部分に適宜シールテープを巻いてしっかり締めてやれば流路は完成です。で、これをNuRADにうまく固定する方法にも悩みまして、いざとなれば取り外しできてなるべく見た目の違和感内容に、ということで ネックにI のスポンジチューブを挿して滑り止め兼水分吸収しつつ、マジックテープ方式の結束バンドでBのトラップを固定する、というところに落ち着きました。
これで本番は大丈夫!なのですが自宅で長時間練習するときは念には念をいれてロングソックスを途中で切ったものをかぶせて使ってます。NuRADがかわいそうになるほどあまりにも見た目が悪いので人前では使えないですが効果は絶大で、、、半日吹くとマウスピース周辺がぐっしょりになります。自分でも嫌になっちゃいます。つくづく水分が少ない人が羨ましいです。
さて今回の写真で中央の銀色やキー配列に違和感を感じた鋭い方もいらっしゃるかもしれませんがそのあたりのカスタマイズのお話は次回に続きます。
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(蛇足)
マイケル・ブレッカーさん2004年頃以降のEWI(NuRADの原型)ではヘアバンド使ってないけど・・・まあいいか!
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