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リリコン初体験その1・SAW波でGO!

前回から続く)・・・というわけで思いがけず、よしめめ氏に大変貴重なリリコンを期間限定で貸していただけまして、この令和の時代にアラフィフにしてリリコン初体験の機会を得たのでした。

 リリコンと言いますが正確にはComputone Incorporated製、Wind Synthsizer-Driver。通称Lyricon DriverまたはThe Driver。
リリコンについて詳しくは日本語ではwikipediaの他
Masa’s Lyricon Museumさん   http://lyriconmuseum.yu-yake.com/
Garage99さんのLyricon Blog  https://lyricon.garage99.net/category/lyricon/
の記事が大変参考になります(ありがとうございます!)。音を出す仕組みはよしめめ氏ご本人が10年以上前に紹介動画をUPされているのでそれに譲ります。今回お借りしたのもこの動画に映っている個体。

 音源としてはこの動画に映っているモジュラーシンセではなく、これまた貴重でありますSEM PROを貸していただきました。僕がウインドシンセを意識したのは”ザ・スクエア”で、「うち水〜」「Adventures」「STARS 〜」が新盤で出たときがまさにスクエア大好き時期でそれこそ朝から晩まで聴いていましたが、Lyricon driver + SEMはまさにそれらのアルバムのリリコンの機材そのものらしく、つくづくありがとうございます。大事に大事にお借りいたします。

 さて、CVで動かすシンセサイザー自体も初体験の中、最初に10分間くらいで接続や設定の仕方を教えていただき、あとはとにかくいろいろ試してみまして、結局のところ基本となるDriverとSEMの接続としては
  wind2 → VCA CNTL
  wind1 → VCF EXTMOD IN
  bend down → VCO1のCV1 IN
に落ち着きまして、これで音階とリップベンドをコントロール、息で音量とフィルター開閉をスムーズにコントロールできまして、SEM側はシンプルにVCO 1個でSAW WAVE出してフィルター開閉、外部リバーブ繫げばそれだけでこれぞリリコンていうサウンド。感激!感激!。テンポゆっくりの曲でまずはよしめめ氏に御礼とご報告の1曲演奏。(よしめめさんのBlogでもご紹介いただきました。感謝)

 前述のセッティングで1VCO SAW WAVE、フィルターは息をいっぱい入れても全開にならないくらい程度。エフェクターは控えめにリバーブのみ(Alesis MICROVERV II, Medium No.3)で録音したものでございます。週末だけトビトビに練習、この時点でお借りして通算練習時間4日くらいかな?。全然慣れて無い感満載ですがビブラートとか息への反応の仕方とか非常にダイレクトで自然で、たまらなーいです。
 半面リップベンドの変化も完全にダイレクトで、正しい音程になる場所がピンポイントで幅(遊び)が全くゼロなので(※注1)、リップを完全にピンポイントに固定して音程キープしないといけない、アナログシンセなので低音域と高音域ではゼロポイントが少しずれるし電源投入から経時で音程が少し変わっていくのにもかかわらず、、、等、とにかく音程については不安定で、演奏よりも音程を合わせることだけでいっぱいいっぱいになってしまう点が最大の悩み。この機材で2時間のライブステージをトラブル無く終わらせることなんてできるんだろうか・・・と思うくらいですが、伊東たけし、Tom Scott、Michal Urbaniakら超一流プレーヤーの当時のリリコン演奏を聴くと、ライブであってもズレた音程での演奏が基本的に無いわけでそれだけでもどうにも驚異的であります。

とはいえやはりダイレクトに息とリップベンドに反応してくれるところは代え難い魅力ですね・・・。僕が他に持ってるのはWX5とEWIUSBですが両方ともここまででは無い。

(※注1):WX5のリップベンドは、中央にある幅をもった”リップベンドゼロゾーン”があって、その幅の中では微妙にリップが噛む圧力が変わっても音程は維持されるので、正しい音程の出しやすさとしては格段に優れているが、リップでのなめらかなビブラートのかけやすさは多少損なわれる

 そんなこんなで、調子にのって次に録ってみた演奏がこちら

機材は同じくLyricon Driver + SEM + MICROVERV IIで、DriverとSEMのCV接続も同じ。SEM設定も同じく1vco、SAW WAVEですがFilterの最大開きは若干先ほどより大きめです。
ここでも音程には悩んでいますがそれは置いておいて、吹いていてびっくりしたのが、動画の3:33でサックスでいうところのグロウル奏法(ヴ〜〜と唸りながら音を出す)をしてますが、自然に反応して普通にグロウルに聞こえるところ。WX5もEWIUSBも一応グロウルに反応はしますがここまで自然にはできなかったので(少なくとも僕は)、こんなところにも違いがあるんだなぁと。

 ちなみにこの曲は7年前にiPod Touchを音源にしてみる実験でWX5で演奏した動画を上げてますがそれ以来の再演であります。自分としてはこのWX5+iPodの演奏も結構がんばってるとは思うのですが(当時はiOSでウインドシンセするだけでも珍しかったと思う)、いかんせんSEMの音の魅力はどうにもタマラナイですねぇ〜〜

 さて、ここまでは音色としては1VCO SAW だけという非常にシンプルにやってましたが、ちょっとだけSEMの音づくりをやってみようかということで、このリリコン話、次回に続く・・・・




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