[01] Roland S-1 ウィンドシンセ日記その1 ・最初の設定
ウィンドシンセサイザー用の音源として2024年6月25日にRoland S-1を買いました。使っていく過程を日記感覚でメモします。日記なので、しばらくあとに訂正が入ったりするかもしれませんがその場合はすみません。
はじめに
Roland S-1を買いました。ウィンドシンセ用で小型で手軽なハードウェアが欲しくて、今現在入手できる中ではかなりベターな選択かなぁと思いまして。
【購入を決意したポイント】
小型、たぶんそれなりに頑丈、電池駆動可、ディレイとリバーブ内蔵、パッチを記憶できる、そこそこの数パラメーターをつまみで操作できて、MIDI CCでもコントロールできる、デジアナで音程が安定している、3万円未満。
【嬉しいプラスポイント】充電池内蔵、4音ポリ、波形を描ける。
【実装してないけど本当は欲しかった機能】デチューンやハードシンクできる2VCO、ピッチEG。ENVが2つ。モジュレーションマトリクス。
まだ1〜2時間しか触ってませんが、基本的には買ってよかった!と思ってます。手軽に良い音で、とりあえず音源が入っていないウィンドコントローラーであるNuRADやMWiCをカバンの片隅に入る音源で、MIDIケーブルとAUDIO OUTだけ繋げて鳴らせるのでPCやiPadにつなぐよりも手軽にどこでも持っていけるようになりました。
とりあえず昨日1時間触った時点の音出しはこんな感じ。
S-1内蔵エフェクトのみ。伴奏はyoutube。iPhoneのヘッドホン出力をS-1の「MIX-IN」に入れるとS-1の音とミックスしてS-1のヘッドホン端子から出力されます。ミキサー要らずなので何気に便利ですね。
最初の設定
箱を開けてさあ鳴らそう!と思ったけれど、正直どこを触ったらよいか全然わからない。PLAYボタン押したら再生したし鍵盤押したら音は鳴ったけど、プリセット変えたいんだけど、どこ押すの?という状態。
とりあえず、買う前にも参考にさせていただいたけれどもう一度、S-1発売直後にウィンドシンセでのデモをUPされた、BANANAsuさんの動画を拝見。
買ってからだと更に参考になります。先駆者に感謝。ありがとうございます。
これによると、まずはS-1のMIDIチャンネルを、ウィンドシンセでは通常使う1に変える必要があるわけですね。
で、どこ押すの!?! それっぽいボタンもないんだけど!!
という感じ。マニュアルも同梱されておらず、Rolandのサイトからダウンロードしてねというカードが入っている。マニュアルも買う前に流し読みはしたんだけど、あらためてじっくり読みました。
頭から読んでいって、全98ページのマニュアルの最後のほう、87ページにやっとありましたMIDIチャンネルの設定の変え方。既に疲れてます。
MIDI チャンネルの設定(S-1のMIDI送受信チャンネルを1にする)
左端の「SHIFT」ボタンを押しながら右下端の鍵盤15[MENU]を押して、左上のディスプレイの下にある[TEMPO/VALUE]ノブをたくさん回して「CH」という表示が出たら鍵盤左下2[ENTER]を押し、VALUEノブで「1」にしたら、左下鍵盤1[EXIT]を押し、もう1回[EXIT]を押すと通常状態に戻る
この時点でかなり疲れと憤りを感じる・・・・
とにかくMENUからノブを回して[CH]を選ぶ、という操作が極めて操作性が悪い。暗号のように読みにくい4文字の省略文字で、脈絡の無い順番で並んでいる40項目の選択肢から一つを選ぶ、この作業が地獄です。
まあ仕方ないので慣れるしかありません。とにかく
SHIFT+MENU → VALUEノブ → ENTER → VALUEノブ → EXIT
という基本操作は覚えないといけないですね。
MIDI Controller側の設定
EWI5000でもNuRADでもMWiCでも構いませんがコントローラー側の最低限の一般的な設定は
・MIDI出力チャンネル= 1 (上述でS-1の送受信チャンネルに設定した値)
・ベロシティー=固定(数値はとりあえず127)
・ブレスセンサー出力=CC#74 (NuRADの場合[CF]または74)
にします。設定方法は各コントローラーのマニュアル参照。
これはあくまでも「一般的には」なので、独特の効果を狙う場合は他の設定方法もたくさんあります。特にブレスセンサー出力にどのCCを設定するかはいろいろ手法がありますが、最初の一歩ということでCC#74だけにします。
CC#74は、S-1ではFILERの[FREQ]ノブに固定でアサインされています。つまり、息を吹き込まないと[FREQ]ノブがゼロ、最大に息を吹き込むと[FREQ]ノブを最大回しきった状態で、ノブの回し具合を息の強さでコントロールできる、というわけです。[FREQ]ノブをゼロにすると通常「音量もゼロ」になるので、[FREQ]ノブ=CC74で音量と、音色の明るさをコントロールできます。
S-1とコントローラーのMIDI接続(TRS-MIDIケーブル/アダプタ)
S-1のMIDI端子は、TRS-Aのようです。これをウィンドコントローラーに接続するには、片側が5ピンの昔ながらのMIDI端子、片側がステレオミニ端子になっているもので、Aタイプのものが必要です。なお、TRS-MIDIにはAタイプとBタイプがあって、ケーブルの通販サイトにはこのA、Bが書いていないものがあります。非常にわかりにくいです。TRS-A、Bについてはこちらが参考になります。
Rolandについて記述が無いのですが、S-1には私の手持ちのTRS-Aアダプタが使用できたので、TRS-Aだと思います。
S-1のマニュアルには BMIDI-5-35(1.5m)か、もう少し短いBMIDI-1-35 または BMIDI-2-35が推奨されていますが、ボッタクリとまでは言いませんがちょっと高いですね。
個人的にはTRS-MIDIアダプタをおすすめします。このアダプタのDINメス側に、一般的なMIDIケーブルを接続して使用します。これもAだかBだかわからないものが多いのですが、非常に良心的な販売をされているところがありまして、私もここから購入したものを使用しています。おすすめです。売り切れる前にどうぞ。
また、BをAに変換するにもこちらが便利と思われます(私は購入済みですが実はType-Bの機材を持っていないので実際には試していない)
蛇足ですがTRS-MIDIの不統一さ、AとBの明示の無さは各メーカーさん何とかして欲しいです。
とにかくウィンドシンセっぽく吹いてみたい
さて、ここまでくれば、とりあえずウィンドコントローラーを吹けば、何か音が出て、息の強さで何か変化が起きるはずですが、買ってきて最初に起動したときに出てくるプリセット(1-01)は、ウィンドで吹くには適さないです。別のプリセット音色を選びたいですね。プリセットを選ぶ方法・・・これもマニュアルをかなり探しました(本当にかんべんして欲しい)。
プリセットを選択する
プリセット(S-1では「パターン」と呼ぶ)を呼び出す操作は、マニュアル10ページです。
やや左側中段の[PATTERN]ボタンを押してPATTERNボタンが点灯したら、VALUEノブを回すと、ディスプレイが1-01〜4-16まで変わります。望みの番号が表示されたら選択されています。もう一度[PATTERN]ボタンを押して消灯すればメイン状態に戻ります。ちなみS-1のプリセット(パターン)は
1-01〜16、2-01〜16、3-01〜16、4-01〜16の4グループで、購入時にプリセットが入っているのは1-01〜16だけで、あとはシーケンスが含まれない同じ音色が入っています。
とにかくウィンドコントローラーで吹きたい!!!(パターン1-13を少し調整する)
とにかくすぐに演奏したい!という方は、プリセットパターン1-13を選びましょう。1-13はそこそこウィンドシンセ向きですが、アタックが強すぎたりしますね。少し調整します。
・FILER ENVノブを最小
・ENV ATTACK、DECAY、RELEASEノブを最小
・ENV SUTAINノブを最大
にしてください。なお、各ノブは一回最小〜最大までグリグリ回してから、最小または最大値にしてください。こうしないとそれまでの設定値がリセットされません。
結構いい感じでウィンドシンセ的に演奏できると思います。ひとしきりお楽しみください。
少し音色を変えてみる
OSCILLATORにある緑色の4つのノブ、矩形波アイコン、ノコギリ波アイコン、SUB、NOISEは、それぞれの波形の音量の調節です。例えばノコギリ波アイコンを最大、他を最小にすれば、シンプルなノコギリ波音色のウィンドシンセ音色の出来上がりです。さらにお好みでFILTERの[RESO]ツマミを調節しましょう。最小にしても良いですし、少しプラスにするとクセのある音色になっていきます。 緑ノブと[RESO]ノブを好きに調整して好みの音にしてみましょう。
また、右端のDELAYとREVERVのツマミはそれぞれのボリュームです。お好みで調節しましょう(RELAY、REVERBの種類も変えられますがそれは後述)
好みの感じになったら、この音色を保存します。
音色の保存
マニュアル59ページでは音色の保存は
SHIFT+鍵盤16[WRITE]→VALUEツマミ→「Ptn」を選択→ENTER
となっていますが、これですといわゆる「上書き保存」しかできません。
つまり、最初に選んだプリセット1-13が確認もされず上書きされて変わってしまいます。ちょっと、というか、かなり困りますね。ふざけてますね。
で、マニュアルには書いてないのですが、上書き保存ではなく、今出来た音色を別のパターン番号で保存する方法がありました。次の通りです。
SHIFT+鍵盤15[MENU]→VALUEツマミ→「COPY」を選択→ENTER→VALUEツマミでコピー先(保存先)の番号を選択→ENTER
です。
続く
まず今日はここまで。
次は、「デフォルト音色をつくる」「S-1のコントロールに適するCC一覧と活用アイデア」あたりをやっていきたいと思います。