好きです、福岡。~悦びのツアーファイナル~
福岡が、好きだ。
7月23日に福岡市民会館にて行われた「HKT48 LIVE TOUR 2022 ~Under The Spotlight~」ファイナル公演に合わせた遠征は、この言葉が実にふさわしい3日間であった。
今回は、ツアーファイナルの感想と遠征で得た知見を、画像と共に振り返っていきたい。
仕事を午前中で終え、高まる胸の鼓動。それを抑えられるはずもなく、職場の最寄り駅のコインロッカーから朝に預けておいた荷物を取り出す。筆者のツアー遠征はそこから始まることが多かった。平日や土曜に公演がある場合、物販ブースの設置に合わせて現地に前乗りする必要があるためだ。
そこからはもう、ひたすらに生きる悦びを感じるだけの時間である。羽田空港へと向かう電車、乗り換えの時間すら全く苦痛に感じなかったのは、夏の暑さすらも楽しむ余裕があったからだと思う。
羽田に到着し、フライトまでの時間を満喫する。一人で飛行機に乗るのは熊本ツアー以来で緊張はそれほど無かった。学校が夏休みに入ったからか、家族連れで溢れる空港内。これから始まる夏の思い出への期待を肌で感じつつ、いざ福岡へ。
ここが私の、アナザースカイです。
しかし、飛行機を降りたところで衝撃の報・・・地頭江音々、大庭凜咲、猪原絆愛、3名のコロナ感染である。起きてほしくないことが起きてしまった。6期の2人には、お披露目以来の大きなステージでのパフォーマンスを経験して欲しかったし、音々は「HAKATA吸血鬼」のセンターを務め、ツアーを締め括るには欠かせない存在だったのに・・・誰一人として欠けることなくツアーファイナルを迎えて欲しかったが、渕上舞(2期生。しばらくの休養をこれより前に発表)も休演している状況。こればかりはどうにもならないと割り切る。
何より、この青い空と灼熱の太陽の下で、心から目の前にあるものを楽しむことが最優先だから。
(昼下がり+夜+朝)×満喫=至高
さて、福岡空港から会場のある天神エリアまでは距離がある。加えていきたい場所もあったので、初日は急ぎ足で空港を後にした。地下鉄に乗り、向かうは唐人町駅。もうお分かりだろう。
ただいま、劇場。心のふるさと。
ここに来るのは昨年7月のリクアワ遠征以来だ。唐人町駅から徒歩15分ほどだろうか。1年ぶりに福岡ドームとボスイーゾが眼に映った時、浮かんだ一筋の涙。それも照り付ける日差しに乾かされてしまったが、この地に戻ることができた安堵感は日々の苦役労働に苛まれた私の心を確かに包み込んだ。
1年ぶりに来てみたら、6期の壁写が追加されていたり細かい部分が前回と違っていて素直に興奮した。ちょうどこの時間はCOLORZに入るオタクと入れ替わりだっとこともあり、かなり空いていた。三密回避にはもってこいである。結衣さんの推しドリンクも飲むのはこれで最後だと思うと、早くも寂しさが募る。
その後はロッカーの写真撮影やカプセルトイ・クレーンゲームを楽しみ、最後にファンレターを書き上げて劇場を後にした。閉まるギリギリまで滞在できたのは良い時間の使い方だったと思う。
劇場から一路、今回のアジトへ。初日の夜はまだまだ長い。荷解きをして夜の中洲へ。目的は食事と買い出しだ。
福岡・中洲。それはネオンの映える煌びやかな街だ。(風俗街の治安は別として)
スケッチブックを買い、次の目的を果たすため歩く。もちろんこの街に来たのだから…
今回の遠征のサブテーマ、「酒とラーメン」!!!!!!!!!!(しれっと初めて言った)
いや、旨すぎて涙が出た。マジで。羽田から食事を抜いたのが奏功した。この博多という街にラーメンを文化として定着させた人々に土下座で感謝したい。
一夜明け、優雅にホテルの朝飯をキメる。遠征期間と出勤日の目覚めの違いは言うまでもない。この日はツアーファイナルを飾るに相応しい好天に恵まれ、部屋の窓から覗く日差しは見るからに厳しかった。暑い中で物販列に長時間並ぶ未来がすぐそこに見えていたので、朝から食べられるだけの量を食べ英気を養うことにした。
食べ合わせもへったくれもないバカ朝食だが、遠征ではとにかく楽しむべきで、その時食べたいものを正直にチョイスしていった結果だから見逃して欲しいし、ホテル側が推してきたカレーがハードルに違わず旨かった。
愛してるの言葉じゃ足りないくらいにHKTが好き
さて、機は熟した。いざ徒歩5分の会場へ。
天気が!!!!!!!良すぎる!!!!!!(米倉涼子)
現着するなり、福岡市民会館には夏の暑さにも負けない熱気が立ち込めていた。物販列に先着していた現地民の量としては初日の横須賀・4/10の東京会場に匹敵していた。朝9時台とは思えない日射しが降り注ぎ、風も少ない蒸し暑さの中、最後の物販列に並ぶ。周りには知ったFFもいて、本拠地福岡ならではのアットホーム感に浸るばかりであった。1.5~2時間程は待っただろうか。ようやく購入を済ませ、急ぎ足で部屋に戻る。やはり宿は会場の徒歩圏内に早い段階で確保しないと夏場は損である。
さあ、最初で最後の全員出演。どんな景色を見せてくれるのか。
昼夜ともに終演。
2022年7月23日の福岡市民会館。そこには爆ぜる程の愛が溢れていた。
淡々と感情論を並べるだけでは飽き足らず。ここではまずツアーファイナルだけに見られた内容の変化について、セトリを追いながら詳述していきたい。
1曲目の「Make noise」「止まらない観覧車」では、全員出演のため出演メンバー全員のソロダンスが矢継ぎ早に披露され、改めて「今日は全員出演です」というメッセージを感じさせた。
「74億分の1の君へ」「黄昏のタンデム」「夏の前」「SNS WORLD」の4曲は、それぞれ豊永・武田・竹本&渡部・石橋がセンターを務めていたが、ファイナルでは全曲で歌唱メンバーががらりと変わっていた。例示すると、「74億…」に竹本が入ったり、武田が「SNS WORLD」のセンターポジション、石橋と神志那の2人が「夏の前」を最前で披露したり、「黄昏のタンデム」の歌い出しが坂本愛玲菜で始まるなど、せっかくの全員出演、ポジションを固定せずとも運用できるHKT48の厚い選手層をいきなり見せ付けられる形となった。
続くアルバム収録曲のブロック。センター地頭江を欠く中で「HAKATA吸血鬼」をどう回すかに注目が集まったが、あえてセンターポジションを空けて、松岡菜摘と本村碧唯の両名がカバーすることでセンター不在の状況をうまいこと切り抜けた。「全然変わらない」では、初めてオリジナルの歌唱メンバーが揃っての披露となった。豊永・秋吉・坂本愛・外薗というグループの中でも高い歌唱力を武器とするメンバーが同時に参加したことや、ツアー期間を通して成長の軌跡を確かに刻んでいる市村もいたことで、この日披露された「全然変わらない」はそれまでのツアーで聴いた時より深みがあった。
ここからは本来「チャレンジコーナー」として様々なアーティストの楽曲に挑戦するブロックが設けられていたが、今回は全く異なるセトリが組まれていた。それは、グループ創設期から君臨してきたメンバーとの別れ、未来輝く18人との出会いが同時に訪れたHKT48の「現在地」を知るために組まれたような時間だった。まずは6期生による「アイドルの王者」「必然的恋人」の披露。5月の熊本会場でお披露目されてから約2か月。少しばかり成長した6期生のパフォーマンスは会場を唸らせていたし、あの時より地に足が付いている印象があった。続くは卒業する神志那結衣のセンター曲である「Buddy」、1期生の松岡・本村・下野の3名で歌唱した「Already」である。
ここで感情的にならせていただきたい。それはズルいって。
神志那の存在が筆者をHKT48の界隈に突如として引きずり込んだ大きな一因である。筆者がHKT48にこの上ない魅力を感じているのも、1期生の松岡が軸となって、卒業したOGが残した伝統を今のグループに繋いできた実績があってのものである。そんな2人には、筆者のみならず今日全てのHKT48を愛する者達が特別な想いを抱いているのだ。
昼公演では、「Buddy」のイントロが始まってから「Already」が終わるまで、終始涙が止まらなかった。まともに観れなかった。ペンライトを持つ手が震えていた。
正直、自宅で配信を視聴していたら同じ状況にはなっていなかったと思う。全通プロジェクトを達成するために万感の思いで現地に赴いたからこその100%涙であった。
また今回、最新シングル「ビーサンはなぜなくなるのか?」に収録されているカップリング曲の初披露が行われた。個人的推しポイントは「充分、しあわせ」の衣装がとにかく可愛いこと、「向日葵の水彩画」は間奏部分のフリ。次回披露される際はどちらも一見の価値がある。「悲しみの浄化装置」は6期生の最上奈那華によるソロ曲だが、最上は物怖じせずステージ上で堂々の姿を見せてくれた。
メドレーコーナーはいつもながら楽しいだけだったので割愛。メドレー後はいつも「大人列車」を観客オールスタンディングの手拍子で後押しする形をとるが、この時にサプライズ発表が行われた。10月16日にグループとしては8年ぶりに幕張メッセで単独コンサート開催、また11月26日に福岡市民会館、11月28日に福岡サンパレスで11周年を祝うコンサートが開催されることとなった。大きな楽しみがまた1つ増え、両手でガッツポーズを決めたのは人生初だろうか・・・
「大人列車」の歌唱を終え、アンコール。昼公演では卒業する神志那と松岡菜摘の両名に向け、客席を赤と紫のペンライトで統一する企画が行われ、幻想的な景色が広がった。夜公演のアンコールでは、前述の2名に向けてメンバーからサプライズで「今 君を想う」の歌唱が贈られた。涙なしでは見られないだろこれ。
またこの時、松岡菜摘がサプライズを告げられた際「ダブルアンコールは・・・?」と口をこぼしてしまい、「ダブルアンコールなんて言っちゃだめだよ」と本村碧唯から苦言を呈される場面も。グループの柱として君臨しながらも、時としてこういうやらかしをするのが松岡菜摘という女であり、多くのファンに、メンバーに愛されてきた理由の一つだろう。
夜公演のオーラスはダブルアンコールで「HKT48ファミリー」で締めた。感動と興奮の渦、ツアーファイナル。それでも最後は笑って終わろうねというHKT48を象徴するような思想だ。
この時注目したのが、休演した渕上・地頭江・大庭・猪原の4名のうちわやタオルを持ってメンバーが登場するという行為。これが自然とできるのがHKTちゃんである。HKT48はこういった行為も伝統として継承してきた。これからも続いていくことだろう。
以上が、HKT48ツアーファイナルに参戦しての所感である。
2022年7月23日の福岡市民会館。そこには休演したメンバーも含めた58名の情熱と、HKT48という愛と伝統に溢れた輝かしいグループを熱く追い求める者達の魂の鼓動があった。
故郷の味と魂の在処
熱狂から一夜明け、余韻と共に呼吸をし続けることしかできなかった。それぐらいあの1日を経験したこと、HKT48新時代の幕開けとなるライブツアーを全通したことは筆者のオタクキャリアにおいて忘れることのない出来事であった。
最終日はゆっくりと動くスケジュール。チェックアウトを済ませて向かったのは・・・
デデドン!!!!!!!!!!
「博多ラーメンShin-Shin」なる店が、宿舎から思ったより近かったのである。ここはYouTuber「東海オンエア」の動画にも登場したことのある名店で、久々に飲食店の行列に並ぶこととなった。ちなみに筆者は飲食店の行列に並ぶことが大嫌いであるが、並んででも食べたいという欲求に掻き立てられたらもうどうしようもない・・・
いや、The 王道とんこつラーメンじゃん。
マジで死ぬまでに一回食べて欲しいみんな。涙が出る。(遠征先で飯食ったら絶対泣くマン)
なんかこう、「ウチは小細工せずとも味で勝負できますよ!」という店側の自信が滲み出てるもん。
店を後にし、特に行きたい場所もないので福岡空港へ向かう。初日にできなかった構内探索をするつもりだ。
帰りの飛行機はHKTご自慢の「スターフライヤー」だ。
で、最後に話したいのが・・・帰りの飛行機に搭乗してる間に考えたこと。
オタクを始めて、過去最高に楽しかった3日間。色々な感情をあの日あの時、あの空間にいた全員と共有できたことは筆者にとって人生の宝だった。
思えばHKT48を知れば知るほど、HKT48だけでなく福岡という街そのものが本当に好きになった。もしかしたら近い将来、福岡に住んで働く可能性もゼロではない。選択肢として本気で考えてる。
そして、HKT界隈に筆者を引きずり込んだ神志那結衣という存在。
彼女のおかげで沢山の幸福を享受し、沢山の出会いに導かれた。
生きて働く意味もできた。
感謝という言葉では表現するに足らない感情。感情というより、筆者のHKT48に対する思いは「燃える魂」なんだと思う。この熱さを未来永劫に絶やしたくないし、そう簡単に絶えるとは思えない。
ただ、その熱さとは裏腹に、帰りの飛行機が離陸し、福岡という「魂の在処」から自分の身体がどんどん離れていく。そして、ツアーが終わってしまったということは、同時に結衣さんの卒業がすぐそこに来ているということ。
そんなことを、飛行機の窓を覗きながら思い耽っていたら、脳内で「Buddy」が再生されて、気付いたら涙が止まらなかった。
果たすべき秋の約束
ぼーっとしているうちに、飛行機は羽田に着いてしまった。遠征というのは残酷なもので、終わると同時に翌日からの苦役労働を突き付けられる。
さて、無事に今回のツアーを全通達成した筆者の次なる目標は決まっている。
福岡に置いてきた魂を、11月に取りに戻ることだ。
この夏、HKT48は各種イベントをはじめ激動の日々を過ごした。それはオタクも同じである。新曲の特典イベントも、この記事を書き上げた当日から始まった。(8月20日オンライントーク)9月末~10月初にかけては現地でのトーク会が横浜と福岡で開かれる予定だ。
それを経て、10月16日には幕張メッセコンサート。ほとんどの現役メンバーにとっては初めて「グループ単独で」立つ舞台であるから、メンバーだけでなくオタクとしても並々ならない思いがあるし、その日が11周年コンサート・公演の前哨戦としての位置付けでもあると推察する。
夏が終わっても、HKT48の火が消えることは無い。