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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_16「アシッド・シグナル・トランザクション」(後)
こんばんは。AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
んもう冬! 日本海側の冬!! 嫌いじゃないけど倍速再生してはやく春の場面になってほしい!
◆
前回の感想はこちら。
【前提】望月のニンジャスレイヤー知識
・書籍第一部を3巻まで(中断)
→6年経過(ほとんど内容を忘れる)
→『スズメバチの黄色』読了
→AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
→AoMシーズン4実況+旧三部物理書籍12巻(今ここ)
◇◇◇
今回のエピソードはこちらです。シーズン4 第6話。
シーズン4:「アシッド・シグナル・トランザクション」(後)
タキは決死のタイピングで絶体絶命のナンシーを救出する。ナンシーは恐るべき古代魔術の監視をかいくぐり、石碑会議への潜入を果たした!
♯6
前回フリーズしたところからの続きです。
さて、読むz
「……やったのか、タキ」ニンジャスレイヤーが呼びかけた。『ああ、やった!』タキが答えた。
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(不意打ちフリーズ・再)
ゔえぇぇなんで再放送してくれるんですか。大事だから?大事なやりとりだからですか?ありがとうございます!!
丁寧に繰り返し心の臓をえぐられている!!
なおマスラダの「……やったのか」、最初の「……」の部分で、もしかして応答がないかもしれないとほんの少しだけ心の受け身準備をしていたのかな?などと邪推し一人で悦に入っています。もなかさんそれ幻覚だよ。わかってます。
死への恐怖とやり遂げた高揚感でいつもの数倍増しで饒舌になっているタキさんがあまりにもTHE・タキですが、いつものように言葉の奔流を遮ることなく、静かに耳を傾けているマスラダの珍しい姿に私はたいそう興奮しております。マスラダはハッカー業界のことは何もわからないですけど、おそらくタキが一つ大きな壁を乗り越えて偉業を成し遂げたことだけは薄々と察しているんじゃないでしょうか。少なくとも、いつものデジタルオーディンがどうたらこうたらと今タキが成したことは全然違うんだということくらいはわかっているんじゃないかな。
◆
「……あいつだ……オリガミを……」「あいつ?」「ザナドゥ=サン……何をやってる……!?」
気安い口調にヒュゥーッ!(口笛)ってなってしまう。マスラダとザナドゥ、すっかり友達じゃないですか〜!
◆
その両手は犬の頭を模したサイバネ腕に置換されている!「ドーモ。バスカヴィルです。イヤーッ!」犬の頭がザナドゥに火球を射出!
あ゛?(ド低音)
犬の頭を……腕に? 何で? どうして? なんのために? 許せないな。
バスカヴィルという命名も許しがたいですわね。
◆
「ラクな仕事に報奨金だ、文句は言わんよ」バスカヴィルのサイバネ腕犬の口が裏返って袖となり、露出した手で携帯端末をいじる。
はァ〜?
犬の腕が……裏返って…手を露出!? つまりこの許されざる犬野郎は愛やプライドをもって犬のサイバネ腕にしていたわけじゃないってこと……? まあそんな愛やプライドを持たれてもそれこそ犬に食わせておけって感じではありますが……プライドをもってサメの両腕にされても滅びてほしくなるだけだし……この際ロブスターと相討ちになって双方滅びてくれたりしないだろうか。
◆
「お前、何をやってる」彼はザナドゥの首を掴んで立たせると、包囲者達にアイサツした。
あぁ~気安い~!! 身を捩ってしまう! 後方指組み見守り体勢に入ってしまう! マスラダくんすぐ首根っこ掴んで、ほんとにネコ科なんだからさ~!!
◇◇
♯7
グラフィティ・アートが魔術に及ぼす影響を問題視したセトは、手勢を差し向けた。多勢に無勢、わけもわからず追われるザナドゥ。逃げきれない! だがその時、赤黒く燃えるニンジャが、ザナドゥと刺客の間に割り込んできた!
◆
「こいつは他人ではない。来るなら、おれに来い」
ヒューーーーーーッ!!!!(ドンドンパフパフ紙吹雪!)
◆
バスカヴィルは腕の犬の口から火球を放つ! BOOOM!
しつこくて申し訳ないんですけど、なんで犬の口にしたの? 火球を放つだけなら、ぶっちゃけ犬の口である必然性ってなくない? 普通のサイバネ銃口じゃ駄目だったの?
◆
「(略)なあ、俺、ヤバイ事しちまったのか?」(略)「コイツらがお前を殺しに来るほどにヤバい真似だ」彼は深く呼吸した。「もっとやるぞ」
ヒューーーーーッ!!!(ドンドンパフパフドラムローール!)
マスラダくんのこういうところ大好きです。
ザナドゥくんの攪乱ジツ、戦闘力はないながらも効果的ですごくいいですね。がんばれがんばれ!!
◆
バスカヴィルは犬頭の火で遠隔射撃の構え!
だから犬と炎に何の関係が
バスカヴィルさんの潔すぎる命乞いが斬新でした。ニンジャスレイヤー相手に、この状況からでも生き残れることあるんだ……。
しかしブルハウンドさんといい、犬系サイバネニンジャは開き直って生き延びる法則でもあるのでしょうか。ただブルハウンドさんはちゃんと己のサイバネ犬を愛して世話して散歩に連れて行っているのに、バスカヴィルはファッション犬野郎っぽいのでやはり許せねぇよという気持ちはある。
◆
マスラダとザナドゥくんがお互いに遠慮が薄れ気安くなってきてるのが素晴らしく良い。微笑ましいです。
ザナドゥがマスラダの背中どやしてるのも、(あいつひょっとして怖い奴かも)感がすっかり薄れた感があって好きですね。ふふ。
「いや、いいさ(略)おれはオリガミを作る」「いいんだよな?」「お前も命を賭けたろ。おれもやる。おれの為に」
うううーーッ! 「始末屋ニンジャスレイヤー」ではなく、「青年マスラダ・カイ」から発せられた等身大の素直な口調~~! 染みる……! 凍てつく朝に啜る、湯気の立った一杯の熱い味噌汁のように体中にまんべんなく染みわたる!
◇
ところで。
この「〜さ」口調、明らかにマスラダ・カイ本来の言葉遣いだと思うんですね。これまでも、回想シーンでアユミさん相手にとか、日常パートでコトブキちゃん相手に見せていました。
「意味はあるさ」マスラダは言った。「おれも学ばせてもらう」
アユミの言葉を遮り、マスラダは言った。「やめにするさ。決めたんだ。手をケガするのは、困るからな」
心を許し警戒を解いた相手にだけ見せる、柔らかな部分といいますか。それを見せる相手がアユミさん以外にも少しずつ増えてるの、いいですよね。
(と思う一方で、じゃあタキに対する傍若無人唯我独尊なクソ彼氏めいた態度はマジで何? と真顔になる私もいます)(マジで何?)
一番死にたかったボロボロな時期に出会い、S3ではタキのピンチに動揺してなりふり構わず叫び、今エピソードでタキ側からもクリティカルな弱い部分&号泣を見せられたことで、互いにおそらく一番どうしようもないところを見せてしまっているはずなのに、なんでいまだに上からの態度なんですかね……今さら取り繕っても仕方ないじゃんよ……。
◇◇
♯8
マスラダとザナドゥが男同士の友情を確認しあっていたそのころ、信じて敵地に送り出した先代おじさんは遠隔洗脳操縦されて猛スピードでユウジョウゾーンへと向かっていた。
◆
やめて。
◆
『セト=サン。こは、いかなる事。我が狩人に対し、何の真似だ?』(略)セトは超然と応じた。「カリュドーンの儀式に抵触する行いはしておらぬぞ」
欺瞞欺瞞欺瞞!!!
どいつもこいつも儀式参加者はホント駄目!
ナンシーさんがめちゃくちゃヤバい橋を渡っていてハラハラします。ナンシーさん涼しい顔で普通にフジキドさんに並走するので忘れがちですけど、ニンジャですらないんですものね……。ひえぇ。ここまで綱渡りの状況だと、主人公クラスだったとしても油断できない。無事に帰ってきて……
◆
(((然れども、所詮は奴隷よ。愚か)))(……全くだ)ニンジャスレイヤーはサツバツナイトを睨んだ。
ナラクちゃん&マスラダくんがフジキドさんに辛辣でつらい。
で、でもね、フジキドさんはね、マスラダくんの身を案じたからこそこんな事態になって……(じゃあそのことをマスラダに前もって打ち明けて相談したんですか?)(してない……!)
「オヌシならば、傀儡と化した私を打ち破り、なお敵を倒すだろう……そんな身勝手な信頼を、オヌシに押し付けざるを得なかった……!」
わかってんじゃないのよ!!!
わかるんですけどね、フジキドさんは考えに考え抜いて、マスラダくんに迷惑をかけるだろうし嫌な顔もされるだろうというところまで覚悟したうえで「それでもなお」の信念をもって今ここに至っているということはわかるんですけどね。でもその割にはちょっと言い訳がましいですよね。
「いちいちうるさいぞ! イヤーッ!」
言われてるよ……爆笑
申し訳ないけど容赦なさすぎて笑うしかない。
◆
踵で黒炎を爆ぜさせながら、ニンジャスレイヤーは段階的に加速する!
この文章めちゃくちゃかっこよくて好き!!
「ここまでおれをナメくさった奴に、おれが何をするか。できない想像でもしておけ。遠くから見下ろしている貴様には、それがせいぜいだろう」
マスラダくんの煽り力が相も変わらず絶好調。
この短いセリフの中に「想像力の欠如をあげつらう」「直接手出ししない卑怯者だと煽る」「どうせお前はこの先も考えをめぐらすだけで何も行動できないと揶揄する」「そんな遠くにいたらどうせ何もできない、せいぜい俺にやられっぱなしになっていろと見下す」「絶対に殺す」という多種多様な罵倒を絶妙な配合で混ぜ込んで効かせてるのあまりにも強い。罵倒の調香師かな?
フジキドさんは主に懇切丁寧に相手の心を折ったり、痛いところをついて逆上させたりするために罵倒話法を使いますけど、マスラダのはシンプルに殺意と煽り力が高くて別の怖さがありますね。レスバに強いニンジャは強い。
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というわけで、狩人唯一の良心、メイヘムさんとの決闘がついに始まるところで引き。
カリュドーン編の中では比較的静かな展開のエピソードでしたが、マスラダが己の成した芸術に向き合い、ザナドゥという友を得て、タキは姉のトラウマを克服するための一歩を踏み出し、ナンシーさんはインターネットの達人リアルニンジャというかつてない難敵に挑み…と、重要な要素が盛りだくさんだったと思います。
次回はいよいよメイヘム戦!
それでは今回はここまで。
また次の記事でお会いいたしましょう!
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次の感想はこちら。
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