ニンジャスレイヤーAoM感想／Ｓ５第１話【ステップス・オン・ザ・グリッチ】
こんばんは。初めましての方は初めまして、お馴染みの方はお久しぶりです！ 望月もなかです。スズメバチの黄色→AoMシーズン１の順で忍殺を読んで感想を書いている人です。山形豪雨でしぬかと思いましたが奇跡的に無事でした。被害に遭われた方が一日でも早く日常に戻れることをお祈りしております。
気を取り直して。
AoMシーズン５の連載開始から約半年。そろそろ感想をまとめていきたい気持ちになったので、記事を再開します！
なおシーズン区切りに伴い、タイトルをスリムにしました。まだトリロジー読破できていないのですが、さすがにもうＡｏＭだけ読んでる人ではないので……もちろん三部も並行して読んでいきますね。
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◇前回更新分：シーズン４【エピローグ】◇
◇年末年始与太だと思っていたらＳ５の幕間だった話◇
【前提】望月のニンジャスレイヤー知識
・書籍第一部を３巻まで（中断）
→６年経過（ほとんど内容を忘れる）
→2019年、『スズメバチの黄色』で復帰
→AoMシーズン１〜３＋後、PLUS加入
→AoMシーズン４以降はトリロジーと並行読書中（現在：物理書籍15巻）
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今回のエピソードはこちらです。
シーズン５「ステップス・オン・ザ・グリッチ」
重金属酸性雨に煌びやかなネオン看板が滲む。ここは電脳都市ネオサイタマ。繰り返す日常の裏で超人ニンジャが暗躍していることを、人々は知らない。だが……日々の一歩向こうに、彼らは「いる」。
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世界全土を電子ネットワークが覆いつくし、サイバネティック技術が普遍化した未来。宇宙植民など稚気じみた夢。人々はサイバースペースへと逃避し、重金属酸性雨のメガロシティに生きる。神殺しに沸くメガコーポ群は、割れた月へと手を伸ばす。……ここはネオサイタマ。欲望渦巻く電脳犯罪都市だ。
いつもの序文（これ正式名称あるんでしょうか？ 『指輪物語』の「影横たわるモルドールの国に」みたいなやつ）だ！ 興奮します。
シーズン２～４まではありませんでしたよね。シーズン５になって再びこの序文から幕を開けるの、「ニンジャスレイヤーのマスラダ・カイ」がひとつ節目を迎えたと改めて示されたみたいで感慨深いです。
シーズン４で予告編のフジキドｖｓマスラダが回収されたこともですが……私はむしろ、（復讐を終えたフジキドが、手探りで第二の人生を模索し始めた）トリロジー第三部の空気を感じます。マスラダ・カイが復讐の旅を経て故郷に戻り、アートと否応なしに再び向き合い、「やってもいいのだ。おれも。」の精神を思い出したことが大きいのかなって。ようやくマスラダくんが「物語装置としてのニンジャスレイヤー」として登場できるようになったんだなあ、と思います。
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神殺しに沸くメガコーポ群は、割れた月へと手を伸ばす。
の一文が面白かった。
シーズン３でタイクーンを暗黒メガコーポ連合「UCA」が打ち破ったり（表向きには）、シーズン４後にKOLがケイムショを（コンサルタントの計略で）打ち破ったりしたことで、AoMの世界観にも変化が起きたってことですよね。
人はいつの時代も欲望の奴隷。「神話の生き物も殺せる」と学んだ人間はどこまでも貪欲になれる……と深刻な顔をしようと思ったのですが脳裏によぎる神話生物がブログに反応がなくてメソメソ泣いてるポンコツブロガーお姉さんなのでだめ。かわいいね。
人々は知らぬ。街が邪悪なニンジャ組織に蝕まれていることを。
そしてニンジャを殺す者……ニンジャスレイヤーがいることを……！
マスラダくん……！新たな出発だよマスラダくん！！
タイトルとシーズンが出てきたところで感極まってしまいました、既に泣きそう。赤と黒のサイリウム振ってる！！
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「ニンジャ即ち自由。力は法にまさる。ゆえに弱者の財は好きにしてよいのだ」
絵にかいたような邪悪ニンジャの登場で笑ってしまいました。逆転裁判のアウチ検事めいてあまりにもわかりやすい入門エネミーである。
彼はフードを目深に被り、鼻と口をクロームのメンポ（面頬）で覆っている。
ぎっしり詰め込まれていたコーベイン（註：小判。黄金の平型インゴット）が溢れ出た。
シーズンの始まりだからか地の文さんもだいぶ親切！ ありがとう！！
上空を飛ぶマグロツェッペリンの光がベランダを撫で、赤黒の影がさやかになった。メンポには「忍」「殺」と刻まれていた。
二者の視線が衝突した。KRAAAASH！ 極度スローモーションの視界下、二者を隔てていた強化ガラスがたわみ、粉々に砕け、互いの間にキラキラと飛び散った。
この文章良すぎる。
各シーズン最初の、モノクローム風景によぎる赤黒の描き方がいつも好きなんですけど、今回も良かった～！
シーズン４の「七色のペンキに、黒い墨」が顕著ですが、マスラダくんのシーズン初登場シーンって、わりとそのシーズンの「ニンジャスレイヤー」の在り方を凝縮して書かれてる気がします。だから今シーズンは、ガラス越しに影が映るようにちらちらと見え隠れしながら、やがてガラスがたわみ砕け割れる瞬間を待つような構成なのかな？と思いました。この記事を書いている現在、シーズン５は第５話まで連載中ですが、実際そんな感じですよね。マスラダくん視点ではなく、部屋の中の誰かが窓の外に立つ赤黒い影に目を留めるような……。ガラスが割れるのはいつでしょうか。楽しみです。
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ところでいつもの謎看板シリーズ「ツヨシと、モーな田！」が連載版（モーな太）とnote加筆修正版（モーな田）で修正されていて笑ってしまいました。大事なところなんですか？
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壁でニンジャをすりおろすマスラダくんの戦い方、ほんとにひどい。
読んでるだけで痛いよー！
♯１
アルカナム社勤務のサラリーマン、イサムラは「勝ち組」であった。規則正しい生活、恵まれた労働環境――犯罪暴力とは縁のない上流生活は、非現実的ですらあった。
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"犯罪" が、ネオサイタマを侵食しつつある。
シーズン５最初のセクションがこの一文から始まったの、今読むと示唆的。今シーズンで立ちはだかるのがハンザイ・コンスピラシーである暗喩かな？考えすぎ？ 前シーズンが第１話でバーン！七人の狩人！と倒すべき敵を一気にお出してきたのに対し、だいぶ静かな立ち上がりです。
乗り付けた黒漆塗りのリムジンが、嫌がるオイラン、さらには通りがかった市民をも構わず車内に詰め込み、走り去る
なぜ通りがかった市民まで連れ去ったの……。
ネオサイタマってほんとサイテー。許せないですわね。
「ネオサイタマ治安時計が、とうとう残り２分に」。悲劇的な状況であった。『これが意味する所、わかりますね。終わり寸前です』
ネオサイタマ治安時計ってなんだよ！！
寸前じゃなくてもう終わってるんですよ。現実を見てほしい。もうとっくに夜中の12時を5回くらい余計に回ってますからね。シンデレラは第五王子まで重婚するしガラスの靴は在庫切れ！そのくらいの終わり感！
高架下のスラム街では、オムラ・エンパイアの機動警察法人、ロクハラによる強制立ち退きオペが行われている。四脚歩行兵器モーターマンモスと機械化重装
四脚歩行の……何？
モーター……何ですって？？？
……オムラと私、そろそろ決着をつけるべき時に来ているんじゃないかと思うの。決闘の手袋だ受け取れッ！ 参勤交代じゃないんだよクソが。だいたいKATANA社は何やってんの！ せっかく治安維持を独占してたっぽいのに怠慢じゃありませんか！？ キモンもキモンだよ！ シマ荒らされて情けないとか思わないんですか？ そんなだからオムラ如きの拡大を許すんですよ！！ あとマンモスは原始時代の氷河期に帰れ！！！！
ハァ、ハァ、オムラと私の心の戦いは続く
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やむを得ない迎撃砲が地上へと着弾。その砲弾は何故か、オムラのスラム整地部隊へとピンポイントで命中し、大爆発を引き起こす。
どいつもこいつも欺瞞欺瞞欺瞞！ ほんとにネオサイタマって最悪だよ！ でもマスラダくんはこの都市を愛してるんだよね！？ じゃあいいか！（やけくそ）
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いや真面目な話……ほんとにネオサイタマって治安の終わった最悪の都市なんですけど、同時に物語の舞台としてこんな魅力的な街はないんですよね。どんな人でもモノでも受け入れる土壌があり、どんな欲望でも存在を許されて、いくらハチャメチャをやっても壊れることなく、何度壊滅の危機に瀕してもしぶとくへこたれず、都市そのものに自我と生命があるかのように人々の営みが続いていく。
個人的にはオムラの社風が苦手で毛並みを逆立てていますが、じゃあ彼らが完全排除されるのってネオサイタマらしいかといえばむしろ逆で……でもロクハラはともかくモーターマンモスを許せるかというとそれは別の問題で…私は…私は……ッ
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♯２
旧友からの羨望の眼差し、恋の予感。真夜中に浮かれ帰宅したイサムラを待っていたのは、クローンヤクザとアルカナム社のサイバネ尋問官であった！
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脳を効率よく役立てるには、１時間勤務ののち１時間休憩というサイクルが推奨されるのだ。
いいなー。私もこのサイクルで仕事したい。
自分用の盆栽があるの謎ですが……
……でも職場に自分専用の小さな植木鉢があってお世話休憩タイムがある、と考えるとちょっといいかも。植物を育てるのっていいですよね。種をまいて芽が出た瞬間のうれしさ、好き。
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「皆！ イサムラ＝サンとマミコ＝サンが、いい感じです！」「コンプライアンスだぞ！」かなり酔った同級生が二人を見咎め、囃し立てた。
「コンプライアンスだぞ！」、実況の汎用性高そうなセリフ。
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「酒臭いな？ お前」（略）金髪のマレットヘア、サングラス、肩パッドの厚いジャケットが特徴的だった。
尋問官ルシンダさんが登場。
マレットヘアを調べたら最近また再流行している髪型のようでした。でも肩パッドの入ったジャケットとわざわざ追記しているあたり、ルシンダさんの恰好は昔ながらのものっぽい？
かっこいいですね。
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「……おじいちゃん……！」『そうだよ、コーゴ！ お前、今日同窓会だったんだって？ 元気でやっているか！』
イサムラさん、あんなにコンプライアンスしてるのにおじいちゃんの呼び方は変わらず「おじいちゃん」のままなの良さみがすごい。おじいちゃん子だったのかな。
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ニンジャスレイヤーはカメラの存在を即座に察知し、見上げた。ジゴクめいた眼差しが焼き付き、１秒後、映像は失われた。
マスラダくんのカメラ破壊ビーム好き。
でもこれ、原理がいまいちわからないですよね。ただの演出と見せかけて、何か裏があるのかもしれない。ないかもしれませんが。ちょこちょこ出てくる、ニンジャスレイヤー情報喰い虫のことも同じように疑ってます。
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♯３
日常は崩れ去った。イサムラは必死に無実を訴えるが、一顧だにされない。泣き叫び抵抗する彼の記憶を遡る尋問官ルシンダは、陽性反応を検出する。
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「法だと？」ルシンダ尋問官の口角が動いた。「我が社の社内規約は、あらゆる都市法に優先する。そんな事ではコンプライアンス意識が思いやられるな（略）」
おかしいよこの世界マジで！！
そんなわけがないじゃん！そんなの法律の意味がないじゃん！！
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クローンヤクザAED、いやすぎる。コトブキAEDがいいです（ハッ……DZさんってAED使える？ときめきの導火線が着火した！バチチチチ）
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「ドーモ。イサムラ＝サン。パイドパイパーです」
バイド・パイパー＝ハーメルンの笛吹き男ですね。
ギニョル・ジツは、ギニョール（人形劇）から来ていると考えてよさそう。
ギニョール［仏 guignol］…指人形の一。人形の袋状の胴体に手を入れ、指を首と両の部分にさしこんで操る。また、その人形を用いた人形劇。
だそうです。へー。
そこは、アルカナム社屋の屋上であった。（略）パイドパイパーは社屋の上でマイを舞うように身体を動かし、垂直直下、社屋内のイサムラの身体を操作していた！
アルカナム社のセキュリティ、ガバすぎじゃありません？
屋上くらい立ち入り禁止にしておきなよ。
”この一週間” とパイドパイパーは言った。その期間中、パイドパイパーは（略）たびたび屋上に侵入し、ニューロンを乗っ取るようにして犯罪行為の片棒を担がせていたというのか！？
たった１回とかじゃなく何度も侵入してたってこと？
１回目で検知してその後は同存在を弾くとかもなく……？
えっ…アルカナム社のセキュリティ……ガバすぎ……？
北米本社の治安基準でセキュリティを構築しているからこんなにガバいのでしょうか。ネオサイタマの治安時計が１２時越えてることをご存じでない？ 甘く見てもらっちゃ困りますよ。
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「貴様が理不尽な運命というわけか」赤黒の影は、低く、だがよく通る声を放った。
マスラダくんの声帯情報興奮する……はぁ、はぁっ
【キタノ・アンダーグラウンド】でも同じような表現ありましたよね？
ニンジャスレイヤーは驚くほどよく通る声を発した。「見物している貴様ら！……死にたいなら、何かやってみろ」
ホホホ……ホホホホホホ！！（読み返して興奮している！）
ＡｏＭ、短編でいいからボイスドラマ化してほし～～～！！
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♯４
恐怖のあまり尋問官から逃走したイサムラの前に現れたのは、己を操りスパイ行為を強いていた恐るべきニンジャであった。バイドパイパーと名乗ったニンジャは、あろうことかすべての罪をイサムラに着せて殺そうというのだ！ 万事休すと思われたその時……！
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アイサツの丁寧な解説が入っている。
やはり新シーズンの第１エピソードは親切さが違う。（古事記の解説はない？）（ないね）
鋼よりも硬くしなやかなバイオバンブーを加工した笛は、ニンジャの手に携えられれば、汚職治安警察の警棒の千倍恐ろしく致命的な武器となる。
比較対象がなんか……汚職治安警察って単語自体が自己矛盾じゃない？ 頭を抱えてしまう。ところでここまで何の疑問もなく読んできたのですが、冷静になるとバイオバンブーって何？ いわゆる「普通の竹」のことでいいんですよね？ 違うか、忍殺世界においてはバイオの対義語がオーガニックだから……ヨロシサンによって汚染されてる竹……？
考えてもしょうがなくない？そうだね
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「愚かな！ 取るに足らぬ弱者には何をしてもよいのだ！ お節介な憐憫が理由か？ そんなものは……」「だから、おれが貴様を殺す」
マスラダくんレスバ強すぎ。好き。
つまりこれ「貴様はおれにとって取るに足らぬ弱者だ」と言ってる。ＬＯＶＥすぎ。
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（前略）平安時代においては実際、ギニョル・ジツの笛を用いる格闘催眠暗殺師の集団が、雅なハイク・セレモニーの場で血生臭く立ち回ったものだ！
まったく平和でも安らかでも雅でもなくて笑ってしまう
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ニンジャスレイヤーはアルカナムの二人を見た。挑むように、（こうなったが？）という確認を目線に込めた。
傍若無人な猫すぎる。
コラ！って叱ったら一瞬止まるけど、その後くわえていた（任意の狩ったらだめなもの）をそのまま嚙みちぎり、もう一度（こうなったが？）と見上げてくる猫。
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彼らの視線は火花を散らすかのようだった。「ああそうだ、面識があった筈だな」ビル・モーヤマの言葉に、ザルニーツァは短く頷く。
マスラダくんには悪いけどザルニーツァさんに同情しちゃう。その節はマスラダくんが大変な無礼を働き申し訳ない……という気持ち。ザルニーツァさんのバイクもパクったままだし…
ビルさんも上役として苦労してそうですね。
シーズン３でトムさんの減刑に根回ししてくれたので、私的には好感度が高めです。板挟みに負けず頑張ってほしい。
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「これは私の勘だが、いずれ我々は……」「イヤーッ！」
ニンジャスレイヤーはカラテシャウトをひとつ残し、高く跳躍、壁を蹴って屋上の向こうに消えていった。
マスラダくんちょっとはお返事してあげて！？ かわいそうだよ！
交渉が通じないにもほどがある。コルヴェットさん呼んでこないと。
詩人魔術師さん、今はドイツなんでしたっけ。
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なんだかシーズン５って、トリロジーに近い読み味ですよね。
ネオサイタマに生きる人々、その道行きに不意に現れる理不尽の権化＝ニンジャ。それを殺して去っていく死神「ニンジャスレイヤー」。このパターンのエピソードでは、物語に必要不可欠な「変化」がニンジャスレイヤーではなく、視点人物に訪れます。
AoMになってからはサツガイを追うマスラダくんとピザタキ一行の冒険をずっと追ってきたので、このタイプのエピソードは珍しかったです。シーズン２の【ポッシブル・ドミネイション】（少年ジェシとリロイの視点）、プレシーズン４の【ライオット・オブ・シンティレイション】（グラフィック・アーティスト、ザナドゥの視点）くらい？ まったくなかったわけではないのですが……
このタイプ（ゲストキャラ視点から見た「ニンジャスレイヤー」）のお話が描かれるようになったということは即ち、情緒不安定で己の立ち位置が確立できていなかったマスラダ・カイが、ようやく心身ともに安定してきた印でもある。AoMという物語が、ようやくマスラダ・カイ自身の変化を書く縛りから解放されたともいえます。
タキと出逢った当初の、不安定で猪突猛進なマスラダではとても描けなかったエピソード群、沁みます。思えば遠くへ来たものです。
◆
マルノウチ・スゴイタカイビルの高層階レストランに彼女を誘おう。（略）あのビルはアーティスティックにリニューアルされて、なかなかデートスポットとしてクールだ。
ヴァーーーーーーーーーーッ！！！泣！！
カイとザナドゥのコラボアートの記憶が……今もネオサイタマに残り続けてる（涙）！！
「いいから。そうやって安心しきってると、足元掬われる事もあるんだよ。犯罪時計がさ……」『なァーにが時計だよ！ 全く！
ほんとですよね。
何が犯罪時計だよ。ちゃんと犯罪指数も測れないくせに…時計屋さんにネジ巻いてもらってきた方がいいよ
◆
非日常への陥穽が扉一つ隔てた間近にあることを知りながらも、退屈で非現実的な日常へ歩み出していくイサムラさん。それが生活で、人生。大丈夫じゃなくても、言葉だけの空疎な励ましでも、大丈夫だと唱える限りは大丈夫なのだ。
シーズン５の開幕にふさわしく、とてもいい話でした。すごくよかった！
◆
今回はこのくらいで。
長いね！
でも前後編に分けるほどじゃなかったから……（すみません）
おまけ
いつものおまけ。手書き感想ノートを端末カメラで撮っただけのやつです。iPadくんが進化しカメラに「書類をスキャン」機能が追加されたのでだいぶ楽になりました。技術の進歩最高。
内容は記事とはほぼ同じですが、取り上げそびれた細かな感想メモや、こんな感じの
ちまちましたノート隅の落書きがたまにあります。
補足代わりにどうぞ。
◇
さて。今後の感想記事のスタイルなのですが、前シーズンで試行錯誤した結果、実況でふんわり楽しむ→少し経ってから全セクション版で再読し、感想記事に起こすスタイルが一番やりやすかったので、基本的には今後もそれでいきます。ただ、シーズン５は昼連載が増えた＋短編エピソードが増えたので、単純に実況できてないこともあります。その場合は、普通に直後にまとめ読みして即感想、のスタイルになるかもです！
ともあれマイペースにまたやっていきますね。ではまた次の感想記事でお会いいたしましょう！
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