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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_17「テンペスト・オブ・メイヘム」(前)
こんばんは。AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
冬になったので猫がいそいそと膝に乗ってきます。猫は幸せそうですが、6kgの猫抱き拷問により人間の太ももは限界です。獣医師さんによればちょっと太り気味らしいので、人間と猫双方のためにもダイエットさせようと決意しています。がんばります。
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前回の感想はこちら。
【前提】望月のニンジャスレイヤー知識
・書籍第一部を3巻まで(中断)
→6年経過(ほとんど内容を忘れる)
→『スズメバチの黄色』読了
→AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
→AoMシーズン4実況+旧三部物理書籍12巻(今ここ)
◇◇◇
今回のエピソードはこちらです。シーズン4 第7話。
シーズン4:「テンペスト・オブ・メイヘム」(前)
マスラダは、ザナドゥの指し示した光景に言葉を失った。己のオリガミが、緑の影響を確かに押し留めていた。ザナドゥがオリガミを中心に据えたグラフィティを描けば、さらに有効範囲を広げられる……ならば、もっと高く、ネオサイタマ全土に届く場所へ。ネオサイタマ中心部、緑の靄をさらに睥睨する遥か高みに、沈黙の廃墟はなお燦然とそびえたつ。カスミガセキ・ジグラットに新たなオリガミを生み出すべく、狩人メイヘムとのイクサが始まる!
♯1
思ったとおり、マルノウチ・スゴイタカイビルがアヴァリスさんの玉座になってました。ということは、シーズン4の最終決戦は、ニンジャスレイヤー因縁の地にて行われるのでしょうか。
マスラダ・カイがニンジャスレイヤーになった場所、アユミと人生が分たれてしまった場所。シーズン3【ナラク・ウィズイン】にて、マスラダをして「これはおれだ」と叫ばせた、先代当代ニンジャスレイヤーどちらにとっても因縁の地……ニンジャスレイヤーがかつてのアーティストたるマスラダ・カイと再会するのに、これ以上の舞台はないように思えます。
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ところで唐突に登場したセト配下三名は練度の高い手練れである、と、さりげない描写(雑談中に敵の気配がした瞬間、罵声ひとつ上げず、滑らかなカラテ姿勢をとり迎撃する)でさくっと伝える箇所の筆力がすごい。ボンド・モーゼズ、小説がうまい。一方でユダンナキさんの謎ネーミングが気になって話に集中できない。弄ばれている。
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ついにメイヘムと対峙するニンジャスレイヤー、今度こそは邪魔の入らない高純度のイクサが見られそうでドキドキします。
この地は相当な標高だ。二者の周囲には靄がかかり、雲海は黃金の光を受けて、この世ならぬ美を現出せしめていた。
文章がうまい。
と思っていたのに、続く
天に突き立つホロ・ノボリがノイズに乱れ、やがて、厳かな『メイヘム』『ドクノキバ』の漢字を灯した。
で荘厳な空気が一瞬にして弛緩しました。そういうのやめてよ!(机バン)
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研ぎ澄まされた力と意志のぶつかり合い!興奮します!
ニンジャスレイヤーの心臓が強く打ち、さらなる打撃を受けてジグラットから転落するヴィジョンが迫った。
否! ニンジャスレイヤーは否定した。転落のヴィジョンは背中から虚空へ吹き飛ばされ、ジグラットを落ちていった。
文章キレッキレで最高〜〜! 素晴らしい!!
これまでのvs狩人戦、外部の茶々が入るとか市民を巻き込むとか親が介入するとかそんなのばっかりだったので不思議な清々しさすら感じます。コンヴァージ戦も大興奮でしたが市民の巻き添えがすごかったですし…純粋に一対一でバチバチカラテできたのって、vsマークスリー前半戦と最終盤くらい? 半分もないのですが。ほんとこの儀式クソだよ!
◇◇
♯2
狩人と獣が衝突するたびに生まれるエネルギーは、始祖カツ・ワンソーを完全体とするべくセトによって盗み出されていた。メイヘムとの鬼気迫るカラテ応酬もまた、始祖の影アヴァリスに供される一皿に過ぎないのか……
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ティアマトは玉座の肘置きに腰掛け、アヴァリスを試すようにしなだれかかった。そして胸板に指を這わせた。アヴァリスはただ笑い、されるがままにした。
フジキド家妻子の墓標が、アヴァリスさんとティアマトさんによって全面モザイク成人向け空間になってるんですが。なんてことだ。
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特に、狩人メイヘムを代理戦士とするアイアンコブラのアトモスフィアは、石碑を割ってしまわんばかりである。
総帥落ち着いて!www
『しかし僭越ながら、ここでこのまま押しきれぬのが、あのニンジャスレイヤーの厄介なところよ。(略)応援の手は緩めぬがよかろう、アイアンコブラ=サン』『当然だ。我がキアイはメイヘムを勝たせる(略)』
「応援の手」が言葉通り「応援」そのままの意味で使われてるの、石碑会議参加者の中ではアイアンコブラ総帥だけなんですよね。どいつもこいつもさぁ!
しかし「新たな狩人の準備」とか言ってましたけどセトにもまだ狩人選定の権利があるんです?
◆
「ミーイイー」さながら茶器のデーモンである。
は?
茶器なら黙っていろ。
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ナンシーは偽装をリアルタイムで上塗りし続けた。祈るように。セトは片手をかざす。そして……!
『ところでセト=サン! つかぬことだが!』
ギャラルホルンがセトを呼んだ。
ギーッ! ケイトーさん絶対ナンシーさんの動きに気づいてるでしょ!
何を企んでいるんだ!! ウーガダル=サツバツナイトだって明らかに気付いていたくせに嘘ばっかりついて! でも喋るたびに読者に(こいつ嘘ついてる!)って思わせる人物描写が巧みでここはマジですごいと思う!
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なんで地底深くの総帥にLANケーブルが接続されているんだろう。
深く考えてはいけない?
いやでも……おかしくない?
◇◇
♯3
12歳のメイヘムにとって、味方は物狂いの老婆ひとりきりだった。老婆は言った。お前は高貴な血を引いている。そうだったのかもしれない。なればこそ、飛び交う銃弾のなか、彼女は生き残ったのかもしれない。ニンジャになったのかもしれない。古い皮を脱ぎ捨てたとき、力なき孤児の少女は、無限の時を生きる高次存在になっていた。
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冒頭300字足らずでメイヘム過去編に情景付きでガッと引きずり込む筆力が素晴らしく、すさまじい。『ニンジャスレイヤー』の真骨頂ですね。
彼らの滑稽さをメイヘムは笑った。撃たれながら前進し、死ぬたびに、新しい自分が生まれ、死体を過去に剥ぎ捨てる。
蛇の脱皮を暗示させる表現で、宿ったソウルの性格を読者に見せるのも小説がうますぎるんですよな。
もがく二人の頭蓋骨を己の握力で砕いて殺した時、メイヘムは今とほとんど変わらぬ姿にまで成長していた。痛めつけられる事も、搾取される事も、騙される事もない、力ある大人になっていた。
子どもと大人……その埋めがたい溝を、千尋の谷を一瞬にして満たすエネルギー、それがニンジャソウルってこと……
古代ニンジャ文明の遺跡
それはそれとしてニンジャ遺跡とか意味の分からない単語は認められないかな……
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メイヘムさんって名実ともに総帥の一番弟子だったんですね。溺愛っぷりにも納得。でもだからって娘溺愛セコンドおじさんみたいなことするのはちょっと大人げないかなぁ!
『相手はくだらぬ、卑しい獣だ。高貴なるコブラの戦士よ、遊ぶでない。殺すのだ……!』(((卑しい獣と言うたか、下郎))) アイアンコブラに、超自然の声が応えた。
ナラクちゃんも大人げないんじゃないかなあ!!
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おじいちゃんたちが場外乱闘(口喧嘩)始めちゃうのさすがに笑ってしまいました。やめなよみっともない!!(笑)
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人型の炎じみて輪郭を燻ぶらせながら、ニンジャスレイヤーはヒビ割れたメンポを指先でなぞって溶接し、溶けた鉄の飛沫を足元に払い捨てた。まるで唾を吐くように。
びょえ~~~~かっこいい!!!!
メンポを指先でなぞり溶接はさすがにこうあの性癖があの最高でかっこいいが興奮もして私は
メンポで口が塞がれているかわりに溶けた鉄を唾液に見立ててるの天才の所業じゃありませんか!??! 最高~~~~~~~!!!!!!
と興奮したところで少し短いですがいったん区切ります。
エピソードの内容的に今エピソードの記事も三分割になる予定です。
次回もあまり間はあかないと思いますので、次の記事でお会いいたしましょう。おやすみなさい!
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次の感想はこちら。
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