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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_8「マスター・オブ・パペッツ」(後)
こんばんは、AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
蝉が玄関前で死んでいて、蟻が集まっていました。なぜか砂粒大の小石を一生懸命運んで、死骸の下に積んでいるんですよね。何してるんでしょうね。ついに八月、すっかり夏も折り返しです。麦茶を飲んだり枝豆を茹でるなどして乗り切りましょう。
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前回の感想はこちら。
【前提】望月のニンジャスレイヤー知識
・書籍第一部を3巻まで(中断)
→6年経過(ほとんど内容を忘れる)
→『スズメバチの黄色』読了
→AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
→AoMシーズン4実況+旧三部物理書籍4巻(今ここ)
◇◇◇
今回のエピソードはこちらです。
シーズン4:「マスター・オブ・パペッツ」(後)
第三狩人マークスリーvs.ニンジャスレイヤー! 塔屋上の決闘は初手から熾烈を極める。至宝を破壊されかねないと感じたマークスリーは、あえてカタナを鞘に納めた。黒炎を前に光り輝く美少年。英国式チャドーが今、謎めいたベールを脱ぐ……!
♯7
謎の紅茶歴史解説が始まったよ。信じませんからね。
バリツが伝承されていない理由までチャドーで説明するんじゃありませんよ。虚構を虚構で上塗りするな! 世界が虚数で崩壊する!!
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(スウー……ハアーッ……)マークスリーは口を開かず呼吸し、五段のケーキスタンドに配された五大エレメント膳を最小限の咀嚼によって順に摂取していった。
フ〜ン、今日この日から、私はアフタヌーンティーセットを見るたびにこのシーンを思い出すことになるってわけ……許せないでございますわね。
いつか仙台でホシヤマ珈琲店アエル店のアフタヌーンティーセットを頼むのが夢だったのに。崩れ落ちている。おれの夢を虚数色の油彩で塗りつぶすな……
◆
リトル・イデアの型で捌こうとするもマークスリーの英国式チャドーに後れを取るニンジャスレイヤー。このシーン、間接的に「今のコトブキちゃんではマークスリーを殴れない」という証のようで唸ってしまいました。日々の鍛錬で練り上げたひとつの型、しかし、殴りたい男を殴るには、まだまだ修行が足りないのだ……!
そして立会人でありながら、不本意にもイクサの流れを止めてしまったコトブキちゃん。これは痛恨ですよ!
言い返そうとした彼をコトブキは遮った。「覚悟を決めた戦士の顔ですね」「邪魔をするな」「勿論、しません。わたしはそこらの使えないチキン野郎みたいに喚いたりしません」
【アルター・オブ・マッポーカリプス ♯6】より
このくだりから想像するに、コトブキちゃんは戦闘に余計な茶々を入れたり、決闘の邪魔になるタイプのヒロインに(使えないチキン野郎です! 私だったら絶対しません!)とプンスカしながら映画を観ていた子なんじゃないかと思うので……わざとじゃなくても似たようなことやっちゃったのは、ドチャクソ痛いですよね……。ああぁ……。
けれど、結果的にマークスリーの騎士道がニンジャスレイヤー&コトブキに示されたのは大きかったんじゃないかと思うんですよね、ここ。
◇◇
♯8
激しさを増す攻防は雲を巻きこみ、激しい竜巻を呼び起こした。稲妻が閃き、塔は豆腐めいて砕けた。落下する中空で、コトブキは地上に展開するKOL軍を目撃する。一対一の神聖な決闘など欺瞞であった!
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見損ないました、マークスリー=サン!
ここで口をつく言葉が「見損ないました」なの、マークスリーちゃんの信頼はまだ完全には失われてない! よかった! という気持ちになりました。「見損なう」って相手の美点を僅かなりとも認めている/認めたい気持ちがあるときにしか出てこない言葉だと思うので……まだ仲直りの芽が完全に枯れてしまったわけではない! 頑張って生き延びてほしいです。
コトブキちゃんのスカート、チャフやらジェットパックやらが次々出てきて楽しい。機能的じゃないデザインのドレスにたくさん仕込んできてるコトブキちゃんかわいいね。
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ギャラルホルン(ケイトー)の「歴史を紐解かれよ。類似の事案を確認されたし」が明らかに分かってて言ってる。コノヤロー。どうせその前例も自分の偽名で作った自作自演なんでしょ!
ギスギス発生リモート会議、メイヘム絶対勝つbotのアイアンコブラさんだけが癒しです。こんなに信じてるのにメイヘムさん負けちゃったらどうなるのかな。見たいな(酷い)。
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「コイツらは何だ!? 何故KATANAが手出ししてくる」走りながら彼はニューロンに呼びかけた。『探りを入れてる!』
ア゛ア゛アアアアアアアァァァア゛アア!!!!
あああああああ……はぁ、はぁ、実況でものたうち回っていましたが何度読んでも直撃を食らってしまう、あのさあ、何でマスラダはさぁ!? タキがリアルタイムで自分の状況を追っておりいつでもオペレーションできるように待機している前提で話しかけてるんですかァ!? 甘えすぎなんじゃないんですかあ!!?
そして実際にオペレーションできるように万事動いてて即応答するタキもタキなんですよおおおぉ~~~~~~あああああああああありがとうございます~~~~~~~~!!!
だってそんな、深夜ですよ深夜、しかも決闘の挙句に塔が崩壊するなんて普通は想像もつかない状況ですよ。だっていうのに塔から落下した直後に前後すっ飛ばして「コイツらは何だ!?」って走りながら呼びかけるマスラダ、もうこれタキが見てること前提じゃないですかピザタキが事前に入念なブリーフィングを行ってから決闘に向かっていることがこのやりとりで完璧に証明されたんですよ!
タキさんも情報引っ張ってくるのが速い! 前半の誘拐事件といい、情報屋タキの優秀さがわかる動きがいっぱい見られて嬉しいです。タキさんってハッキングの腕は二流かもしれませんけど、各所から関連情報を寄せ集めて真偽を取捨選択し推論を現実に近づけていく腕前が実にすばらしいですよね。さすが混沌の都ネオサイタマで「情報屋」の看板を掲げる男だよ! 好き!!!
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『いいか、オレの高い知能指数でスゲエ考えたけどよ。(略)これが市街地まで発展して市民の騒ぎになりゃ、いかにKOL支配地域だろうがネット炎上……株価にダメージだろ?』「つまり?」 『クソ庭園を出て市街地に行け。状況を変える。タレコミは任せとけや!』
アアアアアアアアアアアアァァァァアァ無理です!!!!!!
だめ!!! 何度読んでもニヤニヤしちゃう!!! アーー!! マスラダがさぁ返事しないのもいいんですよね!!!!!!! 「任せとけや」に対して「わかった」とか「おまえに任せる」とかそういうのがないの! ただ「イヤーッ」て地を蹴り市街地へ向かうだけっていう、そういう……「YES」すら不要な関係になってるのもう無理!!! 正気がダメ!!! 動悸息切れヨロシサン!!!!!
コトブキちゃんの駆るシグルーンの後部座席に跨って、タキのナビゲーションで乱戦を潜り抜けるピザタキ組……マスラダの代わりに景気のいい捨て台詞を残すタキ……チーム戦……動機息切れヨロシサン……
シーズン3『ドリームキャッチャー・ディジタル・リコン』のチーム戦も大興奮でしたが、それがこんな……今回はホームグラウンドのネオサイタマ市街地で、より信頼を強固にした三人が心をひとつに戦っており……私はずっとこういうのが見たくてさ……。感無量ですよ……
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コトブキちゃんの「あとでブン殴ってやる!」宣言大好き!! 渾身の力でブン殴ってあげてほしい。 ブン殴られるまで死んだらだめだよマーくん!!
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『オイ! そのパンヤンドラムはオレに任せろ!』唐突にタキが言った。
くっ殺状態ですわ
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ついででボーナス点してもらいたかったタキさん可愛くてすごい興奮した。フーン……おまえ、おれからボーナス点ほしかったんだ? 意外とカワイイとこあんのな(顎クイ)(少女漫画の俺様彼くん)
満を持してのレッドハッグ姐さん!! 超かっこいい!!! お会いしたのはAoMの飲んだくれシーンだけなので、ベテラン姐さんの戦闘シーンすごく楽しみです!
『そのネエチャンはニンジャで、賞金稼ぎだ。完全にオレのコネクションの力だ!』
いやでもマジでタキのコネクションの力なので、マスラダ・カイは一度真剣にボーナス点を検討すべきだと思いますよ。レッドハッグ姐さんのことはまだよく存じ上げないですけど、歴戦のベテラン傭兵なことだけは知っています。その彼女が底辺接客のピザ屋に何日も長逗留していたのは、ベテランの彼女が(!)「情報屋ピザタキ」を信頼に足る情報源だと判断したからに他ならないわけです。もしくはあの緩い空間が居心地良かったからなのかも。
どちらにしても、訪れたきっかけはニンジャスレイヤーの情報だったかもしれませんが、(マスラダは長らくピザタキに訪れていなかったわけですし)ニンジャスレイヤーを理由にピザタキに居座ってたわけじゃないんですよね。ベテランなればこそ、セキュリティ意識があからさまに甘かったり、信頼性が低い情報屋だと感じた時点で二人はピザタキを離れていた可能性も高いです。フジキドさんの情報はとっくに渡しているわけですし。(そういえばノブザメEさんは参戦してこなかったですね。今何しているんでしょう)
ですから、ここでレッハッ姐さんの参戦を可能にしたのは、決闘直前までキタノ・ストリートに賞金稼ぎを留めおいていたタキさんの功績で間違いないんですよ! マスラダくんはボーナス点を追加してあげるべき!
◇◇
♯9
神聖なはずの決闘は、賞金首を用いたKOLの強制介入により汚された。それも愛する人の目の前で。マークスリーは師に反発するも、使命に逆らいきれず苦悩する。高潔なる騎士として汚れた決闘を受け容れるか、エゴに流され鬼となるか。……決断の時が迫る。
◆
レッドハッグはアスファルトを摩擦しながら着地し、黒いカタナをヒュンヒュンと振った。「いい子だ」
はぁ、はぁ、レッハッ姐さんの握るビール瓶のボトルネックになりたいゲージがぐんぐん上昇してる 興奮する
レッドハッグさん強くてかっこいいよお……! と思っていたら! まさかの!! カタナ・オブ・リバプールの氷の戦士……こ、こいつは…!
すわ本人!と起立しかけましたが、よく考えたら『スズメバチの黄色』本文ではニンジャネーム出てこなかったんですよね。これじゃ本人かどうか確定できませんね。着席。
と思ったら氷使いで治安部隊出身で鈍色の髪で……とどんどん氷川指数が上がっていくので、もうこれは80%くらいは氷川くんなんじゃないかと思いました。きっと親の葬式にも休暇とか取らない(取れない)けど、ようやく取れた休みでケオサキの実家に線香上げにいくんですよね。すると実家の前で火蛇が片手を上げて待ってる。「心配すんな、葬式もちゃんと手配しといた」とか言ってさあ……もう大人になった火蛇は暗黒メガコーポ勤務がそう簡単に休んで帰ってこられるわけないってことを理解してるから……でも氷川はそんな大人になった火蛇の目を見てそろそろ夢から醒めようね!!
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タキさんと姐さんの軽妙な会話もすごくいいです! ビジネス的な信頼に基づく軽口って感じで大好き!!
カタナ(社)を捨てエゴの鬼となったマークスリーを最後の最後で生かすのが、無意識に握りしめた「カタナ」であるという構成、小説が上手すぎるんですよね……。
◇◇
♯10
戦は終局に向けて加速していく。マークスリーはニンジャスレイヤーをネオサイタマ環状線の屋根へ導いた。KOLの領域外。両者ともに損傷は甚大。故に……チャドーから分かたれた二種類の呼吸が、決闘の鍵を握っている!
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川が氷に変わってゆくのだ。
レイテツの後ろで、川の氷が鎌首をもたげた。
やけに特定の漢字二文字を使うじゃん……?
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「儂を封印したチャドーが憎くてたまらないけど、儂を封印するくらいの実力があるから悔しいがチャドーは超すごい」という前提で野次を入れてくるナラクちゃんが面倒くさくてかわいい。注意喚起してくれるだけならまだしも、ほんとにただの野次が混じってるのでうるさいよ!wwwってなっちゃいます。
かといってマスラダくんの英国式チャドー破りのシーンはあまりにえげつなくて引きました。ええぇひっど……なんでそんなこと思いついちゃうの、あんまりでは? ザ・マスラダ!って感じで個人的には大好きですけどマスターチャドーが失神しちゃうよ……。
古来チャドー使いは、傷ついた他者に手を触れ、己の呼吸と同期させることで、一時的にチャドーの力を共有せしめ、潜在能力の開花、治療、インストラクションの糧とする事があった。ニンジャスレイヤーは己のイビツなチャドー呼吸を呼び水とし、この理を逆転させた格好である。
『ヨロシサン・エクスプレス』でサクリリージがやってたボトク・ジツの概念ファックによる冒涜とやってることが同じなんだよな……。
「死者から助けを得る」。それがサクリリージに憑依融合したボトク・ニンジャが探求した「ボトク・ジツ」の真髄だ。サクリリージにとって、死者から助けを得るとは即ち、武器や爆弾を調達するための武器庫になってもらう、という事を意味していた。ニンジャは爆発四散するので、モータルがよい。 2
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) November 3, 2019
ボトク・ニンジャはシのクランのニンジャであり、高潔な精神でジツを制御し、戦乱の世界を旅して、ニンジャ・モータルを問わず供養行為を重ねた。サクリリージにはそんな記憶も人格もない。ボトク・ジツは便利なネクロマンシーに過ぎぬ。ボトクがアノヨにいれば「ヤンナルネ」と嘆いただろう。 3
— ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer (@NJSLYR) November 3, 2019
S3第4話『ヨロシサン・エクスプレス』♯8 より
さすがだよマスラダくん。
◆
作戦行動を終了しヘリを救助するレイテツさん。このヒューマニズム、やはり……96%くらい氷川!
「救助活動すンだろ? KATANA治安野郎。ほっといてIRC炎上させるか?」「KOLだ。治安部隊ではない」
IRC炎上する氷川くんと、モニタでそれを観測して指さしてる火蛇&大熊猫は見たい
ともあれ推定氷川がトリロジーのレジェンド相手に切り結んでなお五体満足で生存、安心しました。よかった。
◆
『貴様の行いは箸の上げ下ろしひとつで疑念を呼ぶ。忘れるな』シャン・ロアが言った。ギャラルホルンは傷ついた。
いっちょ前に傷ついてるんじゃないよ!www 事実でしょ!!
◇◇
エピローグ
壮絶なるイクサを終え、ネオサイタマ上空には新たなオリガミが出現した。満身創痍の身体を抱えながらも、己の〈作品〉に戸惑うニンジャスレイヤー。整理しきれぬ想いを抱えたコトブキもまた、暁の空を仰ぐ。そしてマークスリーは……
◆
マークスリーちゃん生存! よかった!!
生存判明と同時にケイトーさんの手に落ちてしまった以上、運命を楽観視することはできませんが……。それこそケイトーさんの言葉を借りれば、この世に参加しつづけていることが大事なのです。生きていれば、きっと彼にも何か新たな道が開けるはず。
もしこのまま退場していたら、コトブキちゃんの怒りも報われない。いつか拳を食らって、時間をとって、しっかり話し合ってほしいなと思うのです。
とはいえ、ケイトーさんが何を考えているのかわからないのは怖いですね。何をしたいんだろうなあ……。ただ、マークスリー失神前に彼が漏らした「輝くような自我を以て自らふるったカラテの結果ならば、それは実際美しいものだ」という賛辞だけは、なんとなく本音だったんじゃないかな……と思っています。
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マークスリー生存によりオリガミの発生は必ずしもニンジャの爆発四散が条件ではないことも判明しました。狩人の資格喪失と共に、獣の魂が形となって生成されるってこと? オリガミ生成そのものが儀式の主目的だったりとか……うーん。謎が増えてしまった。
随分長く戦っているような気がしますが、実はこれまでに退けた狩人はたったの二人。あと五人も残っていますね。儀式はどこへ向かっていくのか、次の狩人は誰なのか……ここまで「ヨロシサン製薬 × ソウカイヤ」、「KOL社 × ピザタキ&賞金稼ぎ」と、暗黒メガコーポ × ネオサイタマ の組み合わせが続いているので、次はキモンあたりに焦点が当たらないかな~、と個人的には期待しています。
おまけ①感想絵
実況しながら書いていた感想?イラストです。
・非実在高制服コトブキに朝イチでセルフィーを見せられるタキ
・サイリウムを振って好きなニンジャを応援しよう!
・推定氷川くん生存サンキュー…
おまけ②手書きノートログ
例によって記事に書ききれなかった細々感想あれこれと、ノート隅のらくがきが見られます。よろしければどうぞ。
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では、今回はこの辺で。
また次エピソードの感想でお会いいたしましょう!
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次の感想はこちら。
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