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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/【ドラゴン・ドージョー・リライズ:奮闘編】
こんばんは、望月もなかです。
フジキドさんとユカノさんの、疑似家族感が好きです。
え?いつも狂ってるからご存知?はい。
というわけで、気になっていた【ドラゴン・ドージョー・リライズ:奮闘編】(*PLUS限定)を読みました。前日譚にあたる【始動編】はだいぶ前にTwitter連載版で読了済です。
◇◇◇
【始動編】はこちら(Twitter連載版)
感想記事
◇
始動編・奮闘編ともに、ニンジャが死なない+治安も終わっていない+カラテあり、というニンジャスレイヤーとしては異色のエピソード。
ほのぼの平和で、かつ読み応えもしっかりある、贅沢なお話です!
AoM-PLUS/【ドラゴン・ドージョー・リライズ:奮闘編】
フジキドの助言をもとに、まずはシズカガオカでの出張ドージョー定着を目指すことにしたユカノ。ドージョー分館は少数ながら弟子にも恵まれ、軌道に乗り始めていた。だが、IRC-SNSに一通のメールが届いたことから風向きが変わり始める……。ドージョー破り! 裏切りの弟弟子! 鳴り響く銅鑼! ドラゴン・ドージョー再起の道のりは、始まったばかりだ!
◇
(……本当に忍殺のあらすじかな?)
♯1
始動編から半年後。
そこそこ立派な練習場ができてますな。
ユカノさんも慕われているようでよかったです。
ユカノが峻厳なるドラゴン・マウンテンのドージョーからシズカガオカに降り来たってから約半年。
AoMシーズン1ではタイセンくんたち複数名が既にドラゴン・マウンテンに馴染んでいましたから、時系列的にはAoMより数年前になるんですね。修行を積んで山頂まで、何年くらいかかったんだろうな~
◆
「フジキド。私は努力できているでしょうか」
彼女はひとり呟いた。ドージョーの立ち上げに協力してくれた弟弟子は再び旅立ち、時折思い出したように旅先からの連絡を入れてくる。今彼がどの空の下に居るのかはわからない……。
フヘェッヘッヘッヘッヘ!!!(CV.ねるねる*るね魔女)
不安になって遠くのフジキドに語り掛けるユカノさんにニヤニヤしてしまうし「弟弟子」という響きでまたねるねるね*ねの色が変わるんですよね!
はぁ……たまりません。
ずんだ団子を食べている気分だよ。
「萩の月」の菓匠三全、安定の美味
フジキドさんが「思い出したように」連絡を入れる先がある、という事実もすごいですよね。義務でもなく、ふと思いをはせて、自分の無事を知らせるひとがいる。そのかけがえのなさを嚙みしめます。実家じゃん、それってさ……!
すべてを失ったはずのフジキドさんにも、十数年の時を経て今また、実家めいた心持ちで気に掛ける場所と相手が存在する。フジキドさん、いろいろあったけど、やっぱり生きててよかったね。ついでに(思い出したようにユカノさんに連絡してるんだ、フーン…おもしれーじゃん)って味わい尽くすことで私の精神も助かります。一挙両得(私的な煩悩とフジキドの心の安寧を一緒にするんじゃないよ!!!)
◆
コンサルタント氏からのメール絶対詐欺だと思って読んでましたが意外とまともでした。
「(略)……1500%……そんなにも……」
ユカノは「詳細を希望します」の返事を書きかけて止めた。
それはそれとしてユカノさんのチョロさはだいぶ心配!!!
◇◇
♯2
平穏な温泉観光地シズカガオカに突如現れたドージョー破りのニンジャ、ベンガルタイガー。ユカノは衆人環視のなか見事に看板を守ったが、ドラゴン・ドージョーに可能性を見出したコンサルタントが現れ、事態は意外な方向へ……。
◆
「ああ」フジキドは破顔した。「よく覚えているな」
ギャー! 破顔!!!破顔!?? フジキドさんが破顔してる!!!!
おやじは笑った。フジキドは面映ゆそうにした。
面映ゆそうな!!!!!!!
面映ゆそうなフジキド!!?
可愛すぎるんですけど……ひええぇ……
めちゃくちゃ動揺した。さ、最高。これが、トリロジーを乗り越えたフジキド・ケンジ。はぁはぁ。
◆
フジキドさん、ユカノさんのテリトリーに帰ってきたときは、他では絶対にしない実家に帰ってきた子どもみたいな気の緩んだ顔をしてるじゃないですか(幻覚)……それが……じわじわと私を臓腑から抉ってくるので……私はもうだめです……!
◆
「レッツ・運気! 健康増進に、カラテがもたらす効果は凄いんですって! それを踏まえて、今回、ドラゴン・ドージョーでは、IRC通信を利用したデジタル・インストラクションが始まったそうです。ネオサイタマに居る貴方でも、初歩のカラテ・エクササイズを行う事が可能になりますよ! レッツ・ドラゴン!」
「ネットワーク通信カラテ……?」フジキドは訝しんだ。
コミタがうっかり初めて三日坊主しそうだなってちょっと思った。
見たくないですか? 豊満ユカノさんのニュースにつられてカラテ・エクササイズを始めるものの三日坊主で自己嫌悪するコミタ・アクモを(私は見たいです)
◆
シレイは俯いた。「それよりフジキド=サン、ずっと連絡が無かったですね。ドラゴン=センセイは寂しがっていたと思いますよ、多分……」
ふっふふふふふふ
「フジキドから連絡がなくてユカノさんは寂しがっていたと思う」と第三者から聞かされることでしか得られない幸福感というものがある。さながら毎日一杯のお味噌汁のようにそこにあるのが当たり前ではない現代だからこそ当たり前になることを愛おしく思うそのような幸福感がですね。
◆
「おめおめだと? オォーメェーオォーメェー?」ベンガルタイガーは酒臭い息を吐いて凄んだ。「オメオメしているのは貴様らドラゴン・ドージョーのバカ共よ!」
ベンガルタイガーさん、タランテラさんみたいな躍動感のあるレギュラーモブのにおいがする!
◆
ユカノはUNIXデッキに向き直った。IRC-SNSにログインする。(略)確かに見かけ上のアクセス数は増えているが、<良い>がつくペースはさほど向上していないのが気になった。
まだ<良い>にとらわれているユカノさん好き。ポイントはそこじゃないんだよなあ…! でもずっと気にしていてほしいよ。可愛いから。
◆
「フジキド……?」
然り! カメラがパンした事で、UNIXデッキの隣のパイプ椅子に座っている男が画面に映り込んだ。不明瞭な画像であろうと、見間違う事はない。それは紛れもなく、フジキド・ケンジであった。フジキドは腕を組み、何かを問いかけるように、映像越しに、じっとユカノを見つめていた。
ギーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
急に送られてきた挑発的な電子的動画越しに、じっと断罪するようにこちらを見つめ続けてくるシチュエーション……こ、こんな……こんなの実質NTRビデオレターじゃん!!!!!!!!!!!
す、すみません品のない比喩を用いてしまって、で、でも、私は俗物なので、反射的にそう思ってしまったことを隠すのもよくないかなって、もなかさんはこんらんしている! わけもわからずじぶんをこうげきした!!
◇◇
♯3
アマは優秀で、熱心なコンサルタントであった。ドラゴン・ドージョーの名を広めるためだと、メディアを駆使し、派手な施策を次々と打ち出していく。戸惑うユカノの気持ちを、置き去りにしながら……
そんなユカノのIRC-SNSへ、動画コメントが届く。宣戦布告動画に映っていたのは、あのベンガルタイガーと……弟弟子・フジキドであった!
◆
シレイは嗚咽し、肩をひくひくと震わせた。ベンガルタイガーは、むむ、と唸り、目をそらした。
「何だ……その……精神鍛錬のまるで足らぬガキだな。こういうところでセンセイの程度が知れる……そういうアレだ……」
あっ……タイセンくんダメだな。
ベンガルタイガーさんにシレイちゃんとられちゃうな。私は詳しいんだ。今、少女漫画文法が発動しているんだ。強気娘を先に泣かせた方が勝つ。
◆
ベンガルタイガーの挑戦動画の後ろで、フジキドは無言で問いかけていた。(オヌシの目指すドージョーの姿は?)。
オホホホ!!!!!!
動画越しアイコンタクトたまりませんなぁ~!!扇子ハタハタ
◇◇
♯4
慢心を捨て、鍛え抜かれたベンガルタイガーのカラテは見違えるようであった。ユカノは苦悩する。フジキドが見ている。テレビカメラが回り、野次馬と観衆のエンターテインメントとして神聖なるイクサが消費されようとも……ドラゴン・ドージョーの在り方について、ユカノは、ドラゴン・ユカノは今、決断しなければならない!
◆
しきりに目と目で会話をするフジキドとユカノさん堪りませんな……
互いを見守り、お互いに恥じぬ姿でありたいと励み、進む道は違えど心の拠って立つ場所は常にともにある感じ……はあ………最高
◆
途端に、天の底が抜けたような豪雨となった。
「アイエエエエ!」「アイエエエエエ!」混乱に陥る客席!「雨合羽! 雨合羽あるよ!」たくましい商人たち!
ここ、That’s忍殺って感じで好き(笑)
◆
ユカノさんが己を取り戻し、ベンガルタイガーに見事な勝利。
よかったです。
弟子たちも、アマさんも、挑戦者のベンガルタイガーさんも、観客たちも地元の人も、誰も悪い人がいない平和な世界でした。忍殺にこんな世界が存在していてもいいのでしょうか。いいです。
何よりここ(岡山県/シズカガオカ)はフジキドさんの第二の実家なので穏やかであるに越したことはないんですよ。平和が一番。
◆
「俺は何もしておらん。俺はただ、この男をカラテ・スパーリング・パートナーとして、鈍ったカラテを取り戻す手がかりとしただけの事」
また堂々と言いきれば何とかなると思っているフジキドさんシリーズきたよ……と苦笑いしてたら
「その手の嘘が驚くほど空々しい男だ!」
ベンガルタイガーさんが一刀両断してくれて拍手喝采してしまった。フフフ。当て馬フフフ
ベンガルタイガーは唸り、破砕した石床の破片を蹴り散らかして去っていった。シレイは少し心配そうだった。タイセンはそれを見て何か言いたげにしたが、言い出せなかった。
ホホホホホホ!!!!
いま私は一方通行三角関係の波動を感じて猛烈にテンションが上がっている
このあと、シズカガオカにフジキドと一緒に立ち寄ったとき、フジキドが山頂のドージョーを訪れている間、シレイちゃんの顔を観るためだけに果物屋に寄ったりするんでしょ。お土産のストラップとか渡したりするんでしょ。シレイちゃんはそれを自分のIRC端末につけるんでしょ。私は詳しいんだ。
◆
「日本へ戻る事があれば、またドージョーへ顔を出す」
「そしてまた、すぐに発ってしまう?」ユカノは言い、悪戯っぽく笑った。
聞こえる?
もなかさんの残機がすごい勢いで減っていく音。
ねえ無理なんですけどおおおおおおおネオサイタマの死神が穏やかに姉弟子を見たりユカノさんが弟弟子の手をとったりフジキドも肩を優しく叩いて踵を返したりそういう別れのさああああああああ!? しかもこれが何を読まされている?!みたいなのじゃなくて二人の間にある特別ではない(ただし今回はいろいろあったのでいつもより親愛と感謝が深くこもっている)触れ合いを描いてるって感じなのがマジでダメ!!!!!!!!!!ごめんなさい勢いで書いたけど全然ダメじゃないです、いいです。もっと見せて。そこでジャンプして。まだあるでしょ。次は何編? 乱闘編? くれ。
◆
最後にフジキドさんの<良い>も貰えてめでたしめでたし。
でもまた「何で他の記事には<良い>をしてくれないのですか?」とか言い出しそうなところがユカノさんのポンコツなところだと思います。
ベンガルタイガーさん思いのほか良いキャラだったので、フジキドさんとの二人旅修行編もどこかで読んでみたいですね。
◇
では、今日はここまで。
次回また、何かしらの感想記事でお会いいたしましょう。
(特に何もなければホウチョウかトロッコの予定です!)
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【AoM感想目次】
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