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北野さんが「本気でWEリーガーを目指す女子サッカースクール」をはじめたと聞いて!

2021-22シーズンかぎりでWEリーグ・ノジマステラ神奈川相模原を退任した北野誠監督。2年半ぶりにフリーランスの身となり、次なるステップへと準備を進める一方で、生活拠点とする京都で「本気でWEリーガーを目指す女子サッカースクール」の立ち上げに着手されました。

北野さんといえば、わたしが長年取材させていただいているサッカー監督のひとり。

世にはいろいろなタイプの監督がいますが、北野さんは、状況把握から最短距離で目的達成する力やそのための情報発信力に長けている方というイメージ。サッカーの分析においても、要点を端的にとらえてシンプルに伝えてくれるので、とてもわかりやすくてキャッチーです。かつての教え子や部下たちからの人望の厚さもお墨付き。

ちょうどエルゴラッソの企画でインタビューする機会があったので、インタビュー後にスクールについていろいろとお話を聞きました。

ノジマステラで女子の指導に携わり、WEリーグという女子サッカーのプロ化のタイミングを当事者として経験した北野さんが、そのノウハウを生かして“未来のWEリーガー”を育てる。いまは育成年代女子のためのスクールは希少なので、これはひとつのエポックメイキングになればと思っています。

「最初は選手も少ないと思うけど、活動を続けて認めてもらいたいなと。京都で軌道に乗ったら僕の故郷の香川にも作りたい」

選手だけでなく女性指導者も育てたいということで、ゆくゆくはWEリーガーのセカンドキャリアの選択肢を広げることにもつながっていきそうですね。オフシーズンにはWEリーガーをゲストコーチに呼びたいというアイデアも練っているようです。

これはグラスルーツ年代まで遡っても同じことが言えるのだそうですが、女子の指導においては長い間、同じ人が同じ眼で見ているからサッカーが変わり映えしないように見える。そこに刺激を与えたいというのが、北野さんの狙いでもあるんですね。

「僕のスクールに来た選手たちにサッカーの楽しさを教えてあげれば、もっともっと変わる」

北野さんの考える、育成年代女子に伝えたい“サッカーの楽しさ”のいちばんのツボは「自分で考えてプレーすること」。現状、選手を指示どおりに動かす指導者と、指導者の指示どおりに動く選手ばかりが多い中で、そこは最もメスを入れなくてはならないポイントなのかもしれません。

「足元の技術なんて宿題ですよ。こないだパリサンジェルマンが来たけど、メッシもネイマールもそんなことしてなかったぞって言ってやります」と笑う北野さん。ボールフィーリングはあくまでも大前提として自分でトレーニングするものですからね。

「ヨーロッパや南米には試合になったらいいところにコントロールできる選手がいっぱいいます。それは相手をよく見ているからです。原理原則、本質をよくわかっていて、『ゴールを奪うためにここに止める』ということを理解している。日本ってそういうことをあまり教えてないじゃないですか」

出ました。これぞ目的から逆算して突き止める最短距離です。

女子の指導をしてあらためて感じたそういったものを、今回立ち上げるサッカースクールに還元していきたいと、北野さんは考えを巡らせています。

いままで監督業に追われてサッカー以外のことはほとんど何も出来なかったという北野さんが、手引書を頼りにクラブのホームページも自らの手で作り、チラシも作成するという奮闘ぶり。サイトを見てみると、初めて作ったとは思えないくらいの出来栄えです。

ウィレイルサッカースクール ホームページ

讃岐や岐阜での監督時代から、やたら発信力の高い指揮官だなとは思っていましたが、やはりさすがです。歯に衣着せぬ(いや本人は着せてるつもりなのかも…)ブログもめちゃめちゃ面白いし、とにかく人の心を掴むツボを心得ている。こういう人がゴールデンエイジの指導をしたら、面白くなるでしょうね。

この「ウィレイルサッカースクール」立ち上げに向けて、現在、クラウドファンディングが行われています。北野さんの教え子のJリーガーやWEリーガーたちも、リターン品提供などで絶賛協力中。

北野さんの腹心の教え子・木島良輔選手もご自身のYouTubeチャンネルでプロモーション! とにかくふたりの掛け合いが面白いので必見です!

そしてこのプロジェクトを進めながら、Jリーグ監督へと復帰するタイミングをはかっているところ。熊本、讃岐、岐阜と来て、次の北野さんのテクニカルエリアはどこになるのでしょう? また相手のストロングポイントを一手で封じてしまうような冴えた采配も楽しみです!

北野さんについてもっと知りたい方はこちらから!


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