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3Dを感じる写真とは

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

10年前に発売された、finepix REAL 3D digital Camera W3を手に入れて数か月、サブカメラとして使ってみました。

3Dカメラなので撮れば3D写真になるのですが、3D感があるのかというと必ずしもそうではありませんでした。

2つのレンズ(2つの写真)の視差で3D感を出す仕組みなので、視差が少ないと当然のことながら3D感はありません。
幾つかの構図パターンで3D感を試してみましたので紹介します。

ここで掲載している写真は、2つの写真を左右に繋ぎ合わせたものです。
「LR」の写真は、左側写真は左レンズで、右側写真は右レンズで撮影された写真です。VRゴーグルで見てください。
「RL」の写真は、左側写真は右レンズで、右側写真は左レンズで撮影された写真です。裸眼(寄り目)で見てください。


3D感が乏しい写真

3Dカメラは、視差がある2枚の写真で3D感を表現します。
遠くにあるものは視差が少なくなるので3D感がなくなります。

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finepix REAL 3D digital Camera W3のレンズの間隔は75mmです。
人間の両目の瞳孔の間隔より離れているので3D感が強くなっているはずですが3D感がありません。

では、少し近いところを入れたらどうなるか。

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手すりも写し込んでみました。
3D感がちょっとありますが、思いのほか平面的です。
実はコレ、近いものを入れても3D感が出ない写真になっています。

次の写真を見ると、その原因がわかります。

LR
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露出オーバーで撮ったので空は白く飛んでますが、手すりは形がわかります。
手すりが見えると背景に距離感があることが判ります。
つまり、黒く潰れていると3D感がなくなります。
黒く潰れている部分は、物の区別がつかないわけなので「視差」が無いのと一緒です。考えてみると、当たり前ですね。
同じように、白つぶれした部分も「視差」が無くなります。

黒つぶれ、白飛びしないように撮影したものが次です。

LR
RL

背景、手すり、ベンチと距離が違うことが判別でき、3D感があります。

つまり、3D感が乏しくなる写真は次のとおりです。
・遠くの被写体のみは3D感が乏しい
・黒つぶれ、白飛びすると3D感がなくなる
 同様に輪郭がはっきりしないボケも3D感がなくなると思われます。

3D感を増す写し方

3D感を増すにはどうしたらいいのかを試してみました。
奥行き感のある写真だと3D感が増すのではないかと考えて撮ってみました。
収束点がある構図です。岸壁沿いの小道です。

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奥行き感がある構図で3D感があります。
でも、なにか物足りません。

次は、コレ。平安神宮 泰平閣で撮影したものです。

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岸壁沿いの小道と同じ構図ですが、泰平閣の方が3D感があります。
両写真の違いはというと、近距離に目を引くモノがあるかどうかです。

違うシーンで、近距離にモノを入れて撮ってみました。

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やはり、視差が大きくなる近距離にモノがあると3D感が出ます。


近距離にモノがあると3D感が出るのであれば、もう一つの方法があります。
トンネル構図です。

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予想したとおり、手前と背景の間に3D感があります。
木を使っても同じことができます。

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視差があればイイのか

近距離にモノを入れると3D感がでるのかというと限度があるようです。
次は極端な例ですが、被写体に近づいてマクロで撮影したものです。

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あまりにも被写体に近づきすぎて、写真Lと写真Rは、もはや違う写真です。
赤い葉は、写真Rではフレームの外です。
赤い葉の右側にある3本の葉だけが、両方の写真のフレーム内に写っています。

角度を変えて撮ったのが次です。

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写真Lの真ん中に葉っぱがありますが、写真Rでは左端に葉っぱがあります。極端に近いと、写真のフレーム外にはみ出た部分が立体視した時に違和感があります。

極端に近いと立体視できない、もしくは違和感が出てしまうようです。

意外だった立体感

3D撮影した写真の中に、予想外に3D感があるものがありました。

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なんと、降る雪が立体的に見えます。
降る雪を被写体として見ていなかったこともあるのですが、これは想定外でした。

降る雪が立体的に見えるのであれば、ということで撮ったのが次の写真です。

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花吹雪が3D感あります(^^)
花びらが空中に舞っている感じが臨場感あります。


まとめ

3D感のある3D写真を撮るには次のことを注意すればいいようです。

(1)近距離の被写体、中、遠距離の被写体を一緒に撮る
(2)極端に近距離の被写体はフレームに入れない
(3)距離2~3mの被写体が3D感が強い
(4)白飛び、黒つぶれ、ボケはできるだけ無くす
(5)構図(収束点、トンネル構図など)を工夫することで遠近感を出す
(6)焦点距離35mm~50mmで撮影すると3D感が良くなる


特に(1),(3)を意識して撮影するとイイようです。

また、自然に3D感が感じられる写真は、人間の目で見た時に近づけると良いようです。
finepix REAL 3D digital Camera W3の焦点距離は35mmフイルム換算で35mm~105mmですが、電源を入れると35mmになるので、35mmでの撮影が基本になりました。


撮影サンプル

試行錯誤の過程で撮影した3D写真のサンプルです。
風景ばかりですが、スナップのほうが3D感でそうです。

匂ヶ崎公園

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金剛院

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東本願寺・渉成園

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雪の舞鶴湾

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五老ヶ岳山頂

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平安神宮

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最後まで、読んでいただき、ありがとうございました。


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