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ERAS 2020:US clinical experience

日本ほど超ラッキーで特別な国はありません。日本にいながらvisaなしで1年間のUSCEを得ることができるからです。アメリカで医師として働くことを考えている人には海軍病院でfellowshipすることを一度は検討してほしいものです。
が、この記事では別目線でUSCEについて述べたいと思います。

レジデンシープログラムが定義するUSCE

レジデンシーアプライの前にUSCEを得る理由は、一定期間のUSCEを必要条件としているプログラムが多いからです。そのほとんどが最低3ヶ月。6ヶ月や1年間のUSCEが必要と定めているプログラムがありますが、ほんの一部で、決して魅力的なプログラムでもないので気にしなくていいと思います。調べる限り3ヶ月というのが大事なcutoffで、良いプログラムもこのcutoffを設けていることが多いです。USCEを得る機会がある人は必ず最低3ヶ月取るようにしましょう。

ただ、USCEの種類には注意が必要です。Externship, observership, internshipなどありますが、「“hands-on" clinical experience in the US」というのを満たす必要があり、身体診察や簡単な手技など、直接患者さんに触れる経験も必要です。つまり、observershipやresearchはプログラム側が定めるUSCEとしてカウントされないことがほとんどで、IMGが条件を満たすためにはアメリカでexternshipを行う必要があります。3ヶ月のUSCE条件をクリアするためには基本的に1ヶ月間のexternshipを3回することになると思います(指導医がその都度変わるのでアメリカのドクターから3枚の推薦状をGET!)。また、externshipの指導医が教授だった場合は提携大学のロゴ付き推薦状をもらえます。

ごく一部のプログラムはobservershipもUSCEとしてカウントしてくれます。しかし、observershipは無駄なことが多いのでやめておきましょう。Observeだけして良い研修ができることは基本的にあり得ません。これは当然です。見るだけで学べるほど医師業は簡単ではありません。Observershipは内容が薄いので、推薦状も必然的に弱くなります。
Observershipが選択肢に入るcaseは、①無料な場合、②病院とのコネクション作り(=つまりそのobservershipした病院にアプライ予定またはresearchに入り込むなど)くらいです。レジデンシーマッチングに向けたUSCE目当ての場合は、observershipではなく必ずhands-on externshipを経験しましょう。もう一度強調しておきますが、observershipをあえて選ぶ理由は限られています。


海軍病院でのfellowshipが良いかどうかは自分のプラン次第

Green cardを先に取得したいと考えている人にとって海軍病院でのfellowshipが良いかどうかは不明です。アカデミックな病院に務め、若い時期からpaperをpublishしておく方がgreen card申請時には間違いなく有利です。1年間のUSCEは魅力的かもしれませんが、海軍病院での1年は逆にGC申請を遅らせる可能性があります。英語の上達という面でも魅力的かもしれません。しかし、アメリカで仕事を始めれば上達し、その上達は時間の問題です。USCEもレジデンシーのアプライに必要なだけであって、レジデンシーに入ってしまえばそれまでのUSCEは重要でなくなります。一方、論文というのは一生形として残るもので、将来的に論文を書く機会に恵まれるとも限らず、論文の数、質は決して時間の問題ではありません。「あー、あの時に書いておけば良かったな」と後悔することは多いです。Researcherという立場で実績を作ってその流れでアメリカに留学するためには、大学病院などresearchでアメリカとコネクションのある組織に勤めておくことが1番の近道のように思います。GC申請時にはアメリカのどの病院のどのラボに勤めているかという所属先も重要です。

医学部卒業→初期研修→海軍病院→US residency/fellowshipという流れが一般的かもしれませんが、GC取得はその流れでは100%不可能なので、うまく計画を立てる必要がありそうです。もちろん、アメリカでフェローシップが終わった後に日本に帰国予定のつもりでいる人はその限りではありません。しかし「もともと帰国するつもりでいたドクター」と「GCを取得できず、visa問題で帰国せざるを得なかったドクター」がいることも事実で、自分の将来設計次第では海軍病院でのfellowshipを諦めるか先延ばしにするなどのオプションを選択した方が長期的には賢い場合もありそうです(私はGC申請することを選んだため海軍病院でのfellowshipをもともとは計画していたけど辞めた派)

Conclusion

海軍病院でのfellowship経験はレジデンシーのアプリケーションを強くするのは間違いない(1年USCE、英語上達、アメリカ人医師からのLOR)。GC申請を視野に入れる場合は、学会発表や論文投稿にactiveな施設で通常通り医師(=後期研修医)として働きながらscholarly workにも力を入れ、アメリカに研究留学→GC申請(タイミングは自分の実績とPIの理解次第)+externshipを通して3ヶ月USCE(後期研修中か研究留学中)→レジデンシー、という道もviable optionだと思う。

(Externship斡旋会社に関する内容は次の記事を参照下さい)

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