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ERAS 2020:卒後年数とグリーンカード

特に日本のドクターからはグリーンカードの重要性がかなりundervaluedになっているのは間違いないと思います。日本人IMGでGCを持ってレジデンシーにアプライした前例は聞いた事がなく(marriage-based GCを除く)、clinical J1で入ることが前提とされ、そういったJ1で入った先生方からのVISAに関するfeedback(帰国義務に関する苦労話でなく、レトロスペクティブに見て代替案があったのかどうかなど)がほとんど共有されていないような気がします。

「別にGCなくてもなるようになるでしょう。みんなJ1で入って、その後なんだかんだなんとかなっているんだから。」

という意見がまず頭によぎる若手の先生が多い内は、まだまだGCの重要性はseverely undervaluedと言わざるを得ないと思います。日本にいると実感しにくいのは当然かもしれません。

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GCに関する詳しい私の経験談などは別記事で共有していきたいと思っていますが、私がGCにアプライする時には当然「レジデンシーを遅らせてでも申請した方がいいのか?」「本当にGCは大事なのか?」という疑問が何度も何度も湧いてきました。私自身もGCの重要性を過小評価していた証拠だと思います。

その時私は、私のメンターやJ1で入った先生方にメールを送り「もしレジデンシーのアプライ前にGC申請が可能な立場なのであれば(もちろんGC申請が承認される保証は一切なし)、レジデンシーを遅らせてでも申請してみるか、それともまずJ1で医者になり、将来的にGC申請するか」と単刀直入に質問してみました。

全ての先生から「レジデンシーを遅らせてGCを申請する」と返事が返って来ました。「120%GC取得を選ぶ」と回答して下さった先生もいました。

その他下記のような意見も。
「GCがあれば間違いなくフェローシップ選択の状況は違っていた」
「振り返るとリサーチで入り混んで実績をあげ、グリーンカードへたどり着いてからトレーニングを開始する、という道が恐らく一番間違いない道のりだった」

こういう意見、聞いた事がありましたか?私も色々下調べをしてから研究留学しましたし、渡米後もレジデンシーに関する情報などたくさん集めましたが、先輩の先生方に直接尋ねるまでこういった意見は聞いた事がありませんでした。GCの申請が承認されたことを報告した際には、1人の先生からは「USMLEを通過したことの100倍くらい凄いことです」とも返事頂きました。

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GC申請をすると卒後年数が経ってしまい、レジデンシーマッチングで不利になってしまう可能性もあるかもしれません。しかし、日本人ドクター以外のIMGの前例を見てみると、たとえある程度卒後年数が経っていてもGCがあって母国でsubspecialtyもあれば特に問題なくマッチしている例が多いと思います。

Conclusion

VISAやグリーンカードのことまで深く調べて思ったことは、step1やstep2CKのスコアなどよりもGC保有の方が短期的にも長期的にもより重要な因子で、人生を大きく左右し得るということです。PGYを犠牲にしてGC取得の道を先に選んだ私のキャリアが中長期的にどうなっているか次第では、私はGC maximalistに変貌しているかもしれません(笑)

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