循環器fellowship application④:ERAS CVの埋め方を工夫する
レジデンシーアプリケーションの時はただ淡々と業績や趣味を入力しましたが、それでは全くイケていないことが発覚。今回のフェローシップアプリケーションの時はかなり工夫しました。本記事では私のお勧め入力方法を紹介します。
論文
1st authorの論文がしっかりとあり、そして強調したいoriginal articleもある場合は目立たせるべきです。が、ERASはOriginal articleもAbstractもCase reportもすべて混ざって表示されるため普通に入力してしまうとアピールしたい論文が埋もれてしまいます。また、筆頭著者のLast name順で表示されるようになっているため名字がアルファベット順の最後の方だと、自分の論文に辿り着く頃には「あ、1st authorの論文ないのかな?」という印象を与えかねません。しかし、この表示ルールを逆手に取って筆頭著者の前に()を入れることで表示したい順に論文を並び替えることができます。具体的には下記のような感じです。
(01: Original article) Last name, first name….
(02: Original article) Last name, first name….
(Abstract 1) Last name, first name….
(Abstract 2) Last name, first name….
(Case 01) Last name, first name….
(Case 02) Last name, first name….
私は論文数がある程度あったのでOriginal articleだけでなく更にAbstractやCaseもすべて分け、full-length manuscriptを強調しました。Original articleの前に数字を入れているのは、数字を先に入れないとCaseの後にOriginal articleが表示されてしまうためです(つまりアルファベット順)。ERAS CVがキレイにまとまり、大成功だったと思います。
ちなみに、アカデミアで循環器に残りたい場合はとても重要なことなのですが、ACC/AHAなどに投稿したアブストラクトがあるのにそのfull-length manuscriptがないのは(つまりabstract/publicationの比が1に近くない場合は)論文まで漕ぎ着ける「必要な能力」が欠けていると判断されます(青井俊輔先生の記事より。これには激しく同意です)。つまりAbstractばかりだとTier1-2に入るacademic institutionのfacultyからはred flagと捉えられてしまいます。もちろん共著者で自分が載っている論文ばかりの場合も同様の扱いを受けるかもしれません。研究歴が少ない人はabstractも入れて業績欄を充実させるべきなのは間違いないですが、筆頭著者のoriginal paperに自信がある人は上記のような記載方法でうまくアピールすることを強くお勧めします。
Award・Hobby
レジデンシーアプリケーションの時は学生時代に表彰された”Best academic award”をAward欄に記載していました。が、ただ単にAward名を記載するのではなく、一言説明を加えることで格段に良くなります。
レジデンシーマッチの際の記載方法
今回はこのように記載
趣味欄もそうで、ただ趣味を羅列するのではなく、
みたいな文言も付け加えるとインタビュー中の話題になります。
私はこの趣味欄にトリックを仕掛け、その内容に触れるfacultyがいるプログラムをランキング上位に持って来ました(Cedars SinaiやUCLAの教授はこのトリックから食い付いてくれたり話題にしてくれたりすることが多く、本当に感じの良いインタビューとなりました)。
Research experience
レジデンシーの時とは異なり、他科の先生から見ても分かるような丁寧な書き方で長々と記載する必要はありません。略語はバンバン記載しました。また、私のように関わった研究が多過ぎる場合は簡潔に記載するのが良いです。どれも数行くらいで終わるようにしました。
その他
・レジデンシーアプリケーションのために行ったExternshipやVolunteer等は全削除。他の大事な箇所を見てもらいたいので、そういうのは不要と判断しました。
・共著者で載っているACCやAHAのアブストラクトで経歴を盛る必要がなかったのでそういうのも全削除。
Conclusion
レジデンシーマッチ時、自分のERAS CVの記載方法に満足していたものの、振り返ってみると乱雑で強調したい点が分かりにくかったことに気付きました。今回は大幅に改良してキレイなCVに仕上がったので非常に満足しています。是非参考にして下さい。