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ERAS 2020:Personal Statementの書き方②と添削サービス

前回記事の続きです。

たとえば私の場合、
①board certified physician
②board certified interventionist
③research/publication ++
④education as an attending
⑤leadership skill as a chief resident or an attending
といった点が他のapplicantにはない強み。

逆に弱みは下記の2点。
①old IMG
②I need to go back to the lowest rung of the ladder (=resident) and can I really handle that?

強みを最大限に活かすだけでなく、その強みで弱みをうまく補うストーリーを組み立てて結論に持っていきました。

理想的な構成

1段落目
一般的なtransitionを入れてから強力な主題を1段落目に "必ず" 持ってくる。
2〜4段落目
主題をサポートする自分の経験(強み)を具体的に記載。4段落目は弱みを補塡する内容を個人的には入れましたが、主題をサポートする内容や将来の展望を4段落目には入れる。
最終段落
まとめ、かつ異なる言い方で主題を再度持ってくる。

5段落で終えるのが理想的できれいなPSのようです。繰り返しますが、必ず主題を1段落目に入れるように。決してバックグラウンドや自分の経験などを最初に持って来てはいけません。数千を超える応募を毎年受け取り、同じ数のPSも届く中で、自分のselling pointを1段落目ではなく中盤や後半に持って行くのは基本的にナンセンス。1段落目でプログラム選考委員会の人達の興味を必ず惹かないといけません。

・・・

私のPS構成例

さて、上記の強みを組み込んだ主題を書いてみます。

I diligently worked as an attending physician and experienced a whole range of cases with cardiovascular diseases while engaging in clinical research proactively, which distinguishes me from other applicants. Furthermore, through my career in Japan, I cultivated teaching and leadership skills as well.

いかがでしょう。

上記のような幼稚でpoorな文章では絶対にダメです。

・・・

主題(=thesis)は、下記のような ”自分がそのレジデンシープログラムに適する理由”を簡潔にまとめた文章であるべきです。

I am confident that my ample experience as a board-certified physician and interventional cardiologist, along with research background at Stanford University and hands-on US clinical experience, have prepared me to be an excellent candidate for a residency position in internal medicine and even for a future mentor for trainees.

これをopeningの文章と共に第1段落に入れ、そのthesisをサポートする経験、理由を第2〜4段落に入れます。読み終わる頃にはそのthesisが読者にとって納得のいくものになっているという訳です。

私の場合、
第2段落は数千を超える冠動脈病変の解析が結果的に臨床医としてのレベルも上げた経験を記載(つまり、臨床だけをしている医者ではなく、研究にも従事していたapplicantの方が良い→thesisをサポート)
第3段落はUSCEを通して自分のleadership skillやteaching skillが活かされた具体例を記載(→日本で培ったskillはアメリカでも役に立ち、レジデンシー中にも活躍すると予想され、かつレジデンシーを通してskill向上にも繋がるという内容)
第4段落はclinical researchに携わるという中長期的なゴールのためだったら喜んでレジデンシーをやり直すという感じの内容。
最終段落はレジデンシー中の短期的な目標に加え、別の表現でthesisを念押し & closing。

オススメの添削サービス

PSには色々な型があるのかもしれませんが、というか一般的にPSはフリースタイルと思われているかもしれませんが、決してそうではないとPSに関するレクチャーを聞いて思いました。やはり餅は餅屋レジデンシーのPSに特化し、かつ "英語のdegreeを持っている(Bachelor of Arts in English)" 英語ネイティブの人に有料だったとしても依頼することをオススメします。

具体的に、私が依頼したのはhands-on externshipの紹介業者でもあるChicago ClerkshipのLoriさん。LoriさんはUCLAで英語のB.A.を取得。
私は普段から英語を書くことが多く、書き慣れているのもあって訂正は1回だけで済みましたが、本当に満足にいくPSとなりました。Loriさんの資料、レクチャーを聞いた上で自分で下書きをするのに要した時間は数日。Loriさんに訂正してもらい、それで終了。決して英語ネイティブの人や医師に依頼して何度も何度も訂正していく必要はないと私は思います。いくらでも英語ネイティブに依頼してPSを直してもらうことが可能な立場にいる私ですが、他の人に依頼していたとしてもLoriさんレベルの指導、訂正はできないと今でも思います。レクチャーの中のplumberのたとえ話は「確かに (笑)」と思いました。
まずはLoriさんのレクチャー、方針(私がブログで解説してきた内容と被る)を信じて時間をかけて下書きをしてみることをオススメします。
それをLoriさんに見てもらってやり取りすれば素晴らしいthesis付きのPSに仕上がるかと。

訂正自体は有料ですが、Lori Wintherさんの下記アドレスにまずメールを送って、相談してみるのがいいと思います。

loriramos@chicagoclerkships.com

「PSは自分の好きな感じで書けばいいのではないか?」「英語ネイティブに確認してもらったらいい」と思っている人には特に良いような気がします。

(こんな感じのしっかりとした訂正がLoriさんから返ってきました。スペルミスや文法をただ直すだけでなく、強いPSとなるように最適な表現に訂正されていました。)

書きたかった内容は本当は違う!

かなり余談ですが、PSに書きたかった内容と完成したPSはかなり異なります (笑)
でもそれでいいんです。強力なPSを書くための作戦変更と捉えるべきでしょう。
たとえばインターベンションに従事していた私がアメリカのレジデンシープログラムに入り直す理由など、PSにはもってこいの内容と思っていました。
が、蓋を開けてみると、そういう内容は決してプログラム側が欲している内容ではないみたいです。インタビューの時に話すネタとしては良いかもしれませんが。確かに、successful residentになるかどうかを判断するのにアメリカに来る動機は関係ありません。
もちろん、自国のこういう面がダメだからアメリカに来たという内容もダメ。相対的にアメリカが良いからアメリカを選んだのだとしても、そういう記載は避け、絶対的にアメリカが良い内容を記載する必要があります。
もう1点大事な点は、自国に帰るためにアメリカでトレーニングするという内容も避けるべきということ。たとえそれが目的だったとしてもです。考えてみれば当然かもしれません。あくまで自分がsuccessful residentになり、successful careerをアメリカで歩むという話で統一するように。(=thesisがPSの中でぶれてはならない)

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Conclusion

PSの記載に慣れていないからこそ書き始める前のスタートが肝心。なんとなく先輩のPSやアドバイスを参考にしてガラパゴス化したPSを書き始めるよりは、お金が許すならまずはeffectiveな構成を習い、しっかりとした添削も受けてよりimpactfulなPSを書く方を私はオススメします。私は添削サービスを比較検討することはできません。But, I can vouch for Lori.

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