「ズレズレなるままに」プロの評価はやっぱりお金
今年の漢字は「金」だそうな。最近は流行語大賞とともに「ふ〜ん」としか思わなくなってしまったけど、そんな話ではありません。
プロ野球もシーズンがとっくに終わり、移籍やらFAの話題です。近年はあまりニュースに時間や紙幅を取らなくなりましたが、契約更改は担当記者にとっては大事な仕事でした。
昔なら松井秀喜さんが更改のたびにバズーカ(おもちゃね、もちろん)をぶっ放したり、色々コスプレしたり…。
今ならSNSで「マスゴミが馬鹿なことやらせるな!」なんて叩かれるのかしら? あれもやってくれそうな人を選んで、球団とも打ち合わせして、大抵は新聞のカメラマンがアイデア考えて小道具を用意するんです。最近はあまり見なくなった気がします。
昔は「なんも見ずにハンコついて帰ってきた」という人も多かったけど、年俸を上げるために努力した人もいます。例えば横浜ベイスターズ(現DeNAベイスターズ)で活躍した左腕・野村弘樹さんは、「いかに自分が球団のために貢献したか」を示す証拠として、スポーツ紙をスクラップして持ち込んでアピールしていました。
ヤクルトの館山昌平投手の場合は奥さんのお父さん、すなわち義父がスクラップしてくれたものを持ち込んだこともありました。
なんともアナログな手法ですが、今の若手は何かやってるんですかね?
さて、いつも「推定」となるのは、多くは更改後に「サインしました」と答えるぐらいで、明言しないケースが多いから。本人もしくは、後から出てくる球団の幹部に「大台ですか?」とか、「キリのいいところ?」「◯◯%?」なんて記者が質問して、「まぁ、だいたいそのくらいかな」と落ち着くわけで、最後は担当さんで“談合”して数字を共有するわけです。これをやらないと、翌年の選手名鑑が作れなくなるというのもあります。
中にはハッキリ金額を口にする人もいるけど、やはり日本はお金の話を口にしたがらない感覚があるのでしょうか?
ちなみにMLBは明確に発表します。これは年俸総額の規定を超えたら課徴金が課されることと、アメリカの税金に対する意識の違いからでしょう。
ちょっと話はそれるけど、アメリカは寄付などに対する評価が高い一方で、税金は国に対する義務という思想があるように思います。
かつて、大量にプロ野球選手が脱税で摘発されたことがありました。その後、某チームは優勝旅行でハワイに行くわけですが、脱税した選手にアメリカからビザが出ず参加できなかったことがありました。それくらい税金に対する認識が違うのだと思います。
脱線しましたが、日本人で堂々とお金の話をしたのは落合博満さんが最初なのかなぁ?
かつてヤクルトの宮本慎也さんとも「プロの評価は金額だよね」と話した記憶があります。
清貧の思想も分かるけれど、やはり金額はもっと明確にしたらと思います。やっぱり「活躍したらこんなに稼げるのか!」って夢を見られるじゃないですか。まぁ「あんな成績でこんなもらってんのか!」と言われちゃう選手もいるだろうけど…。
とはいえ、海の向こうで1100億円なんて数字出されちゃったら太刀打ちできないけどね。