「ズレズレなるままに」文化の衰退は日本のガラパゴス化が原因?
趣味・趣向というか仕事と少し違う話です。
先日、武道館でジャーニーのライブを観ました。知らない人でも、某民放はなぜか侍ジャパンのテーマが「セパレイトウェイズ」とか、何だかのドラマで「オープンアームズ」が使われたりで、聞いたことある人は意外といるんじゃないかと思います。
さて武道館、予想通りでしたが観客の高齢化率は高かった。まぁバンド創設者のニール・ショーン(ギター)が70歳だし、そりゃあそうだよね…と思っていたら、こんな記事を拝読しました↓
いわく、「観に来ているのも来日するのも高齢者」「昔はヘドバンしたけど、今は座ったままで2階席から売れる」等々…。で、その理由を「日本は90年代以降、ガラパゴス化してファンも新陳代謝していない」のが原因であると。
まぁ言いたいことは分らないでもないんだけど、ちょっとピントがズレている気がしたわけです。そもそも、ハードロック好きからすると「ヘビメタ」って言い方が小馬鹿にされている気がして嫌いだし、なんか揶揄されやすいジャンルに感じています。それはさておき、このライターさんあまり現状を知らないのかなという印象でした。
例えば、もはやアメリカでもシングルチャートにハードロックどころかロック系もほとんど入らない。あるいはユーチューブなんか見ていると、やっぱりロック系のライブはアメリカでも比較的高齢者が多く見受けられます。翻って日本にも80年代からやっているバンドもいる一方、若いバンドや女性のバンドが思った以上に活躍したりしています。
昔に比べファンの規模もマーケットも小さくなったから、メディアに載らなくなっただけじゃないのかなと感じます。
確かにハードロック、ヘヴィメタル(せめてこう書いて欲しい!)はスタートが70年代だから、バンドそのものも高齢化します。鬼籍に入る方も増えたし、キッスがツアー撤退したのを始めオジー・オズボーンやホワイトスネイクといった大御所も「単発ライブはあるかもしれないけど、もう長いツアーには出ない」と公表しています。
高齢化の状況は音楽に限らりません。バイク乗りとして約40年一度も下りずにきたのはプチ自慢(すみません!)ですが、最近は「リターンライダー」とかで、子育てが終わったり、少し余裕が出て再びバイク乗る人が増えているようです。
ライダーの聖地近くでたまに物販していると、次々にやってきますよ。ヘルメット脱ぐと、ほとんどが「ハゲ」か「白髪」。長い髪をなびかせる女性ライダーも妙齢の方が多い。たまに若者がいると「おや、珍しい。頑張って!」なんて感じます。
今の若い人はクルマにも興味ないなんて話も聞くけど、昔はなかったゲームとか遊びや興味の対象、つまり選択肢が増えたことも背景にはあるのかもと思います。
音楽ジャンルは以前からたくさんあったけど、サブスクのように聴き方も変わり、昔は単発でしか来日しなかったのがフェスも増えて、若者もたくさん来ているようです。
そういう意味ではスポーツも昔は観るのは野球か相撲、プロレスくらいだったのがサッカー、バスケなど増えているから、分散するのは仕方ないのではないかな。
さて、ようやく「ガラパゴス化」の話。これ、言葉を使いたいからだとしか思えないわけです。元記者からすると「見出しありき」なパターンというか、そのためにストーリーに都合のいいエピソードを並べていく手法です。
たから「日本におけるロックの現状は“ガラパゴス化”のせいでジジババばかりになった」というストーリー…。
刺激的見出しで、読まれたら勝ちがネットメディアの世界だから、こんなマジメに読ませた手法は“勝ち”かもしれません。
でもね、いいじゃないですか、好きな音楽聴いて、好きな趣味に没頭すれば。今の若者だって歳を取るし、彼らのトレンドだっていつかは「ガラパゴス」になるんだから。