「ズレズレなるままに」ストーブリーグと総裁選
いよいよ、このシーズンに突入したようです。中日ドラゴンズの立浪和義監督が退任を表明したことで、今季のストーブリーグ勃発です。
今のところ中日だけですが、すでにいくつかのチームは監督交代の話になっているわけで、こうなると「どこが打つか!」という状況です。スポーツ紙はじめメディアの「打つ」は、バッティングのことではなく「書く」です。
ストーブリーグが囁かれているチーム担当は、球団幹部はじめ関係者、自分のところの評論家など、様々な情報から「打つ」タイミングを探るわけです。
自分たちだけでなく、他紙だって狙っているわけだから、落ち着かないシーズンというわけ。今ならネットですぐ出るけど、昔は当番デスクなんかが明け方に「交換紙」といって他紙の紙面を見て、「おい、抜かれてるぞ」とか「次期監督に〇〇浮上とか書いてるけど」なんて、連絡してきます。いゃ〜落ち着かないんですよ、担当記者は。
すでに禅譲が決まっていて比較的すんなり決まるケースもあれば、フロントが緩くてグダグダだったり。どことは書けないけど、あるスポーツ紙が「浮上」と書いたのに、フロントに食い込んでいる他紙の記者が「白紙にさせた」なんて嘘のような本当の話もあります。まるでフィクサー気取りの記者、いましたよ。
スポーツ紙が有力OBの評論家にお願いしているのも、ユニフォームを再び着るニュースをいち早く取りたいという側面もあります。逆に、評論家さんが球団に口止めされ、かえって縛られて書けないこともありました。
個人的には横浜ベイスターズ(現DeNA)の権藤博監督、ヤクルトスワローズの古田敦也監督が退任した際の担当でした。業界内では、担当球団の監督が退任(解任)するケースが多いと『首狩り族』なんて物騒な言われ方もしますが、どちらのときもなかなか大変だった記憶です。
いずれにせよ、野球という競技とは違う「人事ネタ」。でも、世の中はことのほか人事が好きなような気がします。担当じゃなきゃ、無責任に見ている分には面白いのは確かです。案外、ちょっと知っている人がコーチに呼ばれたりして、担当外から情報が出てくることもあるし。
最近のニュースは自民党と立憲民主党の総裁選(代表選)一色です。監督問題とは全く違いますが、人事という意味では本質的には同じような興味の対象じゃないかと感じています。
野球が競技なら、政治は政策と立法が本来のところ。しかしメディアで盛り上がるのは、政局のときが多くないですか? 選挙もそうですが、組閣とか、いわば人の浮沈、もっと嫌らしく言えば、誰がどうなる? って「人の不幸は蜜の味」を楽しんでいるような…。
今は会社員ではなくなりましたが、そういや昔は社内の人事も盛り上がっていたっけ。
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