藤井風 alone at home Tour2022 新潟
はじめに
2022年5月22日、私は初めて藤井風に会える機会を得た
この貴重な体験を自分のために記録に残そうと思う
そして、もし読んでくれる人がいるなら、私が彼からもらった幸せの一部でも届いてほしい
尚、ライブ前にはネタバレにはあまり触れないようにしていた
ライブ後も、自分の感じたものを記録するまでは…という思いから、他の方の長文レポなどはまだ読んでいない
ただ、乏しい記憶を補完するためにセトリのネタバレは参照させていただいた
音楽の素養等ない、ど素人の感じたことをそのまま書いており、誤り等あるかもしれません
衣装イラストについても、ない画力を振り絞って描きましたが、ライティングなどで実際の色とは違って見えている可能性もあり、そもそも再現力に問題があるので、薄目でボンヤリと見てください
ステージセットの絵についても、見えた範囲、覚えている限りを絵にしましたが、どんな色だったかや細部についてほとんど記憶のない場所などもあります
イメージを膨らませる参考程度とお考えください
また、MCについては記憶に残った言葉をつなぎ合わせてそれっぽい文章にしたに過ぎず、一言一句同じではもちろんありませんし、実際に話したタイミングと違っていたりするかもしれません
ニュアンスとして受け取っていただければと思います
オープニング〜お着替え1回めまで
今回、私は一階10列下手側に席を用意して頂けた
席に座って緞帳の降りたままのステージを見ると、想像よりもずっと近いその距離に泣きそうになった
ライブは定刻に始まった
場内SE―ちょうど【Refrection Eternal/Nujabes】が流れていた―がフェイドアウトしたと思ったら、ブザーが鳴った
思わず場内の時計を確認すると、定刻の18:30だった
緞帳がゆっくりと上がる
ステージ上は暗い
上手側に階段が設置されているのがまず目に入る
ステージ中央には風さんの相棒のハイブリッドピアノがあるが、その前に風さんの姿は見つけられず、視線を彷徨わせた
ピアノではない音がした
ピンスポットの下、ステージ下手側、私の席のちょうど正面辺りのソファーに腰掛ける風さんがいた
一般的なギターより少し小ぶりに見える弦楽器(ミニギターまたはギタレレかもしれない)を爪弾きながら、歌い始めた風さん
サングラスをしている…?
ピアノではなくギター演奏だから、少しカッコつけた演出なのだろうか…そう思いながら、初めて生で見たその姿を凝視していた
吐息交じりの優しい歌声とギターの音色
私の知らない曲だった
ギターのことは全くわからないのだが、叩くように「チッ」と鳴らしコードを鳴らすそのリズムがとても心地よかった
(後に、【Best Part/Daniel Caesar】だったとわかった)
風さんが体を少し動かした
顔が見える
サングラスではなかった
本気で思った「彫りが深いにもほどがある…」
曲が終わる
拍手の中、マイクを片手にアカペラで歌いだした風さん
途端に拍手が止まる
彼の発する音を一つも漏らさず聴きたいのは、会場中みな同じなんだと感じた
かなりスローに歌いだしたのは【Weak/SWV】だった
歌いながらピアノに近づいていく
立ち上がり、少し照明が明るくなったのでようやく衣装の全貌が見えた
パステルピンクのフーディーとスウェットのセットアップ
足元は白のスリッポン
「本当に何色を着ても似合うなぁ…」とアホみたいなことを思いながら姿を目で追う
アカペラのままサビのワンフレーズを歌い終わり、続けてピアノとともに改めて【Weak】を歌う風さん
会場からはそろそろと手拍子が始まり、次第に会場中に広がる
初めて生で聴いたピアノ演奏が、風さんが大好きだと語るこの曲であったことが嬉しかった
そこから、【Sunny/Bobby Hebb】と【Circles/Post Malone】を2曲続けて歌った
【Sunny】は低音から高音へ滑らかに駆け上がり、そしてまた低音へと自在に声を操る
そして言うまでもなくピアノ演奏も素晴らしい
今度はためらいなく会場から手拍子が沸く
曲の終わり、最後の一音を長く長く歌ったのがとても印象的だった
続けてすぐに【Circles】
つややかでのびやか、ピアノにはポップさも感じるのに、声はめちゃくちゃエモかった
そしてセクシーでもある
部屋着のような衣装でこんなに感情豊かに歌う人、本当にいた
今同じ空間に、いた
ここまで4曲が終わると、黙ったまま立ち上がりステージ奥へと向かう風さん
正にhomeを再現したようなステージセットは部屋のようになっていて、風さんの向かった先には小さくてアンティークなデザインの冷蔵庫があった
そこから青色の瓶を取り出し、大きなグラスに水を注ぎ、黙って水を飲んだ
飲み終わると静かに話し出した
ひと言めは「Hello friends」だった
ここでのMCは全て英語だった
以下、おおよその意味です
そして、英語のまま
と言い、ステージ上ピアノの奥にあるテーブルの上からじょうろを手に取ると、ステージ前方にある花壇に水やりをするマネを始めた
ときどきじょうろを大きく上に持ち上げる仕草をすると、その度に場内からは笑いが起こる
なんだか、緊張がほぐれた気がした
水やりのマネを続けながら、【ガーデン】イントロのハミングを歌いだす風さん
ハミングを続けながら、ピアノに向かいじょうろをピアノの上に置く
そして、ピアノの前に座り【ガーデン】を歌いだした
私の席からは、はっきりと顔は見えないものの、肉眼でもどうにか表情を伺い知れた
柔らかな優しい表情で歌いだし、曲盛り上がるにつれ、切なげにも見える表情に変わる
高音部の伸びも素晴らしく、声量に圧倒された
終わるとまた、すぐに次の曲のイントロが始まる
幻のイントロのピアノ演奏から始まったのは、【きらり】
ステージで演奏する風さんを観ながら、頭の中には昨年行われた”Free” Liveの配信で、映像がモノクロからカラーへと切り替わった場面が鮮やかに蘇った
アレンジも、まったく同じではないものの”Free” Liveを彷彿とさせるものだった
曲の途中で低音をガーンと鳴らしてブレイクを入れてから、静かに曲を再開させるあのパートなど…
明らかに”Free” Liveを意識したアレンジだった
それが、確信に変わったのは次に【優しさ】をアカペラで歌いだしたとき
私の脳内にはまた、あの日雨に打たれながらカメラをまっすぐ見据えてアカペラで歌っていた姿が再生されていた
あのとき、スタジアムを走った代わりに、風さんはステージセットの階段を上って行く
二階に着き、まっすぐ正面を向いて歌うその姿はやはりあの日と重なった
そして、ゆっくりと階段を降りてくるとピアノの前に座り、ピアノとともに【優しさ】の続きを歌いだした
このときのアレンジも厳密には違うのかもしれないが、”Free” Liveのときと似ているように感じた
目の前で今歌う風さんを観ながら、あの日alone at stadiumだった姿も浮かぶ
行けなかったあの日のライブまで追体験したような不思議な感覚だった
そういえば、【きらり】は間奏の途中「ニイガタァ~」と力の抜けた声で言っていたと思う
あと、最初の方で歌詞を間違えていたような気がする
【優しさ】を歌い終わると、またテーブルの上のグラスを持ち、水を飲み始める風さん
「今日はたくさん水飲むなぁ~」と思うほどゴクゴク飲み続けてる
と、思ったら私の距離からでもダラダラと水をこぼしたのが見えた
そう言って、ステージ奥の衣装がかけられているハンガーラックに向かう
「あぁ、これが噂の生着替えか…ということは、さっきの水をこぼしたのは演出か」と、妙に冷静に思いながら着替える様子を見る
場内は大いに盛り上がっている
そう言うとためらいなく、ズボンも脱いだ
テカテカ光沢ある生地の赤トランクス(かなり大きい)の後姿を惜しげもなく満員の観客に晒す
階段下にある姿見に向かいながら
など、クスっと笑いを誘うフレーズを入れつつマイペースに着替え続ける風さん
そこにドアホンが鳴った
リクエストコーナー
ピンポーン ピンポーン
ドアホンが鳴る
と言いながら、ステージ上手側にあるドアに向けて歩いてくる風さん
まだズボンは手で持ち上げているだけで、ファスナーもホックも留められていない
ドアの前まで来てからようやくズボンを穿き終わり、ドアを開ける
衣装は赤がメインのブルゾンとグレーのスウェットのようなズボン、足元は黒のビーチサンダルに変わっていた
訪ねて来たのは、ツナギを来た配達員ふうの方
風さんの生配信時の相棒として、すっかり見なれたあのキーボードを配達に来たという設定のようだ
配達員さんが小さな紙袋を差し出す
配達員さんがキーボードをピアノの前の人工芝エリアに置き、配線している間、
紙袋の中身をピアノの上に並べつつ、一生懸命ひとりで喋り続ける風さん
ご当地ネタに会場は喜びの拍手で盛り上がる
セッティングが終わった配達員さん
配達員さんの「あれ?もしかしてフジイカゼさんですか?」というジェスチャーによる小芝居にも応じる
配達員さんが立ち去り、またステージには風さんひとり
キーボードの出現に、いよいよ…とワクワクする
会場の期待も膨らんでいるのが感じられた
言いながら、ステージ下手においてあるリクエストポストへと近づく風さん
ポストの中から大きな布製の袋を取り出す
ずしりと重そうで、小さなカードでも約2000人分となると、あんな量になるのか…と思う
自分のリクエスト曲を歌ってほしい気持ちもあるが、同時にあの中から選ばれるなんて、無理だなという諦めもあった
そんなの決まってるじゃん、と思ったけど風さんは本気で言っているのかもしれない
リクエストカードの入った袋をキーボードの横に置き、風さんがキーボードの前に寝そべる
それだけで拍手が起きるとこんなことを言う
可愛らしいって言われるのも嬉しいけど、
みんなが風さんに会いたくて、新潟に来てくれるのをずっと待ってたのが伝わったのだとすれば、それがすごく嬉しい
そう言って、スマホを持って戻ってくると、
寝そべったまま大きな袋に長い腕を奥まで入れて、少しかき回してリクエストカードを一枚引く
1曲目【あなた/宇多田ヒカル】
リクエストカードのメッセージを読むと躊躇する様子なくすぐに歌いだした
途中何度か、歌い直したりを交えながらワンフレーズ歌い切った
そういいながら、次のカードを引くと変な声が出る風さん
リクエストカードを読むと会場は爆笑
願いをかなえよ Sexy Zone
と本当にワンフレーズだけ歌い、最後はこぶしを握り締めて決めポーズ
会場はここまでで一番の笑いに包まれた
2曲目【Sexy Zone/Sexy Zone】
すぐさま次のカードを引くと、
そういいながらも、リクエストカードを読むとすぐ迷いなく歌いだした
3曲目【Love Is Blind/Janis Ian】
切なげな曲調は風さんの声とよく合っているように感じた
すてきな曲をリクエストしてくれた方に感謝
次の曲もカードを引くと、苦笑いがもれる
リクエストカードを読み、
そう言う風さんに、会場中が心の中で「あなたが言う?!」って突っ込んだと思う
4曲目【知らない/星野源】
とても素敵な曲で、原曲聴いたことなかったけれど風さんの歌い方もすごく切なくてよかった
リクエストされた方が、「思い入れのある曲だから思い入れのある人に歌ってほしい」みたいなことを書かれていたのが印象に残っている
次のカードを選ぶために袋をガサガサしながら、
そういう風さんに笑いが起きる
5曲目は【Automatic/宇多田ヒカル】
カードを引くとホッとした様子で、少しおどけた声で選んだ理由を読む
サビから歌いだす風さん
やはり歌ったことのある曲は迷いがない
ただ、歌詞は間違っていたと思う
聞き覚えのない歌詞で歌っていた
6曲目【Shake It Off /Talor Swift】
リクエストカードを読むと、すぐに歌いだす
何度も何度も聴いているアレンジだが、生で聴くとグルーヴ感が本当にすごい
HEHC収録曲から聴けたというのも嬉しかった
そう言いながら引いたカードは7曲目【True Love/藤井フミヤ】
藤井繋がりに何か言いたそうにも感じたけれど、あまり知らないと言いつつやはりサビから歌い出す
しかし、本当にあまり知らなかったようでサビの最後はメロディも歌詞も風さんのオリジナルになっていた
8曲目【帰ろう】
カードを引くと「マジか」と声が漏れる
なんだろう?と思っていたらこの曲だった
おそらく初めて聴いたアレンジでイントロが始まった
いつもより少し跳ねるような歌い方に感じた
しっかりワンコーラス歌ってくれたので、このあとのセトリに影響しないのかな?と少し心配になったが、結果的にセトリには含まれていなかったようなので、リクエストで聴けて本当によかった
そう言って今まで引いたカードを数えて8枚しかないことを確認すると、あと一曲そう言いながらカードを引く
見た途端に苦笑いのような笑いを漏らす風さん
リクエスト理由の「ジャニーズで1番好きな曲」に会場からも笑いが起きた
9曲目【Imitation Rain/SixTONES】
以前にラジオで歌ったことがあるのは知っていたので、期待しながら聴いた
サビから歌い出し、最後はウィスパーボイスも聴けて最高だった
期待以上だった
皆が手を挙げると、
そう言いながら、ひとり選び出す
私の席からは二階の様子は見えないが、マイクを持ったスタッフの方に、
など、意外と雑な指示を出すのでその度に会場には笑いが起きる
指名されたのは、おそらく若い女性
そう言っていたが、曲名の時点で衝撃過ぎたのか、このあとお二人共理由を聞かれることはなかった
お一人目のリクエストは、【Love So Sweet/嵐】
タイトルの時点で会場もジャニーズ率の高さに笑いが起きたが、風さんもつい呟く
リクエストした女性から「それはHappinessやん」と冷静なツッコミが入り、また会場に笑いが
結局、You Tubeで確認することになった
風さんが何か言うたび、会場には笑いが起きる
自然体に見える風さんの様子はもう、それを観ているだけで楽しくて嬉しくて仕方ないので、いくらでも続けてほしかった
スマホからYou Tubeで流しながら、キーボードを弾き、歌い出す風さん
かと思えばまたすぐ演奏を止めて
会場は爆笑!
また聴きながら、歌い出す風さんに途中会場からは、タンタタン、タンタタンと手拍子が起きる
そう言って笑う風さん
何度か歌ったり中断したりしながら、ラスサビ前
そう言って、ラスサビを歌いきった
会場は大きな拍手だった
そう言って指名されたのはまた若い可愛らしい声の女性(学生さん?)
リクエストは【鯉/あいみょん】
「コイは魚の方の鯉で…」そういう女性に
と、まさかのリクエスト変更を求める風さん
そんなやりとりも楽しくて、本当にずっと笑っている
女性は、「じゃあ、レディ・ガガの…」といって【Hold My Hand/Lady Gaga】をリクエストする
と、抵抗する風さんだが、「お願いします」という女性の声に
と、観念した様子でまたスマホで検索を始めた
そういえば常々思っていたが、風さんのスマホの文字入力のスピードはすごく早い
あっという間に入力してさっさと検索してみつけてる…
再生するといきなり「楽天カードマン」のCMが流れる
その口調がなんともかわいかったので、You Tube Premium入ってなかったの、お得でしたw
曲を聴きながら歌詞を探す風さん
そう言ってましたが、書いているの見つけられなかったようです
そう言うと真剣な表情で耳を傾ける風さん
一度聴くと今度は歌詞を検索してから歌い出した
力強い歌声にみんなが聴き入っていると途中で演奏を止める
そう言いながら、もう一度YouTubeに聴き入る
そうしてたった2回聴いただけで耳コピと同時にアレンジして歌って見せた風さん
本当にこんなこと風さんにしかできないだろう
知っていたつもりだったけれど、その凄まじさをまざまざと見せつけられた
それも、ゆるゆると楽しい演出の中で…
そう言ってくれていた
私が書いたメッセージも読んでくれたかな〜
「毎年人間ドック受けてください」(本気)
藤井風さんの曲~二人目のお客さん
リクエストカードのどっさり入った袋をポストに戻すと
その言葉に会場からはもちろん大きな拍手
ピアノの前に座りパン パンと、手拍子を促す風さん
なんの曲か分からず、いまいち揃わない手拍子が
風さんがイントロを弾き始めた途端にピタリとひとつになって、その一体感に胸が熱くなった
【何なんw】
声を出せないことをもどかしく感じつつ、その分思い切り手拍子をする
今まで聴いた【何なんw】よりもJazzyなアレンジに感じた
声もピアノの演奏も、力強くてとにかく圧倒された
きっとこの曲はいつになってもライブのセトリからなくなることはない
最初にして真骨頂の曲なのだなと、生演奏を聴いて改めて思った
続いて【ロンリーラプソディ】
イントロを弾きながら、ゆっくり話してくれる
そうして歌いだす
すーはーのパートでは、風さんが優しく誘導してくれる
まるっきりセラピーだった
この曲では途中歌詞を間違えて、少しだけ歌い直すということがあった
それも、一人での弾き語りならではだなぁと感じた出来事だった
【ロンリーラプソディ】の後は、LASAの曲順通りに【それでは、】【青春病】と続いた
【それでは、】
TELASAの限定コンテンツでも弾き語りを観ていたが、実際にライブで聴いてもピアノ、歌声ともに収録音源と何ら遜色ない
直に情感が伝わる分、ずっとずっと胸に響いた
会場中が暖かく包まれたようだった
【青春病】
【それでは、】のエンディングからそのまま、LASA editと同じピアノのタララランの音が続き、音源とは違ってピアノのイントロが始まった
個人的にとにかく大好きで仕方ない曲
初めて聴いたアレンジも素晴らしかったし、ラストに向けての風さんの歌声が力強いのに切ない
アウトロの最後、足で大きく床を鳴らしていたのもすごく印象的だった
残念だったのは、着席だったので遠慮してしまって野ざらしダンスができなかったこと…いつか絶対やりたい
それから、この藤井風さんの曲パートでどうしても言いたいことがある
それは、モニターに映る映像について
気づくと照明が夕暮れを思わせる色になっていて、セット奥にある窓の外も夕焼けのようなオレンジ色だった
それまで、できるだけ肉眼で見ようと、謎に意地を張ってあまりモニターを見ていなかったのだが、ふとモニターを見るとなんだか見覚えのある画!!
YouTubeの画角じゃん!!と一人、勝手に興奮する
どこにカメラが設置してあるのか、モニターに映し出される画角は4~5パターンあったが、特にそのうちの2パターンが、私の眼には風さんが里庄時代にカバー動画を上げていた頃のYouTubeの画角と重なって見えた
それがまた、ステージセットの作り出す世界観、風さんのピアノ、歌声全てと合わさってとてつもなくエモかったということを残しておきたい
【青春病】が終わり、水を飲む風さん
そこに、また「ピンポーン」とドアホンが鳴る
構わず水を飲み続ける風さん
「ピンポーン」再び鳴ると
と言ってまだ応じる様子のない風さん
結局、3~4回鳴ってからようやくドアを開けた
入って来たのは、可愛らしいオーバーオールの衣装を着たエリザベス宮地監督!!
実は、そこまでの演奏の途中、私の左斜め前方で黒づくめの服を着て客席を撮影している宮地監督がいることには気づいていたのだ
しかし、ステージに登場するとは思いもよらず驚いた
私の隣に座っていた男性もそうだったが、監督が登場しても誰だか分からない様子の方も多かったようだ
風さんがまるっきりの棒読みで紹介する
モニターの映像は、監督の持つカメラの映像に切り替わる
「引っ越し祝い持ってきたよ」そういって監督が持ってきたのは、ポッポ焼
そう言う風さんに「風くん、あれやってよ!きらりBTSのあーんのやつ」と振る監督
それに応える風さんの様子がアップでモニターに映る
そのあと、自分でひと口、ふた口とポッポ焼を食べる風さん
ポッポ焼は、黒糖風味の焼き菓子で食感は蒸しパンに近い
なので、そんなに食べると
そう言って、何故か水の入っていた瓶の上に食べかけのポッポ焼を置いた
宮地監督がここでまたご当地ネタをぶっこんでくる
「いとしげら~」
これは、可愛らしいという意味の新潟弁らしい
(らしいというのは、同じ県内でも私の住む辺りでは使わないので知らなかった)
それを聞いて、何かを思い出した様子の風さん
「ぶす」を、ものすごく申し訳なさそうに言う風さんがまたかわいらしい
翌日同じスタンプを買ってしまったことは言うまでもありません
「風くん、ちょっとさ記念に写メ撮ろうよ」そう言って、今度は監督の持つスマホ(Google Pixel 6?)にモニターの映像が切り替わる
モニターに映し出された時間は19:59だった
ロック画面が解除されると、待ち受け画面はずっずさんのアップという仕込みもあり、会場はまた大笑い
風さんは一曲目のときのソファーに座り、監督が差し出した(?)レルヒさんの顔のぬいぐるみと共に写メを撮る
「風くん、せっかくだからレルヒさんと一緒に一曲歌ってよ、動画撮るから」そう監督が促す
風さんはレルヒさんの顔を、じょうろを支えにピアノの上に置こうとするが、じょうろが軽くて上手くいかず、ポッポ焼をどかして水の入っていた瓶を持ってくると、それを支えにしてピアノの上に置いた
ピアノのイントロが始まる
流れるようなドラマティックなピアノの音
すぐには何の曲か分からなかった
次第に聞き覚えのあるメロディが入ってくる
【燃えよ】だった
歌いだしは原曲よりもゆったりスローに始まった
イントロと同じくドラマティックなアレンジ
次第にテンポが上がる
途中、ピアノから転がり落ちたレルヒさんを監督が拾い上げ、風さんの顔に近づける
間奏を演奏しながらレルヒさんにキスをするという大サービスに会場は大いに沸いた
そして、アウトロ!
紅白出演時のアレンジを思わせるあの超絶ピアノを弾くその姿がモニターに映し出されたのだが、その画角、誘うような表情はまさにあの紅白歌合戦のそれだった
もう、クラクラするぐらい最高だった
そう、We are babiesのところはやはり、 We are just babiesと歌っていたことを書き添えておく
監督が、帰り際「チャック閉まってるか確認してね」と言うと、その場ですぐに確認する風さん
本当に開いていたのかどうかは定かではないが、そんな言葉にもとにかく笑いが起きる
こんなにずっと笑顔と笑い声だらけのライブ他にあるんだろうか
カラオケ~エンディング
そう言ってまた着替え始める風さん
着替えながら、
着替えが終わってステージ前に歩いてくる
衣装はきれいなペールグリーンのジャケットとズボンのセットアップ、足元は茶のレザーのスリッパ??に変わっていた
テロテロとした生地感からか、先ほどまでとは違った大人の色気が漂う
ステージのかなり前まで出てきて、二階席の辺りを観ながら
そう言ってリモコンを操作するようなしぐさをした
ずっと立ちたくてソワソワしていたので、その言葉にすぐに立ち上がった
会場中みんな立ち上がっていたと思う
照明が暗めに変わり、いつの間にかミラーボールが表れキラキラと光が回る中、【damn】のイントロが始まる
風さんはくねくねと体を揺らしながら、踊りながら、歌いだす
それまで、座っているか寝そべっている姿ばかりだったので、ここにきて改めて風さんのスタイルの良さに驚く
背が高く足が長いのはもちろんだが、とにかく顔が小さい
あんなにスタイルのいい人、生で見たの初めて!
この曲の後半、この日初めて高音部の発声が少し苦しそうに聴こえた
会場の盛り上がりは最高潮
体を揺らしながら手拍子をして、音楽に身を任せつつ、目はステージの風さんから離さないように必死!
なんとなく行進を思わせるような動きで歌う姿がかわいかった
続いては【まつり】
イントロ初めのピアノパートだけが繰り返し何度も流れる中、ゆっくり階段を上っていく風さん
風さんとミラーボールと、それらが映るモニターが一度に視界に入る
スタンドマイクを前に歌いだすと、さっき寝そべっていた人とは別人のような色気があふれている
一緒に踊りながら、手拍子しながら、本当に楽しかった
ブリッジ部分(僕が激しく〜)は、MVのイメージ通りの赤と黒のライティングで、その中で眼光鋭く歌う姿は妖しいほど美しい
最後の「ハッ」はあのかわいい決めポーズだった
歌が終わると大きな拍手
話しながら階段を降りてくる風さん
会場からは思わず「えーー!」という声が漏れる
その言葉に、会場の皆が座り始めると
そう言いながら、最後の曲【旅路】のイントロを弾き始める
すごく優しい、やわらかいトーンで歌いだす風さん
途中、盛り上がるにつれテンポが少しゆっくりになったり(報ステの旅路生演奏のときのような感じ)、感情のままに歌うような様子はやはり弾き語りならではだと感じた
会場中をあたたかく包み込んで、最後の演奏が終わった
最後は、ありがとうございましたと言いながら、ステージの前方ギリギリまで出てきて深く頭を下げてくれた
ステージ奥に一度戻ると先程食べかけだったポッポ焼きを頬張る
そして、両手を振りながら、名残惜しそうなしぐさでステージ上手のドアに消えてしまった…
緞帳の下りたあとのステージで印象的だったのが、リクエストコーナーで使ったキーボードが、緞帳の外側にあったこと
前方センター付近の席の方々は、どれほど距離が近かったのだろうか…
私の席は適度に距離があり、購入して持参したオペラグラスも結局使用しなかったため、モニター以外では顔がはっきり見え過ぎなかったことが、冷静さも保ちつつ楽しめた理由かもしれない
最後に
およそ二時間におよぶライブを休憩も挟まず、たった一人で歌い、演奏し、しゃべり、踊り、楽しませてくれた風さん
こうして振り返ると、デビュー前から現在までの風さんの活動のハイライトシーンを2時間にまとめて見せてくれたのではないかと思う
You Tubeカバー動画の頃の雰囲気、"Free" Liveを思わせる演奏、目の前で寝そべり配信、きらりBTS、紅白歌合戦、報ステ…
弾き語りあり、バチバチにキメて歌う姿あり、もちもちのトークに、即座にリクエストに応える対応力も見せつけた
藤井風の魅力の全てを惜しむことなく、余すところなく詰め込んでくれたライブを超えた総合エンターテイメントだった
観た人は、いわゆるライトなファンでも魅了されずにはいられない、そんなライブに仕立てられていた
けれども、ファンたちが何を喜び、何に沸き立つのかわかった上で、そこをしっかり突いてくる演出は、実は既に彼に魅了され沼に住み着いているファンたちの方を向いて作られているのではないかとも思った
届いているんだなと感じた
愛されているんだなと感じさせてくれた
風さん、
本当にありがとうございました
そして、このダラダラと長い文章を読んでくださったあなたも、本当にありがとうございました