キーボードを叩くより、万年筆で書くほうが速く文章を書けるのはなぜだ?
文章を書くのが好きです。書く仕事をしていたこともあります。
思考を、うまく文章にしたい。そのために、書く道具を工夫してきました。
ウルトラライトなラップトップ(VAIO C1とかtype Pとか)を持ち歩いたり。モバイルギア(DOS版もWindows CE版も)やポメラなども使ってみました。
アプリもいろいろ試しました。ワープロ、テキストエディタ、アウトライナーなど。
でも、道具が高性能になって、便利になっても、文章をこねくり回しやすくなっただけ。キーボードを叩けば叩くほど、焦れて急かされて、下書きはいつまでも下書きのまま。
道具に罪はありません。私の能力の限界でしょう。
文章を書くのとは別のアプローチで、万年筆を使い始めました。趣味として、手帳に日記を書くのです。
しばらくして不思議なことに気づきました。手書きだと文章が早く書けるのです。
書く文章は日記です。単純な短い散文。こんな文章でさえ、私はデジタルで書くといつまでも編集を重ねてしまうのですが、時間をかけて手書きすると、一発で書けるのです。
万年筆なので直そうと思っても直せませんが、そもそも直さなくても気にならないほどのアウトプットには、なります。
ゆっくり書く方が文章が整うというエビデンスがあります。
私の場合、思考の速度がキーボードを叩く速度に追いつかないのでしょうね。タイピングの速さ自慢じゃないですよ。思考が遅いのです。
紙に手書きだと、書く速度と思考の速度がリンクして、心地よいのでしょう。
こんな発見も、万年筆を使い始めてよかったことのひとつです。
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