ピッチングの妙:遅い球の魅力
野球において、球の速さは確かに重要な要素ですが、それだけで投手の良し悪しを決めるべきではないと私は思います。速い球は確かにバッターにとって反応する時間を短くし、難しいですが、速さに慣れてしまえば当たるようになり、速い球はその反発力で飛びやすくなることもあるのです。
今回は、高校時代の私の経験を基に、遅い球のピッチングの妙についてお話ししたいと思います。
高校時代のピッチング
私は高校時代、球速が速い投手ではありませんでした。平均時速は120kmほどで、高校野球としては打ちやすいスピードでした。しかし、不思議なことに打たれにくく、特にホームランを打たれることはほとんどありませんでした。印象に残っているホームランはたったの1本で、それさえも悔しい反面、美しいスイングに感動するほどでした。
なぜ打たれなかったのか?
自分のピッチングを振り返り、なぜ打たれにくかったのかを考えてみました。
キレ
遅い球ながらも、初速とキャッチャーミットに収まるまでの速度がほとんど変わりませんでした。私の場合、速度の落差は時速2~3kmほどでした。バッターからすると、見た目以上に速く感じたようです。これは、ボールが予想より速く感じさせる効果があったのかもしれません。
コントロール
パワプロ君やプロスピのように、ストライクゾーンを9分割して投げ分けるイメージを持っていました。実際には、「真ん中」「インロー」「アウトロー」「インハイ」「アウトハイ」の5か所に投げ分けを意識していました。変化球も同様に投げ分けていました。この精度の高いコントロールが、バッターにとって打ちにくい要因となっていたのです。
緩急
変化球としてカーブを投げていました。遅い球がさらに遅い変化球の後に来ると、バッターには速く感じさせる効果があります。この緩急の使い方が、バッターのタイミングを狂わせ、打ちにくくしていたのだと思います。
結論
自分の感覚よりも速く感じる直球に加えて、変化球でもストライクが取れることで、緩急によるタイミングのずらしがバッターにとって非常に厄介でした。さらに、遅い球はタイミングがずれるため、打たれても飛距離が出にくいのです。
実際の選手例
私のピッチングスタイルに近い選手としては、「山本昌投手」「下柳剛投手」「星野信之投手」が挙げられます。彼らも決して速い球を持つ投手ではありませんが、その投球術で多くのバッターを抑えてきました。
感想
現在は草野球を月に1回程度楽しんでいます。チームメイトには「球が遅い」「ストレートという名の変化球」と言われますが、それでも打たれていないので自信を持っています。遅い球でもピッチングの妙を活かせば、十分に通用するのです。
球の速さだけで投手の評価を決めず、遅い球でも自分なりの工夫で楽しくプレーすることが大切です。皆さんも、自分なりの答えを見つけてスポーツを楽しんでください!