清水さん
駅を歩いていると、見知らぬ若い女性が「清水さん!」と私の顔を見て驚いていた。私は清水さんではないし、世の中にこんなにハンサムな清水さんなどいるはずも無いので、完全なる人違いであるが、このまま偽清水さんとして会話を続けた場合に、この女性がどの会話のどの情報で間違いに気づくだろうと興味を持った。しかしこの女性と清水さんの関係が知人以上の好意であれば良いが、その全く逆、「親の仇を長崎まで行かずとも江戸で見つかったわー!カッカッカ!」と高笑いとともに日本刀などをギラン!と閃かせた場合の事を考えて、私はその女性に向かって小首を傾げて見せて、「人違いですよ」アピールをして静かにすれ違うのであった。
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