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日本人がeBayをためらう理由②海外発送の不安とその対策について!

海外発送に初めて挑戦する方にとって、一番のハードルは「不安」かもしれません。複雑な手続きや国ごとの規制、配送中のトラブル、そして関税や送料の計算など、多くのポイントで戸惑うことがあるでしょう。実際、私自身もさまざまな失敗を経験しました。その中で学んだ教訓と対策をもとに、海外発送に関するよくある不安とその解消法をまとめました。この記事を通じて、あなたの不安を少しでも軽減し、スムーズな取引のお手伝いができれば幸いです。

 海外発送の不安

国際配送に不慣れな場合、発送手続きや関税、配送トラブル(紛失や破損など)に対する不安がある。 配送料の計算や追跡サービスの利用もハードルと感じる人が多いです。

◆なぜ海外発送に不安を感じるのか?

手続きが複雑
国際配送には、配送先ごとの規制(禁輸品、サイズ制限など)を理解する必要があります。

例えば、ブラジルやベトナムでは中古品の輸入が禁止されています。また、クロコダイル製品はワシントン条約に違反しているため輸出できません。スペインでは、個人からの化粧品の輸入が禁止されているといった規制があります。

私も以前、クロコダイル製品をアメリカに送った際、アメリカの税関から「輸入できないため返送する」と連絡を受けました。その際、発送時の送料と返送時の送料の合計約5,000円に加え、返送品を日本に再輸入する際の輸入税として約5,000円を支払う必要がありました。さらに、経済産業省から、その商品をどこで購入したのか、なぜ輸出したのかについて経緯書の提出を求められました。その後、2回にわたりズームで「輸出してはいけない商品」に関する教育を受けることになりました。

こうした経験から、特に未経験者にとってはこれらの手続きが非常に煩雑で難しく感じられることが多いと思います。

配送料の計算が難しい
配送方法(航空便、船便、エコノミー便など)や目的地によって料金が大きく異なるため、正確な送料を計算するのは難しいです。特に、オーストラリアの場合、FedExを利用すると送料が高くなり、さらに地域によっては追加料金が後日請求されることがあります。

送料を低く見積もりすぎると利益が出なくなるリスクがあるため、私が実践している方法を紹介します。小さな商品は発送国に関係なく一律21ドル、バッグの場合は小さいバッグで27ドル、大きいバッグで29ドルをお客様にご負担いただいています。オーストラリアの場合、これらの金額よりも送料が高くなることもありますが、eBayでの購入者の9割以上がアメリカ在住のため、3パターンの料金設定にしています。

多くの日本人セラーは送料を無料に設定していますが、アメリカやヨーロッパのセラーは送料をお客様に負担していただくことが一般的です。そのため、必ずしも送料無料が良いとは限りません。

配送料金を正確に計算するのは難しいため、大きさや重さに応じて送料を一律に決める方法がおすすめです。

配送トラブルのリスク
荷物の紛失や破損、遅延が発生する可能性があり、これらにどう対応すればよいかわからないと不安に感じることがあります。

私自身もこれまでに1度の紛失と1度の破損を経験しました。紛失については、発送した商品がなかなか届かないことをトラッキングナンバーで確認して発覚しました。すぐにFedExに連絡し、調査を依頼したところ、アメリカ現地で商品が紛失したことが判明しました。この場合、保険をかけていなくてもFedExでは100ドルまで補償してくれるため安心でした。また、送料も返金してもらえました。

破損については、円形の化粧ポーチを箱を使わずにプチプチで包み、ビニール素材の梱包材で送ったことが原因でした。この場合、しっかりとしたボックスを使っていれば補償が適用されたとのことです。そのため、梱包には特に注意が必要です。日本のように丁寧に商品を扱ってくれるとは限らないことを理解しておくべきです。

遅延に関しては、発送後に配送状況をこまめに確認し、問題があれば配送会社に連絡し、その状況を購入者(バイヤー)に適切に伝えることで、大きなトラブルを防ぐことができます。むしろ、きちんとした対応をしているとバイヤーに良い印象を与えることができます。そのため、商品を発送して終わりではなく、バイヤーに商品が無事届くまでしっかりとフォローすることが大切です。

関税の問題
受取人が関税を支払う必要がある場合、これを購入者に適切に説明しないとトラブルの原因になることがあります。

特に高額商品を扱う場合、関税が商品の最終的なコストに大きな影響を与えるため、商品の説明欄には必ず関税に関する注意事項を記載することが重要です。

eBayでは、関税は購入者(バイヤー)の責任であると明記されています。そのため、出品者(セラー)が関税を負担する必要はありません。また、バイヤーが関税を理由に商品を受け取らない場合、eBayはセラーを保護する仕組みを用意しています。

関税未払いで商品が受け取られなかった場合、該当商品は配送会社によってセラーに返送されるか、現地で破棄される場合があります。返送された場合は、配送会社に連絡して、商品が届けられなかった理由を証明する正式な書類を発行してもらうことをお勧めします(配送会社の担当者からのメールでも問題ありません)。

返送された商品については、バイヤーがeBayで返品や商品未着のケースを開いていない場合、関税や返送料を差し引いた金額で部分的に返金することを検討してください。ただし、商品が破棄された場合は返金する必要はありません。

万が一、バイヤーがその後「未着」などのリクエストを提出した場合でも、配送会社から発行された「配達できなかった理由」を証明する書類をeBayに提出すれば、リクエストは返金せずにクローズされます。この仕組みがあるため安心です。

配送追跡や保険の理解不足
国際配送では、追跡可能な方法を選ぶことが推奨されますが、どのサービスを利用すべきか、また保険の必要性について迷うことがあります。

私も以前、送料が約1,200円と安かったため、数回にわたり郵便局の国際小包で商品を発送しました。しかし、最後に送った商品がなかなか配達されず、郵便局に問い合わせたところ、「発送先の国で紛失した可能性が高い」との回答を受けました。この時、日本郵便は日本国内での紛失には補償があるものの、発送先の国での紛失については責任を負えないことを知り、大変驚きました。当然ながら商品が購入者の手元に届かなかったため、全額を返金する必要がありました。さらに、送付時の送料や商品の仕入れ価格も負担することになり、大きな損失を出しました。

この経験から学んだ教訓は、紛失や破損が発生した場合に補償してくれる運送業者を選ぶべきだということです。トラッキングナンバーがあっても、発送先の国での紛失を補償してくれない場合、セラーには大きな負担がかかります。そのため、FedExやDHLといった信頼性が高く、補償制度が整ったサービスを利用することで、リスクを最小限に抑えることができます。

保険についてですが、私がeBayを始めたばかりの頃は、追加料金を支払い保険を利用していました。しかし、販売に慣れてくると、必ずしも保険が必要ではないと感じるようになりました。高額商品の場合には保険をかけると安心ですが、eBay初心者のうちは、100ドル未満の商品を販売するのがおすすめです。そのため、保険は必須ではない場合が多いと思われます。


◆対策方法


1.  信頼できる配送業者を選ぶ
日本郵便のEMS、FedEx、DHLなど、信頼性の高い国際配送業者を利用しましょう。これらの業者は追跡サービスを提供しており、購入者と出品者の双方が配送状況を確認できます。また、紛失や破損が発生した場合でも補償があるため安心です。

2. 配送料の設定
配送料を正確に計算するのは難しいため、初心者のうちは以下のような一律の送料設定をおすすめします:
・500g未満の軽い商品:21ドル
・800g未満のバッグなどの商品:27ドル
・1kg以上の商品:29ドル
eBayに慣れてきたら、商品の重さやサイズに応じて柔軟に送料を設定してみましょう。

3. 保険付きの追跡サービスを利用
配送トラブルに備え、保険を付けた追跡可能な配送方法を選ぶことが重要です。これにより、万が一紛失や破損が発生した場合でも補償を受けられるため、安心して取引を行えます。

4.     関税の情報を明示する
eBayの出品ページに「購入者が関税を負担する可能性がある」ことを明記しましょう。
例文:
"Buyers are responsible for any customs duties or taxes applicable in their country."

関税に関する説明を記載しておくことで、購入者とのトラブルを未然に防ぐことができます。

5.     配送トラブルへの対応マニュアルを用意
配送トラブルが発生した際にスムーズに対応できるよう、対応策を事前にリスト化しておくと便利です。
例>
・商品がなかなか届かない場合:追跡番号を確認し、配送業者に調査依頼をする。
・商品が破損した場合:購入者に破損部分の写真を送ってもらい、配送業者に問い合わせをする。
こうしたマニュアルを準備することで、予期せぬ事態にも冷静に対応できます。

6. 販売対象国を限定する
初心者の場合、最初は発送が比較的簡単な国(アメリカやヨーロッパなど)を対象にするのがおすすめです。これらの地域では国際配送の経験が豊富な業者が多く、トラブル時の対応もスムーズです。

全世界を対象に販売する場合は、以下の点に注意してください:
・中古品を販売する場合、中古品の輸入が禁止されている国を除外国に設定する。例>ブラジル、ベトナム

・戦争中の国や安全性に不安を感じる国を除外国に設定する。

これらの工夫により、トラブルリスクを最小限に抑えることができます。


◆海外発送の不安に関する実例

例1: 発送中の紛失トラブル

  • 状況: 日本の出品者がeBayを通じて商品をアメリカの購入者に発送。国際郵便で追跡番号のない「普通航空便」を利用したが、商品が購入者のもとに届かず、購入者から「商品が未着」とのクレームを受けた。

  • 結果: 購入者に返金を求められ、出品者が損失を負う形となった。

  • 対策:追跡可能な配送方法(FedEx、EMSやDHLなど)を利用する。


例2: 関税によるトラブル

  • 状況: イギリスの購入者に商品を送った際、関税が発生したが、購入者が支払いを拒否。購入者から「こんな費用がかかるとは聞いていない」とクレームを受けた。

  • 結果: 商品が購入者の元に届かず、返品送料も自己負担となり、取引が赤字に。

  • 対策: 商品ページに「関税や輸入税は購入者の負担となる場合があります」と明記する。

トラブルがあったらeBayにすぐ連絡を入れ、購入者にも適切な情報を伝える。


例3: 配送の遅延によるクレーム

  • 状況: 出品者がアメリカの購入者に商品を送ったが、ホリデーシーズンの影響で配送が遅延。購入者から「詐欺ではないか」と疑われ、悪い評価をつけられた。

  • 結果: 出品者の評価が下がり、信頼を失う。

  • 対策: 

➡商品説明に「配送には通常より時間がかかる場合があります」と記載。
➡追跡番号を購入者に提供し、配送状況を共有して安心感を与える。


例4: 梱包の不備による破損

  • 状況: 陶器の花瓶をヨーロッパに発送。緩衝材を十分に使用せずに梱包したため、到着時に商品が破損していた。

  • 結果: 購入者から返品要求があり、商品代金と返品送料を負担する羽目に。

  • 対策

➡壊れやすい商品は、緩衝材を多用して厳重に梱包する。
➡高価または壊れやすい商品の場合、保険付きの配送方法を利用する。


例5: 海外の住所の書き間違い

状況: 購入者の住所が複雑で、手書きでラベルを作成した際に間違いが発生。商品が宛先不明で日本に戻される。

結果: 再発送費用が発生し、手間と費用が増加。

  • 対策:
    ➡ラベルは手書きではなく、配送業者のシステムで印刷する。
    ➡購入者に住所を確認し、正確な記載を心がける。

対策まとめ
海外発送にはリスクがつきものですが、事前の準備と適切な方法を選ぶことで大部分を回避できます。
追跡可能な発送方法、明確な説明、そして購入者とのコミュニケーションを重視することで、不安を減らし、トラブルを最小限に抑えることが可能です。

終わり
海外発送には確かに多くの不安要素がありますが、事前にしっかりと対策を講じることで、トラブルの大半は回避できます。信頼できる配送業者を選ぶことや追跡サービスの利用、関税に関する説明の明記など、基本的な準備を怠らないことが成功への鍵です。また、万が一トラブルが発生しても、冷静に対処すれば購入者との信頼関係を築くチャンスにもなります。

次回は、海外取引において避けて通れない「返品やクレーム対応」をテーマに取り上げます。返品のルール設定やスムーズな対応方法、トラブルを未然に防ぐ工夫について、具体例を交えながら解説していきます。

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