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赤毛のアンシリーズとハロウィン、そしてグリム童話


もうすぐハロウィンですね。すっかり日本にも定着したように見えるハロウィンですが、もともとは、古代ケルトのサウィン祭とキリスト教の万聖節前夜が融合したものと言われています。アメリカに渡ったアイルランド移民によってアメリカに広まり、アメリカから日本に伝わったのですね。

ハロウィンと言えば、ジャックオーランタンですが、これも、アイルランドでは、「ルタバガ」というカブで作られていました。アメリカではあまりカブは食べず、その代わり、カボチャが沢山穫れたので、カボチャで作るようになったということです。

赤毛のアンシリーズの中にも、ハロウィンに触れている箇所がいくつかあることを知り、「アンの愛情」をもう一度読んでみました。

左は50年前の「アンの愛情」。大切にしていますが、字が小さ過ぎてもはや読めません。新しい版のは、読みやすくて、気持ちも明るくなります。

第五章「故郷からの便り」の中に、デイビーが、「お化け提灯」でリンドの叔母さんを脅かした、と書かれています。ジャックオーランタンがお化け提灯と訳されています。原文では
I scared Mrs.Lynde with a jacky lantern last nite.
と書いてあります。

デイビー・キースは大好きなキャラクターのひとりです。
孤児だった頃から、双子に縁があったアンは、グリーンゲイブルズでも、やはり双子の面倒を見る運命だったようですね。何もかも整った優等生のドラとは正反対のデイビー。好奇心旺盛で、いたずらっこ、そしてアンを心から崇拝するデイビーはアンにとってもかわいくて仕方ない存在のようです。

我が家の双子のトイプーも、デイビーとドラのような組み合わせで、一方は天然であけっぴろげ、もう一人(敢えて一人二人と呼んでいます。)はとっても物わかりの良いおりこうさんです。どっちもかわいいのですがね。

ところで、この、「アンの愛情」を久々に読み返してみたら、また新しい発見がありました。

第17章「デイビーからの手紙」の中のこんな文章を見つけました。
「お姉ちゃんへ
一筆申し上げます。ぼくたちはみんな、かなり元気です。姉ちゃんも元気でいるように願ってます。今日は少し雪が降りました。おばちゃんは空のおばあちゃんが羽根布団をふるっているからだと言います。」

これって、グリム童話の「ホレおばさん」ではありませんか?レイチェル・リンド夫人が、デイビーにグリムのお話をさりげなく会話の中で聞かせていいるんですね。


アンシリーズには、シェイクスピアやテニスンやディケンズや聖書など、それこそキャベツから王様までい様々な引用がありますが、グリム童話もあったなんてびっくりです。

こんな発見が、また読書を面白くしてくれます。モンゴメリはきっと、物語の中にまだまだたくさんの楽しい仕掛けをいているのでしょうね。

「ミッケ!(I spy!) 」と読者が笑顔で言うのを、空のどこかで楽しみにしているのかも知れません。

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