見出し画像

私なりの『電音部』のススメ(ネタバレ無し)

「私、部活は『電音部』に入ろうと思ってます!」

♪good night baby(Instrumental)

「電音部は部員ゼロ。他の部活をオススメするわ。」
「む、無理なんです!私にDJなんて……」

「できなかったことも、3人ならできるよ!」
「どうしてそんなに電音部にこだわるの?」
「音楽が私と、会いたい人を繋いでくれる───」

「───そう信じてるから!」

電音部PV vol.0 より

はじめに

こんにちは。はじめましての方ははじめまして。
私は『ういろう』という名前でDJをやっていたり、これからお話するコンテンツの割と重篤なオタクをやっているものです。

───早速ですが、皆さんは『電音部』というコンテンツをご存知でしょうか?

まぁ、本noteをご覧いただいているということはある程度このコンテンツを知っている。或いは興味を抱いていただいていると解釈していますが……
折角なんでね、改めてご説明いたしましょう。

電音部』とは、バンダイナムコエンターテインメントが贈るダンスミュージックをテーマにした『音楽原作キャラクタープロジェクト』です。
電音部にはそれぞれ「音楽」「キャラクター」「物語」という三本の軸があり、それぞれが相互に作用し合うことで一つの世界観を作り出しています。

電音部 4周年記念生放送より

近年では学園アイドルマスター分散型自律ゴーレム りむるの登場により、その名を目にする機会が多くなった電音部。
しかし、私が見る限り
「電音部って……名前や曲は知ってるけど、結局何をしているコンテンツなの?」
と、そのコンテンツ概要についてまだまだ疑問を抱えてる方も多くいるな〜という印象を受けています。

無論、それはメディアミックスというコンテンツ形態の宿命であり仕方の無いこと。
一つの作品媒体を摂取するだけではコンテンツの良さを網羅しきれないという構造の複雑さは、時として人を遠ざけます。
メディアミックスの真髄である相互作用を体験するには、媒体ごとの導線が必要です。

ということで、本noteでは
「電音部というコンテンツがあるのはわかったけど、イマイチどうやって履修するのかわからない」
「曲はいいと思うけど、それ以上のことはよく知らない」
という方々に向けて、数年に渡り電音部の妄言しか喋れなくなってしまった私から自分流『電音部』導入チャート的なものを紹介させていただきつつ、最終的には電音部そのものが秘める良さについて私の解釈を語らせていただけたらなと思っています。

“ススメ”と銘打つにはあまりにも押しつけがましい内容になってしまうかもしれませんが、よろしければお付き合いいただけますと幸いです。

ご注意

本noteでは電音部の初心者向け導入チャートを紹介していますが、電音部というコンテンツはどの媒体から摂取してもその楽しみが損なわれることはありません。
これから書いてある内容はあくまで参考程度に。
皆さん自身で好きなようにこのコンテンツを追っていただければと思います。

また、コンテンツの概要を情報として一気に理解するという点においては下記のnoteや、公式から出ている『はじめての電音部』を参考にした方が却ってわかりやすいかと思います。

特にしひらさんの記事は本noteで触れない『第2部』『エリアチェーン』についても細かく説明してますので、こちらも合わせてお読みいただければと思います。

本noteで語るのはあくまで電音部というコンテンツを知る上での導入部分であり、それと同時に私から見た電音部の良さという、主観が多分に含まれる内容となります。
「それでも良い!」という方は、これから始まる長い長いオタク語りに付き合っていただけますと幸いです。


1. 『音楽と遭遇しよう』

電音部は先に紹介した通り音楽原作キャラクタープロジェクトと銘打たれたコンテンツです。
……ですが、その言葉だけでは電音部の特徴を説明するには少々言葉足らずかもしれません。

ですので、まずはこの「音楽」についてご説明いたしましょう。
本note冒頭に引用したセリフと画像の通り、そもそも『電音部』というワードは作中で「女子高生達によるクラブDJの部活動」として扱われています。
そのため電音部の楽曲展開は基本的にダンスミュージックを中心としており、クラブカルチャーやDJと密接に関係しています。

(40週連続リリース、生き返れ……)

上記のような名だたるコンポーザー(*1)によるクラブ・DJユースの楽曲がコンスタントにリリースされており、そのどれもがasia(*2)等のクラブを中心に様々なフロアを今日に至るまで彩り続けています。
 *1 曲を作っている人のこと
 *2 渋谷にある大型のクラブハウス

そしてこの電音部は音楽原作キャラクタープロジェクトという名が示す通り、先行リリースされた楽曲を中心にライブやストーリーがその空所を補うように展開されていくという基本構造の元成り立っています。

ということで、まずは最初に曲を聴きましょう!
上記の動画は凡そ1時間半にも及ぶ電音部楽曲オンリーDJmixとなっており、作業のお供にうってつけかと思います。
流し聴きでも良いので、是非ともまずはダンスミュージックの楽しさを体感していただければと思います。

また2025年2月現在、電音部の楽曲はRemix等の諸々も含めるとなんと合計200曲以上存在します。
電音部楽曲は大まかに『第1部』『第2部』『エリアチェーン』という3つの括りにわけられるのですが、流石にこれらを全てごちゃ混ぜにして履修しろ!というのは酷な話です。
てか今のサブスクとかマジで見づらいし……

先の通り、本noteはあくまで電音部における導入チャートのようなものですので基本的に『第1部』の話を中心にしていこうかなと考えております。
ということで、第1部の楽曲をまとめたプレイリストが以下のものになります。

(現在はSpotifyのみ作成していますが、順次その他のサブスクも対応予定です)

先述のDJmix同様流し聴きでも、通学出勤のついででも。片手間でもいいので好きなように聴いていただきたいと思っております。
詩を読まずとも、音を聴くだけで楽しめる。それがダンスミュージック……延いては音楽の持つ大きな魅力です。
まずは「音楽と遭遇」すること。
それが電音部履修への第一歩ですので。

2. 『キャラクター』を知ろう!

楽曲のクレジットを見ているとわかるのですが、電音部は第1部時点だと計12人の個性豊かなキャラクターが存在しており、住んでいる地域や性格、楽曲の傾向によってそれぞれ3人ずつ『エリア』という学校の括りでわけられています。
(他コンテンツで言う「ユニット」に近しいものと考えていただいて結構です)

第1部に出てくるのはカブキ以外の4エリア
女の関係性!女の関係性!(小島よしおのリズム)

取り敢えず曲を聴いて気になったキャラクターや、上記の画像で「なんか刺さりそうだな〜」とぼんやり気になったキャラクターがいれば結構。
「まだなんとも……」という方も、下記のプレイリストから彼女たちの素性を知っていただければと思います。

題して『電音部 コミックムービー
電音部はキャラクターの日常を垣間見ることの出来る4コマ漫画が定期的に更新されており、このコミックムービーは初期の4コマ漫画にキャラクターの声がついたボイスコミックになります。

また、先の4コマ漫画や『ゆるおんぶ』と呼ばれる定期4コマに関しては、ある程度までなら下記の『アソビストアbook』というサイトに登録していただくだけで無料で読めますので、是非とも彼女たちが「何者であるか」を知っていただければと思います。
(このサイトマジで死ぬほど使いづらいんですけど、内包されているコンテンツは後述のノベルやボイドラ含めて素晴らしいものばかりなので……その、耐えてください)

また、先述した『ゆるおんぶ』は電音部公式Xにて基本的に毎週火曜12時に更新されています。
少女たちの日常を垣間見る上でこれほどうってつけな媒体はないかと思いますので、是非ともXにて
#ゆるおんぶ」と検索していただければと思います。幸せになれるぞ!

余談ですが、私はこの『桜乃美々兎』さんのことが本当に大好きで、彼女の挫けそうになりながらも、何度も立ち上がり前を進む力強さに何度も人生を変えてもらいました。

でも正直なところ、私は最初から彼女を好きだったわけではないんですよ。
見た目も声も、意地っ張りな性格も、今まで自分が好きだったキャラクターとはかけ離れていて───それでも私は、彼女のことがたまらなく好きになってしまった。

そのキッカケは上記の「4コマ漫画」でも「音楽」でもなく、これからお話する「物語」という名の少女たちの青春の煌めきであり、これらの媒体が組み合わさることによって生まれたコンテンツの相互作用が、私が今も電音部を愛する理由であるとも言えます。

3. 『物語』を知ろう!

ここまで本noteでは、電音部の構成要素である「音楽」「キャラクター」について順番に説明してきました。
では、最後のひと要素である「物語」についてですが……個人的にはこれが電音部というメディアミックスを理解する最後の1ピースだと思っています。
まぁあれやこれやと案内を始める前に、一旦電音部における物語のあらすじについて説明しておきましょうか。

本作の主人公日高零奈は、父親の事情によって今まで住んでいた北海道からトウキョウの『アキバエリア』に引っ越してきます。

電音部コミカライズ 第1話より

「電音部をやりたい!」と願う転校生の彼女と、その姿に影響されるアキバエリアの東雲和音茅野ふたば
音楽という一つの共通言語を通じて繋がっていく他エリアの少女たち。
トップDJである鳳凰火凛との遭遇。
そして、零奈の姉である████との再会。

電音部コミカライズ 第1話より

近未来を舞台に、時にぶつかり、時に励ましあいながらも「自分は何者なのか」という命題について、クラブカルチャーやDJ同士の『STACK BATTLE』を通して自分自身に問いかけ続ける少女たち。

───簡潔に言うと、電音部の物語とは
音楽×女子高生×部活
という三要素を掛け合わせた、等身大の少女たちによって織り成される青春群像劇となっています。

電音部の物語は基本的に「ノベル」という媒体で不定期連載されており、現在では『アソビストアbook』『Booklive』にて第2部が連載中です。
本noteでお話する第1部に関しては既に完結済みかつ全編無料で読むことが出来るので、是非とも……本当に是非ともお読みいただければと思います。
(一応第1部のコミカライズも全4章のうち3章までアソビストアbookで連載しています。続き出るのかな……)

長くない!!!大丈夫!!!
第1章から第4章まで半日もかからずサクッと読めちゃうので!!お願いします!!本当に!!
私に「電音部ノベルを読みました!」とDMしてくれたら本当になんでもします!なので是非!!

STACK BATTLE

ここからは、先程からチラホラ出てきていたものの全く説明を行わずに進んできた電音部のSF的要素について軽く説明させてください。

……さっきDJによる『STACK BATTLE』と言いましたけど、現代のクラブカルチャーにおけるDJというのは基本的にバトルするものじゃないんですよね。
電音部』という部活動は、何も「DJとしてオーディエンスを楽しませること」だけが活動内容ではありません。

───時に2062年
発達したAIにより「資源」「国境」等といった争いの種、即ち人々の結束する理由が失われつつある社会。
人々はより強固な「思想」「趣味嗜好」での繋がりを求め、争いの舞台は奪い合いでなく魂のぶつかり合いへとシフトしていく───
その結果生まれたのが、NEUCOM社の開発したクラブDJによる一大エンターテインメント。
通称『STACK BATTLE』というものです。

電音部コミカライズ 第1話より

STACK』とは『SELECT(選曲)』『TECH(技術)』『AUDIENCE(観客)』『CREATIVE(創造性)』『KNOWLEDGE(知識)』の頭文字を取ったものであり、これらの総合的な要素をNEUCOM社の開発した統合AI『Iris』とAIホログラムスピーカー『FAITS』、そしてDJユニットを駆使して評価し、その得点を競うのが『STACK BATTLE』という競技になります。

『BLANK PAPER』MVより

電音部』とはこの『STACK BATTLE』によって競い合う部活動のことを指し、少女たちはランキング1位を目指すため、日々切磋琢磨し続けています。

詳細な世界観設定は以下のアーカイブをご参照ください。巷で噂の『分散型自律ゴーレム りむる』に関する設定もこちらで公開されています。

……とまぁ、色々小難しい設定をバーッと喋りましたが、これらはあくまで「友情」「努力」「勝利」という青春の三要素を綿密に描写しきるための舞台装置にすぎません。

本当に大事なのは、この生きづらい世界で描かれる少女たちの煌めき。即ち己の矜恃を証明するため、青春のすべてをかける少女達の物語であり、上記の電音部ノベルでは電音部の世界に住まう少女たちが音楽やDJを通じて自分にとって大切なものを自覚していく過程が非常に丁寧に描写されています。

……可能な限りネタバレを避ける言い方をしているので「何言ってんの?」とも思われるかもしれないんですが、ノリ的にはホビーアニメみたいなものだと思って気軽に見てくれると嬉しいです。

音楽を通して少女たちは繋がり、時に挫折を経験しながらも自分の信じる音楽、そして仲間たちこそがNo.1であることを証明するため、日々進歩し続けていく。
それが───『電音部』という物語です。

4. 『音楽』は鳴り止まない

……さて、電音部を構成する三要素としては先ほど説明した「物語」が最後である。と言いましたが、ひとつ大事なことを伝え忘れていました。
それは「キャラクター」「物語」を理解すると、今までとまた違った目線で「音楽」を読み解くことができるという、先ほどから繰り返し申し上げているコンテンツの相互作用です。
電音部のキャラクターを知り、ノベルを読んだ「あなた」ならきっと、楽曲の歌詞から様々なメッセージを汲み取ることが出来るようになっているはずです。

『いただきバベル』の“バベル”とは何なのか

『NEW FRONTER!』は誰の目から見た景色なのか

『しあわせの魔法』は一体誰に向けられた曲なのか

ということで、最初に聴いた楽曲をもう一度聴いてみてください。

なんとなく聴いていた「音楽」に「キャラクター」「物語」という情報が付与されることで、今まで見ていた景色は段々と色彩を帯びていく。
様々な体験が密接に関わり合うことによって生み出される感動。それこそが、私が電音部に今も魅了され続けている大きな要因です。

そして最後にもうひとつ。
電音部 第1部において、これらの体験を締めくくる上で欠かせない存在があります。

それが電音部初期4エリア唯一の全体曲
You Are The Light』のMVです。

このMVは電音部ノベル 第1部を読み終えて、キャラクターや世界観に関する理解を深めた「あなた」へのご褒美だと思っていただいて差し支えありません。
無論、電音部を全く知らない状態でもこのMVは素晴らしいものだと断言できますが、このコンテンツを知れば知るほど、そこに込められたメッセージは深みを増していきます。

私はこのMVを見る度に毎回涙が止まらなくなるんですが……それほどまでにコンテンツの相互作用が生み出す感動は大きいものなのだと、皆さんにも知ってもらいたいのです。

『You Are The Light』MVより

『電音部』とは音楽が繋いでくれたひとつの物語
少女たちが不器用ながらもを目指すその軌跡、その一端を是非とも皆さんにも辿っていただきたいと思っています。

最後に

ここまでバーっと早口で説明してきましたが、私から言いたい「電音部導入のススメ」としては

1. まず音楽を聴こう!!!
2. 公式サイトや四コマでキャラを知ろう!!!
3. 『電音部ノベル』を読もう!!!
4. もう一度音楽を聴こう!!!

というのがザックリとした内容になります。

もちろん、上記のチャートは「私が考える電音部の良さ」を味わう上でオススメしているものであり
「絶対にこれに従わなければいけない!」
というものでは決してありません。
音楽を楽しむだけでもいいですし、キャラクターやノベルを知るだけでもいい。
多くを知らずとも、このコンテンツを通して見えた景色があなたにとっての「全て」になるはずです。

笑ったって泣いたっていいんだよ
君が感じたこの瞬間に手を重ねて

Favorite Days / 日高零奈

皆さんなりに『電音部』というコンテンツを知り、咀嚼し、そして自分自身の胸に彼女たちの生き様を刻みつけていただければと思います。

そして良ければ、来る2025年3月8日(土),9日(日)
立川ステージガーデンにて開催される
電音部 4th LIVE』にも足を運んでいただけますと幸いです。

DAY1の3月8日(土)には本noteで紹介しきれていない『エリアチェーン』のエリアも多数出演します。

彼女たちはバンダイナムコとはまた違う運営による「新たな電音部」といった枠組みのキャラクターなのですが、そのどれもが魅力的なコンテンツを発信してくれているので、折を見てご紹介させていただきたいですね。

DAY2の3月9日(日)にはDJイベントである『電魂祭』とカブキを含む5エリアによる『MUSIC FOR LIBERTY』が開催されます。

この『電魂祭』、電音部を彩るコンポーザーの皆様によるDJのみならず『日高零奈』『瀬戸海月』の2名によるB2B(2人でDJをすること)が行われるとのことで、電音部ノベル第1部を読んでいる方ならきっと楽しめること間違いなしです。
クラブというカルチャーとの「遭遇」を、目で、耳で、全身で体験していただきたいです。

『MUSIC FOR LIBERTY』に関しては「バンナム運営の5エリアのみの出演」ということ以外事前情報がほぼ0に等しいため、何が起こるか予想もつかない公演となっております。
是非とも、皆さんの目で新しい歴史の幕開けを見届けていただければと思います。

……ということで、ここまで長々とオタクの講釈にお付き合いいただきありがとうございました。
私個人としては『電音部』というプロジェクトの魅力を1/100も説明できていないと感じているのですが、本noteが皆さんにとって『電音部』を理解する一端になったのであればこれに勝る喜びはありません。
少女たちが織り成す青春の1ページを、皆さんと一緒に見届けられることを心から願っております。

立川ステージガーデンで、僕と握手!!!









█████学園について

本noteでほぼ触れることのなかった『カブキエリア』こと『真新宿GR学園』。
彼女たちの正体……そしてその後ろで渦巻く大きな陰謀は、現在連載中の『電音部ノベル 第2部』にて語られます。

電音部ノベル 第2部より

第1部を経た少女たちを待ち受ける悲劇。
すれ違う思いとぶつかり合う信念。
違法DJ』とは。『カブキエリア』の思惑とは。
是非とも皆さん自身の目で、彼女たちの「次の舞台」を見届けていただければと思います。
(ですが何も情報がないというのも不親切な話ですし、こちらも『エリアチェーン』同様折を見て『第2部の良さ』として紹介していきたいですね)

先述の4th LIVE DAY2『MUSIC FOR LIBERTY』も、『電音部 第2部』を追ってから行くと120%楽しめるかもしれません。
その名が指す「自由」とは何なのか。そして誰のためのものなのか。
その答えを2025年3月9日(日)に皆さんと見届けるのを楽しみにしております。

改めて、この度は最後までお付き合いいただきありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!