利尻山でバックカントリー③
初日は利尻島の東側、アフトロマナイ川の河口付近からモービルにトーイングしてもらい移動し、そこからハイクアップだった。2日目は、西の沓形の方を滑りに行くことになった。西側を滑るということは、スノーボーダーなら誰もが憧れるサンセットクルージングができるのではないかと期待が高まる。
1. スケジュール
1日目:東京ー稚内ー利尻島へ移動
2日目:バックカントリーツアー1、利尻島泊
3日目:バックカントリーツアー2、利尻島ー稚内へ移動、稚内泊
4日目:ゲレンディング@稚内こまどりスキー場、稚内ー東京へ移動
2. バックカントリーツアー
2日目ももちろんトーイングで距離を稼ぐ。2日目だから気持ちに余裕があるかといえば全くそんなことはない。道がうねっていれば足で耐えなければならないし、握りてを離さないようにしっかり握る手の血行が悪くなり手がかじみつらい。慣れる日が来るのだろうか。
前日はモーセの十戒のように自分たちのいるエリアだけ雲がパカっと割れていた。今日は果たしてどうだろうとハイクを始めるが風に巻き上げられた粉雪が頬をたたき感覚がなくなってくる。中川ガイド曰く、凍傷になることがあるからほほを揉んで血行を良くしておいてねとのこと。
少し登ったところからパーティーランで気持ちがいい一本を滑った。参加者の皆さんが上手いので一緒に滑っているだけで気分が高まる。
そして自分たちが滑ってきたところの近くを登り返す、豊富なパウダーと風の影響ですでにトラックが半分くらい消えていた。先ほどドロップしたポイントを通り越しさらにどんどんと上り続ける。今回は長距離だったのでパーティーの隊列もかなり間隔が開いてきた。苦労して登った先に見えたのは凛々しい利尻山の山頂。そして反対を振り返ればまた雲がしっかりと割れてしっかりと太陽が顔見せている。遠くに見える海が島にいることを実感させてくれる。これから滑ろうとしているところは自分史上で最もスティープな斜面。正直なところモードチェンジをし始めてからけっこうドキドキしていた。今回も最初に荒井さんが試走してくれてバーンのコンディションを無線で伝えてくれたおかげで気をつけなければいけないポイントでは最新の注意を払いつつ最後はリラックスして壁に当てこんだターンをすることができた。その後はこれでもかと言うくらい長い沢をみんなでパーティーラン。
そして景色が開けてくるとついに西陽が海をオレンジ色に照らしているのが滑っていても視界に入るところにきた。
スプリットボードでバックカントリーを始めたときに達成したいことの2つ、利尻山を滑ること、サンセットクルージングの両方を一度に達成してしまった。こんなに恵まれていて良いのだろうかと離していたところ、いやいや利尻島に辿り着くまでに十分苦労しているじゃないと誰かに突っ込まれた。
3. 3日目まとめ
旅程3日目、バックカントリー2日目は前日以上に天候に恵まれ最高のコンディションで楽しむことができた。人生初のスティープなバーンもいい経験になったと思う。これにて利尻島の旅程は終わりとなるが、稚内にておまけが残っているので次回は4日目についてを書きたいと思う。