【ブックカバーチャレンジ3日目】 「29歳からの人生戦略ノート」(金田博之)
※Facebookで投稿した記事を転載したものです
著者は、当時SAPに勤めていた金田博之さん。
これを手にしたのは、32歳のときです。
2日目に本社の経営企画部に在籍していたことに触れましたが、その後群馬に赴任し、3年後再び本社に勤務しました。部署は経営企画部の分室で、通信事業者との渉外窓口を担当しました。
相手事業者からの要望に対し、当社への減収影響、将来へのリスクを想像力豊かに推計し、相手事業者は勿論、当局、ひいてはお客様から見ても妥当で隙のない論理構築が求められます。
私たちが誤った対応をしてしまうと、不当に競争ルールが変わり、現場に迷惑をかけ、社益を損ないかねない緊張感の中で過ごしていました。
スキル、マインドセットという面では、制度(電気通信事業法、接続約款、卸約款)への深い理解は勿論、契約書作成スキルやNW構成への一定の知識も培う必要があり、特に交渉に臨む強い態度、好戦的な姿勢も求められました。
上司の期待値に遠く及ばず、よく叱責されていたのを思い出します。
すっかり自信を失い、自分を責め、疲れ切った状態で、「こんははずじゃない。人生の手綱は俺が握らねば」と藁をもすがる思いで本書を手にした記憶が蘇ってきます。
本書の内容についての詳細は触れませんが、要は自分に起こったこと、感じたこと、臨んでいることをきちんと可視化して、PDCAを回すといったところがコンセプトになります。
細かいルールがあり、実践できなかった内容もありましたが、
本書の中で最も刺さったのがストレスを書きだすという「守りの戦略」でした。
可視化することで、仕事のコンテンツがストレスなのか、人間関係がストレスなのか等、ストレスの原因が分かり、
考えるべきことに集中できるようになった気がします。
得体がしれないもの、見えない敵と戦って疲弊していると感じることが人間は多いですからね。
巻末を見たら、読了日2011/3/13 と記載があります。東日本大震災の2日後の日曜日になります。
この本を読みながら「生きたかった人の分まで人生を全うせねば!」と強く意気込んでいたのでしょうか。
その年の夏、仕事が少し落ち着いたタイミングで、悔しさを携えてビジネススクール・グロービスのオープンキャンパスに参加し、いつの間にかMBA取得コースに通っていました。
取得後、1年後にコンサルティングファームに転職するのですが、本書は、そういった新たな行動の起点の一つだったと今では言えるのかもしれません。
笑えた日が少ない時代でしたが、あのときの経験が私に与えてくれたものは、決して小さくなかったと思っています。
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