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ムカついて「なんで?!」とキレちゃう前に

なんでわかってくれないのか?
なんでそうなるの?
なんでこんなことができないんだ?

なんで?
なんで?!
なんでっ?!?

は?理由なんかねーよ

 物事が思い通りにいかない時に出てくる疑問「なんで?」は、怒りや苛立ちに押しつぶされ、その本来の意味を失っているものだ。時にその疑問は自分自身にも向けられ、自己嫌悪を誘発する。

 多くの場合、その疑問に対し納得できる回答を求めているわけではない。みっともない感情を垂れ流すのを無意識に恥じた理性が、「何で?」と言う疑問符を借りて理由や原因を探すふりをしているだけだ。

 こんな不毛な疑問をぶつけられると、相手もまた苛立つだけの悪循環。”ただ忘れた”とか”面倒くさかっただけ”程度のことを「なんで?なんで?」と咎められるのは不快なものだ。「”なんで”そんな言い方しかできないのか?」と言い返したくもなる。

 そして、言う方も言われる方も我慢するしかないような気になってくる。この小さな我慢も積み重なればかなりのストレスだ。

 しかし・・・

その理由がわかったらどうだろう?

 ある日のこと、スーパーのレジに長い行列ができていた。急いでいたので店員の手際の悪さに腹が立ち「なんでそんなにモタついてるんだよ!」と心の中で毒づいた。自分の番になりふと彼女に目をやると胸元に「研修中」と書かれたプレート。「なんで?」の答えは「研修中」だったのだ。

 トロい理由が判明しただけで、苛立ちは消え「頑張って」とエールさえ送りたくなった。これは極めて単純な例だが、もしかしたら、あらゆる場面で「WHY?」の答えを真剣に考えてみるのは有意義なことかもしれない。

 結果には必ず原因がある。

 そう言えば、幼い子供というのはしつこいくらい「なんで?」「どうして?」と聞いてくる。延々と連鎖していく「WHY?」に答えあぐねた大人が「もう!なんでもよっ!」と降参してしまうほどに。

 この純粋な好奇心は、成長するにつれ経験値が増すのと反比例するように薄れていく。そして、大人は大概のことを”わかったような気”になるのだ。だが負の感情が昂った時、つい出てしまう。「なんで?」と。

 だったら、子供みたいに「なんでなんだろう?」「どうしてなんだろう?」と、怒りや苛立ちを好奇心に変換してみてはどうだろう?

 先日、スマホの調子が悪くなりアプリやデータをせっせと削除してもストレージが減らない。あ”〜もう!ムカつく!!とサポートセンターに問い合わせると対処法を遠隔操作で教えてくれた。だが、空き容量に変化がない。

「これでもう大丈夫ですよ」

「でも、なんで減らないんですか?」

「ちょっとお時間がかかるんです」

なんで時間がかかるんですか?」

 文字にするとまるで嫌味なクレーマーだが、この時の私は子供のような好奇心でいっぱいだった。削除したデータ分のスペースが空いてしかるべきなのに、それが反映されない理由はなんなのだろう?と。

「一度にたくさん削除したので、それを処理するの時間がかかってしまうんです。今、頑張ってるんで終わるまでしばらくお待ちください。」

 理由がわかると、この瞬間にも一生懸命にデータを処理しているiPhoneが愛おしくなった。「急かしてごめんね」

 「なんで?」を放置しなかったことにより、優しい気持ちになれ、さらに知識がひとつ増えたのだ。

怒るより先に「なんで?」って考える

 原因がクリアになるだけで、その対象が人間であれ、モノであれネガティブな感情が不思議なくらいに鎮まっていく。不機嫌なあの人にも、無神経なこの人にも、ヒステリックなその人にも、みんな何らかの理由がある。

 もちろん、ダメな自分にもだ。それに悩み、怒り、不安になるより「なんで?」って考えること。何かにブチ切れそうになって意味のない「なんで?!」を口に出す前に、その「なんで?」をガチで考え対処法を探してみるのは案外楽しいことだと気がついた。

 人間相手だと、iPhoneの不具合のように明確な正解にはたどり着かないかも知れない。でも、自分なりの仮説は立てられる。そうやって理由や原因に思いを馳せることは、誰かの思考回路の中を旅するようだ。

 その言動は、どんな道程でどんな風景を経て私に届いたのだろうか?

書くことはそんな旅の記録かも知れない

 もちろん「なんで?」は怒りとセットではない。なぜか琴線を揺らした音楽、なぜか忘れられない映像、なぜか引っかかった言葉、それらのポジティブな「WHY?」もまた「わけもなく」とか「理由などないが」とつい放置しがちだ。

 あえて放置した方がロマンチックなのかも知れない。でも、その「なんで?」をあの手この手で追求し分析してみたくてnoteを書いている。そんな「WHY?」をこれからも無粋にしつこく掘っていこうと思う。

読んでいただきありがとうございます。


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