雨音 ~ rainy sounds~
雨の音に気を取られたか
ふと、真夜中に目が覚める
起きてしまったものは仕方ないと
傘を差して、近所のコンビニまで歩いてみる
雨粒は、不規則に傘を叩きリズムを奏でる
…ぽつぽつぽつ…
…とんとんとん…
世界中を旅して回り
力つき落ちてくる雨粒たち
その雨粒が砕ける瞬間
耳に聞こえるその音は
微かな懐かしさを僕に与える
一人留守番していた子供の頃も
夜遅く勉強をしていた学生の時も
悩み疲れていたあの夜も
ベッドに横になり
少しずつ歪んでいく外の景色を眺めながら
僕はその音を聞いていた
今でもその雨音は
不思議な感情を僕に与える
どことなく寂しくて
けれどもどことなく懐かしくて
自分が自分でないような
夢が現実であるような…
…ぽつぽつぽつ…
…とんとんとん…
今も聞こえるその音は
遠く旅した雨粒が
その身砕かせてもなお響かせる
命の音なのかもしれない
そんなことを考えながら
雨の中、僕は家に帰る