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中堅地銀のファースト・シチズンズ・バンクがシリコンバレー銀行を買収

米連邦預金保険公社(Federal Deposit Insurance Corporation: FDIC)は3月27日、「FDICの仲介で、ノースカロライナ州ローリーに本社を置くファースト・シチズンズ・バンク&トラスト・カンパニー(First Citizens Bank & Trust Company)が経営破綻したシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank:SVB)を買収した」と発表した。ファースト・シチズンズ・バンクはSVBのすべての預金、融資およびSVBの全米17の支店を買収した。
https://www.fdic.gov/news/press-releases/2023/pr23023.html
 
FDICは、「SVBの2023年3月10日時点での総資産は1670億ドル、預金総額は約1190億ドルである。ファースト・シチズンズ・バンクはSVBの資産約720億ドルを165億ドルのディスカウントした価格で買収した。残り約900億ドルの証券およびその他の資産については管財人であるFDICが処分のため管理する」と説明した。また、FDICは最大5億ドルのファースト・シチズンズ・バンクシェアズ(First Citizens BancShares, Inc.)の株式増価受益権を取得する。
 
SVBの預金は3月27日付でファースト・シチズンズ・バンクの預金に自動的に切り替わるが、システムの切替が完了していないため、現在のところ利用できるのは口座を開設した支店のみである。
 
FDICは、SVBの破綻による預金者の混乱を避け、買収先が見つかるまでの繋ぎとして、シリコンバレー・ブリッジ・バンク(Silicon Valley Bridge Bank)を設立し、SVBのすべての預金(保険付および無保険)および実質的なすべての資産と適格金融契約をブリッジバンクへと移管した。なお、SVB破綻によるFDICの預金保険基金 (DIF)は約200億ドルと推定される。正確な費用については管財人の管理を離れた後に確定する。SVBの破綻は「米国史上最もコストのかかる銀行破綻」と言われている。
 
ファースト・シチズンズ・バンクCEOのFrank Holding Junior氏は、「SVBから引き継いだグローバルファンドバンキング事業が持つプライベートエクイティおよびベンチャーキャピタルとの関係を構築、維持し続けることを約束する」と熱く語った。
 
エコノミストのジョーイ・ポリターノ(Joey Politano)氏は、「FDICはSVBの破綻による預金保険基金の負担を200億ドルと見積もっている。2008年の破綻したインディマック銀行(Indymac Bank)は124億ドルかかり、シグネチャー・バンク(Signature Bank)は約25億ドルの推定である。これらと比較し、SVBの破綻による負担は非常に大きい。
 
SVBと同時期に破綻したシグネチャー・バンクについては、3月21日にフラッグスター・バンク(Flagstar Bank)が384 億ドルで買収した。
 
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